概要・あらすじ
15歳の日比谷梨衣子はこれまで恋愛経験がなく、人を好きになったこともない。運命の恋にあこがれているだけの女子高生。友達の恋愛話や恋の応援をするだけで満足な日々を送っていた。友達の七木沙緒から、憧れのユーヤくんの話を聞いた梨衣子は、彼女のために一肌脱ぐことにした。しかし、勇んで梨衣子が声をかけたのはユーヤではなく、同じグループの蓮水くんだった。
梨衣子は蓮水くんに間違いを詫び、ユーヤと沙緒を近づけるために放課後、みんなで遊びに行くことを提案する。ユーヤと沙緒はいい雰囲気で、二人が陰でキスしているところを目撃した梨衣子。友達の恋が叶った、運命の恋だと喜ぶ梨衣子だが、一緒にいた蓮水くんはその意見には否定的。それなら、ここで自分がキスをしたら、それは運命の恋なのか、と梨衣子にキスを迫ってきた。
結局、蓮水くんにからかわれただけだったが、梨衣子は初めてのことで、ドキドキが止まらない。翌日、沙緒に話を聞くと、彼から「付き合う気はない」と言われ、フラれてしまったという。梨衣子はまだ諦める必要はないと励まそうとするが、その言葉はかえって沙緒を怒らせてしまう。
梨衣子はユーヤを呼び出して問いただすが、責められる筋合いはないし、あなたには関係ない話だと言い負かされてしまう。一部始終を見ていた蓮水くんは、梨衣子が一番欲しい言葉で励まし、沙緒との仲直りを促す。「一緒にいて楽しいやつは好きだ」と、思わず勘違いしてしまいそうなセリフを、恥ずかしげもなく言う蓮水くんに振り回される梨衣子だが、これが恋なのではないか、と気づき始める。
蓮水くんと一緒に下校したり、楽しくおしゃべりしたりと、普通のことがたまらなく嬉しい梨衣子。次のステップは、蓮水くんの連絡先をゲットすることだと思い、自然に聞き出すにはどうしたらいいか、頭を悩ませる。学校祭の実行委員になれば、みんなに連絡しなければいけない役だから、連絡先を自然に聞き出せるのではと思いつく。
登場人物・キャラクター
日比谷 梨衣子 (ひびや りいこ)
元気印の高校1年生の女子。15歳。肩までのロングヘアで、頭頂部の一部を高い位置でしばっている。恋愛経験どころか、好きな人がいたこともない恋愛初心者。運命の恋にあこがれており、友達の恋を全力で応援する。素直で猪突猛進型。お人好しで友達想いなところがあり、正義感が強い。また、うっかり者でもある。思わせぶりな態度をとる蓮水くんを好きになってしまう。
蓮水くん (はすみくん)
日比谷梨衣子のクラスメイト。高校1年生の男子。サラサラの黒髪ストレートで、前髪は目にかかるほどの長さ。左目の下にホクロがある。イケメンで入学当初から女子に騒がれていたが、彼女たちに冷たい視線を浴びせたため、女嫌いと噂される。実は優しいところもあり、友達想いで面倒見がいい。好き嫌いがはっきりしている。励ましの言葉や特別感のある思わせぶりな言葉を、さらりと言える天然ジゴロ。 梨衣子に興味を持っている。
七木 沙緒 (ななき さお)
日比谷梨衣子の親友で、クラスメイト。高校1年生の女子。塾で一緒だった坂口裕哉が気になっており、梨衣子が作ったきっかけで、裕哉とグループデートすることに。裕哉にキスされて舞い上がり、告白するがフラれてしまう。切り替えが早く、次の恋に向かって前進している。
坂口 裕哉 (さかぐち ゆうや)
蓮水くんの友達。高校1年生の男子。日比谷梨衣子の親友で、七木沙緒と同じ塾に通っていた。明るくて愛想の良いイケメン。ノリが軽いため、女にだらしないところがあり、よく面倒を起こす。沙緒にキスをするものの、付き合うつもりはない。
丸岡 (まるおか)
日比谷梨衣子のクラスメイト。細身のメガネ男子で優等生タイプ。学校祭実行委員に自分で立候補するほどやる気はあるが、少々周りが見えなくなる傾向がある。おだてに弱く、涙もろい。人の役に立ちたいと日頃から思っている。