あらすじ
第1巻
聖ドロテア学園高等部では2年生に進級した際、学園に「親友」申請をした相方同士が力を合わせて試験を乗り越え、最終的に残った1組が絶大な力を持って生徒達を導く、女王という制度があった。そんな聖ドロテア学園の高等部1年生に転入して来た蜂谷たんぽぽは、優等生で有名人の高峰百合に対して、いっしょに女王を目指さないかと声を掛ける。百合には、以前から生徒間では相方として認識されており、女王最有力候補といわれている花園牡丹がいた。周囲は百合がたんぽぽの申し出を断ると思っていたが、意外にも百合は迷う事なく相方を受け入れる。動揺した牡丹は百合の考えを改めさせようとするが、百合は頑(かたくな)にそれを拒否する。そんな中、たんぽぽは自分と百合を引き離そうとする葛原水仙をけしかけ、水仙自身が牡丹と相方になってはどうかと言葉巧みに誘導する。すっかりその気になった水仙は、長年親しい間柄だった相方の土居紫陽花との関係をあっさり解消する。それを知った百合は、たんぽぽが努力して女王になろうとしているのではなく、周りのライバルを潰す事で目的を達成しようとしている事に気づく。
第2巻
「親友」した蜂谷たんぽぽと高峰百合に、さっそくテストが課せられた。内容は一方の相方の長所と短所をそれぞれ四つ書き、もう一方の相方は自身の長所と短所を書き出し、一つでも合っていれば合格というものだった。付き合いの長い相方同士はすぐに試験をパスしていくが、まだお互いの事を知らないたんぽぽと百合は苦戦する。しかし、なんとか一つを合致させ、テストをクリアする。そんな二人の様子に目をつけた菊乃は、たんぽぽに対して百合といっしょに自分と小梅の支持者にならないかと誘う。それを聞いたたんぽぽは、そんな菊乃の野心を利用しようと画策する。そんな中、タイミングよく聖ドロテア学園の創立記念祭が開催される事となり、女王を目指す相方達はそれぞれ出し物を企画していた。さっそく菊乃はたんぽぽと百合に声を掛け、周囲に対して二人は自分の支持者だと印象づけようと動く。しかし、生徒からの百合の人気は絶大で、菊乃の存在はあっという間にかすんでしまう。さらにこれまで小間使いとして扱って来た小梅とのあいだにも亀裂が入り、菊乃は窮地に追い込まれていく。
第3巻
夏休みになっても女王になるためのテストは続き、女王候補者達で合宿が開催される。合宿では毎日「女王にふさわしい人物とそうでない人物」を1名ずつ選び、最終的に8組中3組の相方達が脱落するという厳しいルールのテストが課せられる。それぞれが自分の長所や人柄をアピールする中、外部生(エルブ)である蜂谷たんぽぽは、周囲から圧倒的に不利だと思われていた。しかし、たんぽぽは持ち前の演技力で、以前から強敵と見なしていたかすみとなずなを見事脱落させる事に成功。そして夏休みは終わり、たんぽぽと高峰百合は今度の試験で女王候補は2組に絞られる事を知る。また、百合は同時にたんぽぽの母親の五十嵐なでしこが現在の聖ドロテア学園理事長と過去に相方同士であり、女王になった過去を知る。一方たんぽぽは、百合に「自分の母親はこの学園の友情に殺された」といった旨だけを告げ、自分の身の上を詳しく話そうとはしなかった。そんな中でもたんぽぽはいつも通りに他人の心理を巧みに利用し、テストをパスしていく。そしてついにたんぽぽと百合は女王候補最終2組に残り、花園牡丹と土居紫陽花と対峙する事となる。
登場人物・キャラクター
蜂谷 たんぽぽ (はちや たんぽぽ)
聖ドロテア学園高等部に転入して来た女子。学園内では外部生(エルブ)になる。父親の仕事の都合で、現在は親戚の家で暮らしている。母親は五十嵐なでしこで故人。親しいクラスメイトからは「ぽぽちゃん」と呼ばれている。ふだんは明るく愛らしい能天気な少女を演じているが、実は誰よりも計算高く、腹黒い性格の持ち主。基本的に人を信じておらず、言葉巧みに他人同士を争わせる事にも、何の罪悪感も覚えていない。また優れた演技力で他人を欺き、陥れる事もいとわない。百合と本性を見抜いた土居紫陽花にだけは、本来の自分を隠さず表現する事が多い。女王になるべく、高峰百合に目をつけて相方になる。のちに百合と「親友」し、反発し合いながらも女王を目指す。
高峰 百合 (たかみね ゆり)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。華族の血を引いた名家の出身で、幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。つねに冷静沈着で、聡明な人物。見た目はまるで人形のように美しく整っている。花園牡丹とは幼稚部に入る前からの幼なじみで、ずっといっしょに行動して来た。しかし、高峰百合本人は牡丹とは相方になった認識はなく、「親友」する気もない。一方で、口にしないものの、女王になりたいという野望を強く抱いている。牡丹の代わりに蜂谷たんぽぽから自分が相方になりたいと言われ、素性を知らないまま受け入れた。ただし、たんぽぽの本来の腹黒い性格やほかのライバルを潰すやり方には賛同しておらず、不快感を示す事も多い。のちにたんぽぽと「親友」し、反発し合いながらも女王を目指す。
花園 牡丹 (はなぞの ぼたん)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。たんぽぽのクラスメイト。外部生(エルブ)に対して差別的な気持ちは持っておらず、転校して来たたんぽぽに嫌味を言う内部生(フルール)に対して一喝するなど、正義感が強い。聖ドロテア学園の理事長の令嬢で、著名な企業グループの中枢を占める名家の跡継ぎ。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生で、成績および人柄に優れて人望も厚い。高峰百合とは幼稚部に入る前からの幼なじみで、ずっと相方だと思っていた。当然2年生に進級した際には百合と「親友」しようと考えていたが、拒絶されてショックを受ける。のちに土居紫陽花と「親友」し、信頼を寄せるようになっていく。花園牡丹と百合は女王最有力候補と言われていた事もあり、お互いが別の女性と「親友」してからも、二人に女王になってほしいと望む生徒が多い。
土居 紫陽花 (どい あじさい)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。葛原水仙と相方だったが、たんぽぽの策略によって、花園牡丹と相方になろうと考えた水仙に関係を解消されてしまった。表向きは水仙に振り回される気弱な女性を演じていたが、解消してからは野心家な一面を隠す事なく、堂々と振る舞うようになった。危機管理能力に優れており、タンポポの腹黒い性格を誰よりも早く見抜いた。そのため、たんぽぽからは大いに警戒されながらも信頼を寄せられている。のちに水仙を裏切って牡丹の相方になり、「親友」する。牡丹とはお互いの事を知らないまま「親友」したものの、時間の経過と共に打ち解け合っている。成績は学園でもトップクラス。
葛原 水仙 (くずはら すいせん)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。選民意識が強く、外部生(エルブ)に対しては差別的な視線を送っている。花園牡丹と高峰百合の二人にあこがれを抱いており、女王になってくれる事を誰よりも望んでいる支持者で、特に牡丹に陶酔している。そのため、牡丹の代わりに百合と「親友」すると言い放つたんぽぽを許せず、冷たい態度を取ったり悪口を言ったりと、嫌がらせを繰り返す。そんな中、たんぽぽの策略により、牡丹と「親友」するのは自分だと考え始め、相方になってほしいと申し込むが断られてしまう。その際にこれまで相方だった土居紫陽花との関係を一方的に解消した。なお、紫陽花はのちに牡丹と「親友」し、戻って来る事はなかった。
茉莉花 (まりか)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。学園内では外部生(エルブ)になる。明るくまじめな性格で、たんぽぽが転入して来た際には気軽に声を掛けた。たんぽぽの腹黒い一面にはまったく気づいておらず、偽りの性格を装うたんぽぽとウマが合うと思っている。すみれと非常に仲がいいが、お互いに外部生のために「親友」する気はない。
すみれ
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。学園内では外部生(エルブ)になる。地味な雰囲気を醸し出しているが、人思いのしっかり者で、誰に対しても誠実な姿勢で接する。たんぽぽが高峰百合と女王を目指すと宣言した際も、外部生が女王になった事例はなく、おもしろおかしく中傷されるだけだからやめるべきだと、二人を説得する。まっすぐ誠実な性格故に、たんぽぽの腹黒い一面には気づいていない。茉莉花と非常に仲がいいが、お互いに外部生のために「親友」する気はない。
菊乃 (きくの)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。相方の小梅と「親友」し、女王を目指す。聖ドロテア学園の生徒である事に誇りを持っており、内部生と外部生(エルブ)が親しくなる事には懐疑的な態度を示す。また、「公平と平等」を理念に掲げる蓮美、睡蓮にも内心反感を抱いている。外部生のたんぽぽと内部生の高峰百合との相方関係が受け入れられず、たんぽぽに対しては冷たく当たる。ただし、たんぽぽを嫌っているわけではなく、自分と小梅の支持者にならないかと声を掛けた。小梅に対しては自分より格下だとして小間使いのように扱っていたものの、小梅が自分の前から姿を消してしまった事で反省。さらに自らを女王の器ではないと悟り、以降和解した小梅と共にたんぽぽと百合の支持者になる。
小梅 (こうめ)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。菊乃の相方で、のちに「親友」して女王を目指す事になった。気が弱く、表に出る事が苦手で、菊乃には小間使いのように扱われている。菊乃のために尽くす事が自分に最良の選択だと理解しつつも、労(ねぎら)うどころか横柄な態度で接して来る菊乃に対し、次第に反感を覚えていく。のちに菊乃と和解し、たんぽぽと高峰百合の支持者になる。
柊 (ひいらぎ)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。相方はいちごで、のちに「親友」する。のんびりとした性格で、つねにパーカーのフードを目深にかぶっている。まるでモデルような抜群のスタイルのため、学園内にはファンが多い。いちごに対しては友情を示すような言葉は口にしないものの、誰よりも大切な存在だと思っている。
いちご
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。相方は柊で、のちに「親友」する。身長が低く、かわいらしい容姿の持ち主。制服はロリータファッション風に改造している。自分に絶対的な自信と、確固たる意志を持つ野心家。自分の意見は、周囲に嫌われてもはっきり口にする。蜂谷たんぽぽと高峰百合の動向をつねに気にしている。
楓 (かえで)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。相方は紅葉だが、まだ「親友」していない。長身で細身のボーイッシュな美人で、演劇部のエースとして活躍している。創立記念祭が催される際、紅葉が高峰百合に近づきたいとの希望を聞き、劇に出演する事になった。しかし、菊乃のメンバーへの横柄な態度を見て、主役を降りると言い出す。
紅葉 (もみじ)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。相方は楓だが、まだ「親友」していない。昔から高峰百合にあこがれを抱いており、創立記念祭でいっしょに劇がしたいと楓に協力を依頼する。ふだんは明るくテンションが高いものの、実際には心身共に弱く、大声を出されるとストレスで過呼吸になってしまう。
さつき
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。たんぽぽが所属するクラスのまとめ役を担う。ほかの内部生よりも外部生(エルブ)に対する当たりは強くない。大雑把でいいかげんな性格のように見えるが、実際は人間関係の細かな部分も察し、臨機応変な対応をする器用な人物。菊乃がたんぽぽに利用されるだろうと、いち早く見抜き、一応菊乃に忠告するものの、聞き入れてもらえずに終わる。
つつじ
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。たんぽぽが所属するクラスのまとめ役を担う。外部生(エルブ)に対しても差別する事なく、誰に対しても公平な態度で接する。やや天然気味なところがあり、さつきによく突っ込まれている。
鈴蘭 (すずらん)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)だが、一時的に海外留学をして、再び学園へ戻って来た。高峰百合と花園牡丹とは幼なじみで仲がいい。社交的な性格のため、誰とでもすぐに友達になれるタイプ。嬉しい事があるとすぐにハグをする癖がある。なにも考えていないように見えて、しっかりと計算して行動している。
かすみ
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。なずなとは「親友」した相方同士で、幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。なずなとはつねにいっしょに行動しており、ほかの生徒達と親交を深めようとしない。感情を表に出さず、いつも淡々と行動する。現聖ドロテア学園の女王の蓮美、睡蓮の支持者で、女王を目指しているのも、二人の素晴らしい考えを自分達の代にそのまま引き継ごうとしているため。
なずな
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽと同学年。かすみとは「親友」した相方同士で、幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。かすみとはつねにいっしょに行動しており、ほかの生徒達と親交を深めようとしない。感情を表に出さず、いつも淡々と行動するが、かすみよりもややスキのある性格をしている。故にたんぽぽに付け込まれ、自分の行動に迷いが生じてしまう。現聖ドロテア学園の女王の蓮美、睡蓮の支持者で、女王を目指しているのも、二人の素晴らしい考えを自分達の代にそのまま引き継ごうとしているため。
蓮美 (はすみ)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽの上級生。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。睡蓮とは相方同士。ロングヘアの、はかなげで優しい雰囲気を漂わせた美人。現聖ドロテア学園の女王で、学園内では圧倒的な権力を誇る。ただし掲げている理念が「公平と平等」という事もあり、これまでの慣習だった、「親友」は内部生(フルール)同士の相方でしか受理されない、というルールを完全撤廃した。また、自分達も外部生(エルブ)に対して差別的な態度は取らず、平等に接している。多くの生徒からは模範的な女王だと絶賛されているが、菊乃など、聖ドロテア学園の内部生だという高いプライドを持っている一部生徒からは反感を抱かれている。
睡蓮 (すいれん)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽの上級生。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。蓮美とは相方同士。ボブヘアの、はかなげな優しい雰囲気を漂わせた美人。現聖ドロテア学園の女王で、学園内では圧倒的な権力を誇る。ただし掲げている理念が「公平と平等」という事もあり、これまでの慣習だった、「親友」は内部生(フルール)同士の相方でしか受理されない、というルールを完全撤廃した。また、自分達も外部生(エルブ)に対して差別的な態度は取らず、平等に接している。多くの生徒からは模範的な女王だと絶賛されているが、菊乃など、聖ドロテア学園の内部生だという高いプライドを持っている一部生徒からは反感を抱かれている。
葵 (あおい)
聖ドロテア学園高等部に通う女子。蜂谷たんぽぽの上級生。蓮美、睡蓮から指名され、王宮のメンバーとして活動している。幼稚部から聖ドロテア学園に通っている内部生(フルール)。つねに笑顔を絶やさず人当たりがいいが、一方でなにを考えているかわからない不気味さを持つ。女王候補者達のテストを担当するなど、女王候補者達のまとめ役を担っている。
五十嵐 なでしこ (いがらし なでしこ)
聖ドロテア学園に所属していた女性。蜂谷たんぽぽの母親で故人。現理事長と共に女王になった過去を持つが、女王になったとたんに退学してしまう。
集団・組織
王宮 (ぱれす)
聖ドロテア学園高等部における生徒会的な役割を担う機関。女王の理念を生徒達に広め、実現させていくために集められる。女王ほどではないものの学園内では生徒達からのあこがれの対象となり、権力を持つ事になる。女王が、自分と考え方が近いと思う信頼できる人物から指名するケースがほとんどで、支持者から選ばれる事が多い。これまでの歴代王宮のメンバーは、内部生(フルール)のみで構成されている。
場所
聖ドロテア学園 (さんどろてあがくてん)
長い歴史を持つ名門学校。幼稚部から高等学校までの一貫教育を行っている。築100年以上の校舎は、現代にも名を残す著名な建築家のデザインによるもので、校舎内には美術品が飾られている。「親友」や女王といった独自の制度が多く、それらは学校生活にも大きく影響を及ぼしている。裕福な家庭に育つ生徒が多く、特に資産家が多い内部生(フルール)は、中途入学した外部生(エルブ)を見下している。ちなみに蜂谷たんぽぽは高等部の1年生として転入しているため、外部生になる。
その他キーワード
相方 (ばるとねーる)
聖ドロテア学園高等部に昔からある制度の用語。高等部1年では「親友」する予定の相手を指し、高等部2年以降は「親友」した相手を指す。相方は互いの合意を基に約束された者同士で、基本的に解消するのも新しく組むのも、当人同士の意志に任されている。
支持者 (おともだち)
聖ドロテア学園高等部に昔からある制度の用語。本人は「親友」せず女王になる意思もないが、応援したい相方を持つ者を指す。支持者は周囲に相方同士のすばらしさを広めたり、イベント事があった際には快く手を貸す。葛原水仙は高峰百合と花園牡丹の熱狂的な支持者。水仙のように損得感情なく、あこがれの気持ちから支持者を買って出る者もいるが、応援していた相方同士が女王になった際、王宮のメンバーになりたい野心から、なりたがる事もある。
親友 (ぶーけ)
聖ドロテア学園に昔からある制度の用語。高等部2年生に進級した際、自分と一番仲がいい生徒同士で学園に申請し、受理される事で女王になるための試練を受けられるようになる。1年間の試練を「親友」した相方と二人で力を合わせて乗り越え、学年一美しい友情を築いた者達1組だけが女王に選ばれる。「親友」は、表向きは生徒ならば誰でも申請できる事にはなっているが、蓮美と睡蓮が女王になる前までは内部生(フルール)同士の相方のみが申請でき、外部生(エルブ)は受理されなかった。
女王 (られーぬ)
聖ドロテア学園に昔からある制度の用語。高等部2年生に進級した際に「親友」した者同士が、1年間の試練の末に選ばれる称号。学園内では1組だけの存在で、誰よりも強い権力を持ち、生徒達からはあこがれの眼差しを向けられる。学園内では「かぐわしき友情で結ばれた学園の象徴にして代表」と定義づけられており、女王が歩く場所には歓声が起こるほど。女王になった相方同士の友情は花のように美しく、永遠に咲き続けるといわれている。表立ったルールにはなっていないものの、歴代の女王は幼稚部からの内部生(フルール)同士しかいない。