どうぞ可愛がってください

25歳のOLの木下あおいは、何もない所でつまづいてしまう手のかかるドジっ子。効率が悪くて仕事も遅いが、どんなドジを繰り返しても、周りを和ませ、癒しを与えてくれる愛されキャラだ。ある日、廊下で転んで荷物をぶちまけてしまうあおい。社内で見慣れないイケメン男性が、優しく手を差し伸べてくれた。あおいは王子様のような彼に一瞬で恋に落ちてしまう。彼は社長のジュニアで、海外赴任から帰ってきて、これからあおいの部署の部長となる九条護。噂ではかなりの切れ者だか、冷徹でダメな社員はすぐに切り捨て、異動させられてしまうのだという。再会した彼は、あおいを助けてくれた時と別人のようだった。冷たい目で九条から「ドジやミスを今週5回やったら異動」と宣言されてしまう。あおいはできる女になろうとがんばるが、はりきればはりきるほど、ミスやドジを繰り返してしまう。ついに異動宣告をされてしまったあおいは、もう一度チャンスをくださいと食い下がるが「君にいて欲しくないんだ。ストレスでしかない」と九条から言われてしまう。そんなに嫌われているのかと落ち込み、あおいは九条の歓迎会でやけ酒を飲んでつぶれてしまう。一人でつぶれていたあおいを見つけた九条は、もう我慢できないとあおいを家に連れて帰った。彼女の服の汚れを丁寧に落とし、アイスをあおいの口に運んで恍惚とした表情を浮かべる。実は九条は異常なまでの世話好きで、ドジばかりするあおいを本当は甘やかしたくて仕方がなかった。仕事に支障をきたさないよう、これまでドジな人を遠ざけて、世話を焼きたい衝動を抑えていたのだという。あおいに自分の性癖をバラした九条は、「この衝動が収まるまで君には責任をとってもらう」と言い出した。こうして周囲には内緒で、九条から「甘やかされまくる」という、あおいにとっては嬉しい毎日が始まるのだった。