にれこスケッチ

にれこスケッチ

鴨居まさねの代表作の一つ。神奈川県を中心にした現代日本を舞台に、実家のブラシ屋を継ぐことになったアラサーの松岡楡の恋愛模様と、ブラシ職人見習いとして成長していく過程を描いた、職人をテーマにしたラブコメディ。祥伝社「フィール・ヤング」2015年10月号から2020年1月号にかけて連載の作品。2017年12月に、宝島社「このマンガがすごい!2018」オンナ編16位を獲得している。

正式名称
にれこスケッチ
ふりがな
にれこすけっち
作者
ジャンル
職人・芸術家
 
ラブコメ
レーベル
FEEL コミックス(祥伝社)
巻数
全3巻完結
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傘職人とブラシ職人見習いのラブコメディ

本作は、職人やものづくりをテーマにしたラブコメディ。傘職人の幼なじみに片思いするアラサーのブラシ職人見習い、楡と、既婚者で楡の幼なじみながら彼女を軽くあしらう傘職人の弦希。複雑な恋愛模様の中で、思い通りにならない恋に悩みつつも、実家のブラシ屋で働くうちに楡の人生が大きく変わっていく様子が描かれる。また、作中にはさまざまな職人が登場し、傘作りやブラシ作りに関する豆知識や解説も随所に盛り込まれている。

ブラシ職人への道

創業100年のブラシ屋を営む松岡家の末っ子、楡は、同棲していた彼氏と別れ、実家に戻ることになった。会社を辞めたあと、幼なじみの弦希が営む傘工房でアルバイトを始めるが、彼に積極的にアプローチするもまったく相手にされない。傘職人としての弦希の仕事ぶりにあこがれを抱く楡は、彼のような職人を目指していたが、弦希からは正社員にはしないと明言されてしまう。仕事も恋も上手くいかない中、祖母のりえが片目を失明してしまう。母親の久子に頼まれ、家業を継ぐことを決意した楡は、アルバイトを続けながらブラシ職人の道を歩むことになる。地味だと感じていたブラシ作りだったが、意外な奥深さと楽しさに気づき、りえと久子の背中を追いながら修行に励んでいく。

秘められた過去と20年の片想い

29歳になった楡は、ブラシ職人としての修行を続けながら、時おり帰省する姉たちや弦希と交流し、穏やかな日々を送っていた。そんなある日、元彼の松谷が突然現れる。松谷を忘れようとしていた楡だったが、彼のアレルギーやこれまで知らなかった一面に触れるうちに、二人のあいだに新たな関係が築かれていく。家族ぐるみでの付き合いがあった松谷との復縁を周囲から勧められ、心が揺れる楡。一方で、弦希への思いも断ち切れずにいた。そんな中、弦希の妻の秋歩がブラシ屋を訪れたことで、楡の過去にかかわる重大な事実が明らかになる。ブラシ作りに真剣に向き合いながらも、恋愛や人生に悩み続ける楡の20年にわたる弦希への片思いと、彼女が下す大きな選択の行方が見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

松岡 楡 (まつおか にれ)

老舗のブラシ屋を営む松本家に生まれ育った女性。初登場時の年齢は28歳。三姉妹の末っ子で、長女の花と次女の愛は既に独立し、実家で母親の久子と祖母のりえと共に暮らしている。幼い頃から自分の名前「楡」にコンプレックスを抱いており、弦希に提案されて以来、「にれこ」という愛称で呼ばれることが多い。幼なじみの弦希に密かに思いを寄せ、彼の傘工房で職人見習いとしてアルバイトをしている。そんな中、祖母のりえの視力が低下したことをきっかけに、母親の久子から実家のブラシ屋を継いでほしいと頼まれ、アルバイトの頻度を減らしながらブラシ職人としての修行を始める。

清田 弦希 (きよた げんき)

傘職人の男性。黒の長髪をハーフアップにまとめ、眼鏡をかけている。楡の幼なじみで、彼女の姉、花の同級生でもある。妻は年上の美しい靴磨き職人の秋歩。楡を工房でアルバイトとして雇っているが、社員にするつもりはないと明言している。昔から楡に「かっこいい」と言われ続けているものの、彼女に対しては子供扱いする傾向がある。また、楡の母親の久子とも親しい関係にあり、かつて楡は久子と弦希が不倫しているとカンちがいしていた。

書誌情報

にれこスケッチ 全3巻 祥伝社〈FEEL コミックス〉

第1巻

(2017-01-07発行、978-4396766955)

第2巻

(2018-09-07発行、978-4396767457)

第3巻

(2020-04-08発行、978-4396767884)

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