メイキャッパー

メイキャッパー

「刃牙」シリーズで知られる板垣恵介のデビュー作で初連載作品。昭和時代が終焉した日本を舞台に、「悪魔の手(デビル・ハンド)」の異名を持つメイクアーティスト・美朱咬生が、想像を超えたありえないテクニックで、さまざまな人たちにメイクを施していく姿を一話完結型で描いたメイキャップドラマ。容姿にコンプレックスを抱いた人たちを、咬生はメイクだけでなく、ツボを刺激して幸せにする。スタジオ・シップ「ヤング・シュート」で1989年7月号から1991年3月号にかけて連載後、同社「コミック・シュート」で1991年4月号から1991年9月号にかけて連載。

正式名称
メイキャッパー
ふりがな
めいきゃっぱー
作者
ジャンル
職人・芸術家
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
全3巻完結
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「悪魔の手」と賞賛されるメイクアーティスト

美朱咬生は「悪魔の手」の異名を持つ天才メイクアーティスト。咬生がメイクを施した人たちは、まったくの別人と呼べるほどの著しい変貌を遂げ、メイクを受けた本人と共に周囲を驚愕させる。本作は咬生の奇抜なメイク術や意外な化粧道具とその素材、そして化粧によって変化する様子を時に繊細に、時にダイナミックに描いている。また、咬生の独創的すぎる化粧法は美容業界でも伝説となっている。

咬生のメイクで人生の転機が訪れる

咬生からメイクを施された人たちは、その多くが自らの容姿にコンプレックスを抱きながら辛い人生を送っていたが、咬生の指先が生み出す奇跡のメイクで人生の転機が訪れる。たとえば、恋人に捨てられた挙句ホームレスに身を落とした美沙は、施術によってかつての若々しさを取り戻して恋人とよりを戻す。また、陰気な性格で冴えない見た目からいじめられていた咬生の同級生・宮城しん子は、メイクによって誰もがうらやむ美貌を手に入れ、同窓会で一躍人気者になる。

伝説の化粧術「美朱流化粧道」

咬生が施すメイクは、目の隙間に指を突っ込んで直接脳を刺激して表情筋の緊張をほぐしたり、脳内麻薬の分泌をうながしたりと、想像を絶するテクニックを駆使する。咬生の実家は「美朱流化粧道」と呼ばれる道場で、平安時代は紫式部や清少納言といった女性たちの美しさを彩り、戦国時代は織田信長をはじめとした武将を魔性っぽさを際立たせた姿に整えている。さらに、近代では世界各国の主導者の風格と威厳、宗教家のカリスマ性を演出するなど、世界の発展に貢献している。咬生は父親の善明から美朱流化粧道を継ぐように求められているが、金持ちや政治家にしか興味のない父親に反発して断っている。

登場人物・キャラクター

美朱 咬生 (みあけ こうせい)

伝説のメイクアーティストで、「悪魔の手」の異名を持つ青年。黒髪短髪でしなやかな体軀の持ち主。「美神」と呼ばれる大女優の母親と、美朱流化粧道の56代目当主である父親・美朱善明の息子。若い頃は美朱流化粧道で修業に励み、現在の技術と知識を身につけた。自由奔放な性格で老若男女問わず気さくに接し、自分の容姿にコンプレックスを抱いている人に対しては、その悩みに応じたメイクを施す。施術を受けた相手の人生が劇的に変わることから、絶大な支持を得ている。かつてはダイアナ妃に施術して多額の報酬を受け取ったことがあり、美朱咬生自身もそのことに誇りを持っている。また、「美神(ヴィーナス)の息子」と呼ばれることもあるが、これは大女優の母親の息子ということではなく、メイクの腕前を讃えた意味で用いられている。

写楽 レイ (しゃらく れい)

美朱咬生の助手を務める女性。勝ち気な性格で、咬生に対しても当たりが強いが根は非常に優しい。咬生やもう一人の助手である神楽咲等との関係も良好。身体能力が非常に高く、大人の男性であっても一撃で気絶させることができる。父親の写楽鬼三郎は日本最大の化粧品メーカー「株式会社シャラク」の社長を務めているが、写楽レイ自身は傲慢でプライドの高い父親のことを嫌っている。また、シャラクの製品に対しても「容器ばかりがきらびやかでほとんど効果のない化粧品を大量生産している」と、辛辣な評価を下している。

書誌情報

メイキャッパー 全3巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉

第1巻

(1997-04-01発行、 978-4253047555)

第2巻

(1997-06-01発行、 978-4253047562)

第3巻

(1997-08-01発行、 978-4253047579)

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