概要・あらすじ
メメクラゲに左腕をかまれた不気味な顔の少年が医者を探して不思議な人物や風景の中をさ迷い歩く姿を描いた作品。つげ義春が見た夢をもとにした作品で、不思議な魅力に満ちたシュールな物語が、漫画家だけでなく多分野の人々にも影響を与えた。つげ義春の代表作のひとつ。
登場人物・キャラクター
少年 (しょうねん)
不気味な顔をした少年で上半身は裸。海岸でメメクラゲに左腕をかまれ、静脈を切断する。医者を探して漁村をさ迷い歩く。
狐面の少年 (きつねめんのしょうねん)
狐のお面を被った小さな子供で、蒸気機関車を運転している。隣村に行きたいという主人公の少年を機関車に乗せる。
おばあさん
金太郎アメを売るおばあさん。金太郎アメの製法特許でビルを建てた。主人公の少年に、自分の母親ではないかと詰め寄られ動揺する。
女医 (じょい)
金太郎飴ビルで開業する産婦人科医。和服で額帯鏡を付けている。○×方式を応用し、少年の切れた左腕の血管をバルブねじでつなぎ合わせる。
メメクラゲ
『ねじ式』で主人公の少年の左腕を噛んだクラゲ。静脈を切断した。元の原稿では「××クラゲ」となっていたが、編集者が勘違いしてメメクラゲにしてしまった。しかし作品発表後、メメクラゲの名称が流行し、つげ本人も「そのほうが良い」との判断だったので、誤植が訂正されることはなかった。