あらすじ
椎名あづさは可愛いくて愛嬌のある高校一年の女の子。男子生徒から告白される毎日を送っていた。自分には落とせない男はいないと自信満々のあづさだったが、唯一、大手グループ成瀬家の御曹司・成瀬理久は全くあづさになびかない。それどころか「自分にも選ぶ権利がある」とあづさをこけにする始末。そんなある日、事業の失敗であづさの父が1億円の借金を作ってしまう。借金取りが家に押しかけ、身の危険を感じるあづさ。あづさの父は富豪の友人に「一か月以内に息子を落とすことができたら借金を肩代わりしてやる」という話を持ち掛けられた。その富豪は息子の人嫌いを心配し、嫁を探していると言う。父から懇願され、他に選択肢もないので、あづさはしぶしぶその話に乗ることにした。富豪の家でメイドとして働くことになったのだが、その息子とは唯一、あづさになびかない成瀬理久だった。
あづさは理久に料理を作ったり、部屋を片付けたりと良い嫁アピールをするが、すべて裏目に出てしまう。そんな中、コーヒーを頼まれたあづさは3日徹夜の理久の体を心配し、あえてハーブティーを持っていく。するとハーブティーを目の前で捨てられ、金目当てのくせにしらじらしいと理久に悪態をつかれてしまう。幼少期に誘拐されたり、金目当てで近づく人ばかりだったことですさんでしまった理久。あづさは同情するものの、自分も金目当てなので仕方ないと開き直り、次の作戦に移る。媚薬を手に入れたあづさは理久に使おうと目論むが、気が付くと一錠なくなっている。理久が風邪薬と間違えて飲んでしまったのだ。今日は成瀬家のパーティで、理久は大事なスピーチを控えていた。公衆の面前で間違いを起こしてはいけないとあづさは理久を探しにいくが、そこで理久の拉致計画を聞いてしまう。逃げる途中で理久と合流するものの二人一緒に悪い男たちに拉致されてしまう。媚薬のせいで具合の悪い理久に「お金のために誘惑しようとした」ことを全て話し、謝るあづさ。理久はそのまま気を失ってしまう。この場を何とかしようと見張りの男にハニートラップを発動したあづさは縄をほどいてもらうことに成功。さらに隙を作ろうと、見張りの男に媚薬を飲ませるが、そのせいであづさは襲われそうになる。意識が戻り、復活した理久があづさを助けてくれ、二人は脱出。パーティに戻った理久は無事にスピーチを終えた。
部屋に戻り、理久に平謝りしながら、まだここにおいて欲しいと頼み込むあづさ。理久は逆に興味がわいてきたとあづさをベッドに押し倒す。あり得ない行動に薬の効果が残っているのかと思ったあづさだが、理久にからかわれていただけだった。理久は「俺を落とせるものならやってみろ! 落とされるのはお前の方かもしれない」と挑発してきた。あづさは自分から絶対落としてみせると宣言し、二人のラブバトルが始まった。
登場人物・キャラクター
椎名 あづさ (しいな あづさ)
高校一年生の女の子。可愛くて、愛嬌もあり、軽く見えるので、男子生徒から良く告白される。モテるため、自分に自信があり、自分に落とせない男はいないと思っている。実は初恋もキスも未経験な慎重派。髪は耳の後ろでまとめたおさげにしており、毛先をカールさせている。家は貧乏で、バイトで家計を支えていたが、父が事業の失敗で1億円の借金を作ってしまい、借金取りに追われることに。 一か月以内に成瀬理久を落とすことができたら借金を肩代わりしてくれるという話があり、成瀬家で住み込みのメイドとして働く。ハニートラップを発動するとたいていの男は落ちるが、成瀬理久には効き目がない。素直な性格で料理も掃除も得意。
成瀬 理久 (なるせ りく)
特進科に通う高校生の男の子。大手グループ成瀬家の御曹司で跡取り息子。高圧的で人を見下した態度をとるが、クールで女子には人気がある。通称、棘王子。富豪の家庭に生まれたため、小さい頃から誘拐されたり、お金目当てで近づく人ばかりで、人を信用できない。父には後継者として厳しく育てられた。椎名あづさに冷たい態度を取り、バカなどとののしるが、けがの心配をしたり、約束のために雨の中を走ったりと優しい一面もある。