可愛いだけじゃない式守さん

可愛いだけじゃない式守さん

不幸体質の男子高校生、和泉とイケメン女子高校生、式守の、学校生活や恋愛模様を描くラブコメディ。真木蛍五がTwitterで公開していた作品で、のちに講談社「マガジンポケット」で連載となり、2019年2月2日から2023年2月18日まで配信された。「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で第8位、「次にくるマンガ大賞2020」Webマンガ部門で第5位に選出。2022年4月テレビアニメ化。

正式名称
可愛いだけじゃない式守さん
ふりがな
かわいいだけじゃないしきもりさん
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊20巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

和泉君と式守さん

地味な男子高校生の和泉は、同じクラスの式守と付き合っている。入学式のある出来事をきかっけに知り合った二人は、いつの間にかクラスメイトのあいだでも有名なカップルになっていた。ふだんの式守はかわいらしくて非常に優しく、和泉といっしょにいる時はいつも嬉しそうにしている。だが、そんな式守は和泉に訪れた危機や彼の言動に反応しては、男前な「イケメン彼女」に豹変するのが定番だった。不幸体質で何かと不運に陥ったり危険な目に遭いがちな和泉をつねに気遣い、愛情全開の式守は、おとなしくも目が離せない彼の行動をいつも見守るのが癖になっていた。いつもはかわいいのに、自分のちょっとした行動や言動で急にイケメンに変貌する式守に翻弄されたりときめいたりしながら、和泉は彼女と共ににぎやかで楽しい日常を過ごしていた。そんなある日、和泉たちの学年は校外学習でスキー場を訪れていた。3日目の自由時間、大きな雪だるまにぶつかって転んでいた和泉のもとに、優しい笑顔の式守が手を差し伸べる。スキーがまったく上達していないことを指摘された和泉は、スキーに限らずスポーツ全般が得意な式守に、指導を受けることになる。ひとまず式守がいる方向を目指して滑ることになった和泉だったが、うまく滑ることができず予想外な方向に向かってしまう。

2年生と式守さん

同じ高校に通う式守と交際を続ける和泉は、彼女の誕生日に家に呼んで家族と共に誕生パーティーを開く。少し緊張していた式守は、和泉の父親の和泉明貞と母親の和泉許子とあっという間に打ち解けて親しくなり、式守が年上キラーだという意外な一面も判明する中、誕生パーティーは無事に終了する。そして春休みが終わり、2年生に進級した和泉と式守は、また同じクラスになった。球技大会、居残り授業、雨に濡れる午後、プラネタリウムなどの学校行事や楽しいデートを重ねる中で、2年生になったばかりの和泉は式守との距離を縮めていく。球技大会の活躍をきっかけに学校全体のヒーローとして人気者になった式守は、ある日の和泉との帰り道で、雨の中でずぶ濡れになった子猫を拾う。二人も雨ですっかり濡れてしまっていたことで、和泉は子猫の保護も兼ねて式守を自分の家に招くことにする。だが、帰宅すると両親の姿はなく、和泉と式守は家の中で二人っきりになってしまう。

川遊びと式守さん

春になっても梅雨になっても、どこにいる時も愛情全開の式守は、2年生になっても和泉の言動一つでイケメン彼女に豹変する日々を送っていた。新しいクラスにもなじんできた和泉は式守だけでなく、1年の頃から仲のよかった犬束秀、式守の友人である猫崎享八満結の五人で過ごす時間も増えていた。買い物にBBQ、花火大会にランチデートと、今年は去年以上に楽しいイベント満載で、二人はクラスメイトも交えてのにぎやかな夏休みを送る。テスト前から川に遊びに行く約束していた和泉たちは、天気にも恵まれ無事に目的地に到着する。さっそく河原で料理を始める和泉は、手慣れた様子で次々と調理をこなし、デザートのスモアまで完璧に作り上げる。和泉の女子力の高さに感動する式守たちは、食後に着替えて川遊びを始めることになるが、式守はわけあって水着に着替えるのを戸惑っていた。一方、水辺をながめている途中で川に流されている小さな女の子を見つけた和泉は、式守たちのもとを離れて女の子を助けに向かう。なんとか女の子のもとにたどり着いた和泉だったが、いつもの不幸体質が発動し、足がつってそのまま溺れてしまう。

文化祭と式守さん

式守との夏休みを楽しく過ごした和泉の高校では、新学期に入って文化祭の時期がせまり、彼らのクラスではアニマル喫茶を開くことが決定する。去年と同様に準備に気合いを入れる和泉たちだったが、去年とは異なり式守と別の班になったうえに、当日までのスケジュールがせまっているため忙しくなり、彼女と過ごす時間が減ったのを少々残念に思っていた。それでもクラスメイトと作る最高に楽しいひと時のために、和泉たちは真剣にそれぞれの作業をこなし、万全の準備を整えたうえで文化祭当日を迎える。和泉がライオン、式守がウサギの格好をしたアニマル喫茶は、途中で小さなハプニングがあったものの無事に終了する。文化祭2日目、和泉は約束どおり式守と文化祭を回ることになるが、午前中は図書委員としての仕事があったために図書室に向かう。そこで去年に知り合った狼谷と再会した和泉は、久しぶりに会った彼女と雑談を交わす中で、交際相手の式守について聞かれる。式守に興味津々な様子の狼谷を不思議に思いながらも、和泉は式守と付き合うきっかけとなった出来事を思い出す。一方、去年の文化祭のことを思い出していた式守は、和泉との仲をより深めるために、文化祭限定の大切な恋のイベントに向けてある場所に向かっていた。

体育祭と式守さん

文化祭の余韻も束の間、和泉はカゼをこじらせて学校をしばらく休んでいた。和泉が不在なのを寂しく思いながらも、式守はいつの間にか親しくなっていた狼谷猫崎享の三人で、放課後に遊ぶようになっていた。複雑な関係の中で式守たちが友情を深めていく一方、カゼが治った和泉は1週間ぶりに登校して来る。学校では体育祭の時期がせまり、それぞれのクラスが準備や競技の練習に取りかかっていた。いつものクジ運の悪さから男女混合リレーの選手になってしまった和泉と八満結だったが、式守はクラスメイトとクジを交換し、和泉を支えるために自ら選手となる。つられるように享と犬束秀もリレーに参加することになり、五人でバトンパスの練習を始める。スポーツが得意な式守、享、秀の三人になかなかついていけずにいたインドア派の和泉と結もあきらめずに練習を続け、ふだんはめったに変わらない結の表情にも、珍しく変化が訪れる。そして体育祭当日、男子の騎馬戦や女子の玉入れなどさまざまな競技が終わり、和泉たちが練習し続けていたリレーが始まる。

遊園地と式守さん

体育祭の男女混合リレーは、途中でさまざまなトラブルがあったものの、それぞれが練習の成果と熱い思いを出し切り、和泉たちのクラスが1位を獲得した。体育祭を終えた和泉は、筋肉痛とぶり返したカゼで再び寝込んでいた。見舞いに訪れた式守を自室に迎える和泉は、彼女と部屋で初めて二人きりになったことに緊張しながらも、次のデートの行き先を相談することになる。恋も友情も深まる秋の中、久しぶりに登校し席替えで式守の前の席になった和泉は、授業中のやり取りや彼女から仕掛けられるイタズラの数々に翻弄される日々を送っていた。以前の約束どおり、テレビCMで話題の遊園地でデートすることになった和泉たちは現地で待ち合わせをするが、今日は式守と夜までいっしょにいられることから、細かいデートプランを練った和泉はとても張り切っていた。おとぎ話がモチーフのアトラクションや、食べ歩きを楽しんだ和泉たちは予約していたレストランに向かうが、店員の手違いで席が変更になってしまう。一時はデートプラン崩壊の危機に焦る和泉だったが、代わりに案内されたのは予想以上に大人っぽい雰囲気の席だった。食後にはすっかり日も落ち、店を出て次に行きたい所を尋ねた和泉は、式守から意外なことを頼まれる。

ご挨拶と式守さん

まだ式守の家族に会ったことがない和泉は、犬束秀猫崎享八満結を連れて初めて彼女の実家へ挨拶に行くことが決まった。緊張を隠せない和泉だったが、それは今まで家族に和泉のことを話したことがなかった式守も同じだった。そして当日、式守に笑顔で出迎えられた和泉たちだったが、その後ろにいたのは予想以上に式守にそっくりで予想以上に恐い顔をした式守雅だった。一見厳しそうに見える雅は眼光が生まれつき鋭いだけで、娘の友人である和泉たちのことを歓迎し、表情からはわかりづらい喜びが行動に現れていた。リビングで宿題をしたり、コーヒーを飲んだりする和泉たちをながめる中で、雅は式守が友人に見せないような楽しそうな笑顔にあふれていることに気づく。コーヒーをこぼして服が汚れてしまった和泉は、脱衣所で二人きりになった雅に、式守と交際していることを告白するのだった。そして冬休みがせまり、期末試験に進路選択に買い物デートと、和泉たちはクリスマスや年末への準備を始める。式守たちのクリスマス女子会には狼谷も参加することになり、真冬でも元気いっぱいな和泉たちの楽しい冬休みが始まるのだった。

冬休みと式守さん

自宅デートに初詣、動物園と、新年を迎えた和泉式守は、友人や家族と共に充実した冬休みを楽しんでいた。初売りセールの途中で遭遇したのをきっかけに、和泉許子式守雅が友人になるなど、和泉たちの周囲の人間関係にも少しずつ変化が訪れていた。冬休みも終わりが近づく中、和泉たちは久しぶりに集まって河原で凧(たこ)揚げをすることになる。みんなで凧を一から作って楽しむ中、和泉たちは遠くに飛んで行った凧を拾ってくれた謎の美女に遭遇。彼女は犬束秀のアルバイト先の先輩、鯨里歌で、直感的に危険な香りを感じた式守たちは警戒するが、里歌はアルバイト先であるコーヒー店の無料クーポンを渡してアルバイトに向かう。秀もそのままアルバイトに向かうことになるが、彼に来るなと念を押されながらも、和泉たちはクーポンを持ってコーヒー店に向かうことになる。だが、そこに秀の姿はなく、里歌は別のアルバイト先に出勤したのだろうと話す。秀がアルバイトを掛け持ちしているのを初めて知った和泉たちは、彼が夢のために貯金に励んでいることを知る。

修学旅行と式守さん

冬休み終了後、和泉たちの学年は修学旅行の時期がせまっていた。中学生時代はカゼをこじらせて修学旅行に行けず歯がゆい思いをした和泉は、行き先が大好きな京都というのもあって、いつも以上に張り切っていた。そんな中、ホームルームで自由行動の班決めをすることになるが、グループごとの人数が六人だったために、和泉たちのグループにはクラスメイトの猿荻が加わることになる。和泉は自らグループのリーダーとなり、わくわくの修学旅行に向けて自由行動時間に回る観光スポットやプランを話し合うなど、念入りに準備を進めていく。その日の帰り道、式守に修学旅行への意気込みを語る和泉は、道路の向こうで顔に傷を負った猿荻が歩いているのを見かける。何やら慌てている様子の猿荻は、ケガをしてぐったりした子猫を抱えていた。子猫を病院に連れて行くのは式守に任せ、公園で猿荻の手当てをすることになった和泉は、緊張を隠せずグループ内で浮きがちだった猿荻と交流を深めるのだった。後日ホームルームで、自由行動の詳細な予定を話し合う和泉たちだったが、それぞれの行きたい場所がバラバラで、全員の希望どおりに観光するのは難しくなる。一度はジャンケンで行き先を争う和泉たちだったが、猿荻はどうにかして全部回れないかと提案し、同意した和泉は持ち前の京都知識を活かし、すべて回るためのプランを考えることになる。

テレビアニメ

2022年テレビアニメ化。4月9日よりABCテレビ・テレビ朝日系列の「ANiMAZiNG!!!」枠ほかで放送。制作は動画工房、監督は伊藤良太。キャストは和泉を梅田修一朗、式守を大西沙織が演じる。

登場人物・キャラクター

和泉 (いずみ)

とある高校に通う男子。クラスメイトの式守と付き合っている。初登場時は1年2組で、進級後は2年4組に在籍しており、図書委員を務めている。小柄な体型で、短髪の黒髪は式守が羨ましがるほどにサラサラしている。定期テストで学年5位を取るなど成績優秀で、人畜無害な小動物のようにおとなしく優しい少年。下の名前は不明だが、和泉許子と和泉明貞には「ゆう」と呼ばれている。幼少期からの不幸体質でケガや不運な出来事を体験することが多く、外を歩いているだけでもケガをすることがあり、体のあちこちに傷痕がある。特に小学生の頃は毎日のようにケガをして帰って来ることを、許子から心配されていた。そのためケガにはすっかり慣れてしまい、すぐ手当てができるように救急箱を持ち歩いている。また、不幸を何度も体験するうちに打たれ強く立ち直りも早くなり、自分よりも他人のことばかりを心配することが多い。親の手伝いをよくしているため料理が得意で、大体のものは作れると豪語しており、簡単な材料でおしゃれなデザートを作れるほどに料理スキルが高い。料理だけでなく手先が器用で女子力が高いため、友人の犬束秀からは女子に生まれていたらモテモテだっただろうと評されている。式守とは高校受験の時に出会い、無くした受験票を彼女に拾ってもらったことで恩義を感じ、入学式で再会した時に名前を知る。その数か月後に式守に告白して付き合うようになるが、彼女をかわいいと思いつつも、時おり見せる漢気(おとこぎ)あふれる言動や行動に翻弄されている。昔から京都が大好きで、人気スポットなどは知り尽くしている。中学生の時の修学旅行をはじめ、大事なイベントの当日にカゼを引いてしまうことが多かったが、高校の修学旅行は体調万全で参加することができ、班長も務めた。

式守 (しきもり)

女子高校生。クラスメイトの和泉と付き合っている。初登場時は1年2組で、進級後は2年4組に在籍している。桜色のロングヘアの美少女で、時おり髪をポニーテールにまとめている。和泉ほどではないが成績優秀で大半のことをそつなくこなし、周囲への気遣いもできるしっかり者で、みんなから頼りにされている。下の名前は不明だが、周囲からは「みっちょん」「みーちゃん」の愛称で呼ばれている。母親の式守雅と式守の兄と共に暮らしている。ふだんは清楚(せいそ)で可憐な大和撫子(なでしこ)タイプだが、親しい相手のピンチや和泉のふとした言動に反応し、漢気あふれる肉食系の一面が出て「イケメン彼女」に豹変する。これらの癖は和泉以外が相手でも無意識に出ることが多く、親しい友人である猫崎享と八満結はもちろん、男女問わず周囲の人をときめかせている。和泉に茶化されてすねたり、彼を見下すクラスメイトを睨(にら)みつけたりなど、彼に対して純情で熱烈な好意を寄せる。和泉の家で開いてもらった誕生パーティーの時に彼の両親と会うが、和泉許子と和泉明貞を名前で呼ぶほどに親しくなり、和泉から「年上キラー」と評されている。運動は得意だが料理や工作、カラオケは苦手で、和泉のために初めて弁当を作った際は、見た目はいいものの壮絶な味で彼を驚かせた。この際に料理の修行をすると和泉に約束し、許子と通った料理教室で腕を上げ、調理実習では見た目も味もおいしい料理を作ることができた。2年の球技大会で大活躍して以来、学校中から注目され有名人になった。

猫崎 享 (ねこざき きょう)

式守のクラスメイトで友人の女子高校生。初登場時は1年2組で、進級後は2年4組に在籍している。生粋の体育会系女子で、部活はバレーボール部に所属している。無造作にはねた黒のロングヘアで、笑った時は八重歯が見える。明るく人懐っこい性格で、男勝りで泣き上戸なところもある。天然で子供っぽいところもあるが意外としっかり者で、周囲への気配りもできる。愛称は「猫」。運動が得意なアウトドア派で、料理や細かい作業などは苦手。バレー以外のスポーツも得意で、球技大会や体育祭でも活躍していた。1年の時に同じクラスだが話したことがなかった式守に興味を持ち、友人の八満結を誘って式守と友人になった。猫崎享と結が信頼している大切な友人であると、式守から告げられた時には、号泣するほどに感動していた。1年の時は式守、結といっしょに行動することが多かったが、2年になってからは式守を通してなかよくなった和泉と犬束秀を加えた五人でいっしょに遊ぶ機会も多くなった。同じバレー部の狼谷とはもともと親しかったが、クリスマスに式守、結といっしょに狼谷を誘って四人で女子会を開いたのをきっかけに、ますますなかよくなった。

八満 結 (はちみつ ゆい)

式守のクラスメイトで友人の女子高校生。初登場時は1年2組で、進級後は2年4組に在籍している。小柄な体型で、ツッコミをする時ですらいつも無表情で淡々と話す。かなりマイペースに見えるが、周囲をよく観察しており、猫崎享を中心とする友人のことをよく把握している。1年の時は式守の名前をよく覚えておらず、近づきがたい印象を抱いていたが、享に誘われて友人になり、三人でいっしょに行動することが多くなる。2年になってからは、式守を通してなかよくなった和泉と犬束秀を加えた五人でいっしょに遊ぶことも多くなった。和泉と同様にインドア派で運動は大の苦手だが、彼と共に体育祭のリレー選手のクジをうっかり引いてしまう。しかし友人たちに励まされながら練習に励み、当日は転んでしまったもののあきらめず最後まで走り抜き、終了後には満面の笑みを見せていた。いくつものゲームを所持しており、定番ゲームのプレイングスキルも高い。カラオケの時は一人ミュージカルのようになるため、いつも式守を爆笑させている。

犬束 秀 (いぬづか しゅう)

和泉のクラスメイトで友人の男子高校生。初登場時は1年2組で、進級後は2年4組に在籍している。短髪のツンツンヘアで、八重歯が目立つ三白眼の元気な少年。自分に素直な性格で遊ぶのは大好きだが、サボることを嫌うなどまじめなところもある。愛称は「犬」「秀ちゃん」。和泉から信頼を寄せられている一方、彼と親しいことから式守には一方的にライバル視され、時には警戒されている。1年の時は和泉とよくいっしょに行動していたが、2年になってからは和泉を通して親しくなった式守、猫崎享、八満結を加えた五人でいっしょに遊ぶことが多くなった。下に二人のきょうだいがいるため、面倒見がよくしっかり者な一面もある。コーヒー店をはじめ複数の店でアルバイトをしており、家族のためにも稼ぎたいと考え、高校卒業後は大学で勉強していつか獣医になるのを夢見ている。運動が得意なアウトドア派で、工作など細かい作業や勉強は苦手。体育祭では和泉を支えるために自らリレー選手になり、本番でも活躍していた。

カラ

式守家で飼われているシェパードのメス。初登場時の年齢は1歳。活発で人懐っこいが、男性にはあまり懐かない。式守と式守雅によく懐いており、よくしつけられているため、イタズラをした時は彼女たちの一声ですぐ制止する。式守との散歩中に偶然いっしょになった和泉に、嫉妬していたことがある。

和泉 許子 (いずみ もとこ)

和泉の母親で、和泉明貞の妻。福井県出身。黒のロングヘアで、家族思いでおっとりした性格の美人。息子の和泉の不幸体質を心配しており、誕生パーティーを開いた時に会った式守に対して、彼の不幸体質に愛想をつかさないよう懇願している。これに対して、式守が和泉を守り続けると宣言していたことで、彼女を信頼し良好な関係を築くようになる。現在の居住区にはあまり友人がおらず、料理教室に通う際は式守を誘っていた。夫の明貞との夫婦仲は良好で、彼と共に和泉と式守のことを優しく見守っている。新年初売りセールに出かけていた際に、人混みの中で倒れそうになったところを式守雅に助けられ、彼女と意気投合して友人関係となった。

和泉 明貞 (いずみ あきさだ)

和泉の父親で、和泉許子の夫。小太りな体型で口ひげを生やした中年男性で、おだやかで家族思いな性格をしている。学生時代には柔道部に所属しており、大会などでも活躍していた力自慢で、若い頃は一人で四人を担げるほどだった。家で式守の誕生パーティーを開いた際に知り合った彼女をすぐに気に入り、その後も信頼し良好な関係を築いている。妻の許子との関係は良好で、和泉の不幸体質を心配しながらも、彼と式守のことを優しく見守っている。

狼谷 (かみや)

和泉の同級生の女子高校生。バレー部ボールのエースで、猫崎享とは部活仲間。図書委員を務めている。クールでつねに落ちついた性格をしており、誰にでも優しく接する。バレーボール部での活躍も目立ち、モデル体型の美人でもあるため男女問わず人気があり、街を歩いていると周囲にギャラリーができるほど。1年の頃に委員会を通して知り合った和泉には以前から好意を寄せているが、式守と付き合い始めたと知ってからは、彼らの幸せを願いながらも葛藤を抱えるようになる。文化祭では図書委員の仕事で久しぶりに和泉に再会し、交際相手の式守のことが気になって色々聞いていたため、彼からは式守に気があるとカンちがいされていた。文化祭の恋愛イベントでは、和泉への恋心を押し殺そうとしていたところで式守に諭され、自分の気持ちを大切にするよう言われた。その後はクリスマスの女子会などを通して、式守はもちろん享や八満結とも、友情を深めていった。カラオケが得意で、周囲が感動するほどのおだやかで優しい歌声を持つ。

式守 雅 (しきもり みやび)

式守の母親。ロングヘアで眼鏡をかけた美人。顔は娘の式守とそっくりだが、眼光が鋭い。いつも何かを睨んでいるように見えるが、生まれた時からこの表情である。厳しそうに見えるが、実はまじめで家族思いな性格の持ち主。当初は式守が和泉と付き合っているとは知らず、電話中の会話などで名前を聞いていた和泉のことは、女友達だと思っていた。2年に進級した和泉が犬束秀たちを連れて家に挨拶に来た際には怖がられていたが、心の中では彼らを歓迎して喜んでいた。和泉と二人きりになった際に式守との交際を告げられ、式守本人からも真剣に付き合っていることを告げられてからは良好な関係を築き、二人の様子を見守っている。新年初売りセールに出かけていた際に、人混みの中で倒れそうになった和泉許子を助け、彼女と意気投合して友人関係となった。式守と同様に、料理が苦手。

鯨 里歌 (いさな りか)

犬束秀のアルバイト先の先輩の女子大学生。がんばる人が大好きで、恋愛にはあまり興味がない。冬休み中、凧揚げをしていた秀たちの近くを通りかかって凧を拾ったのをきっかけに、秀といっしょにいた和泉たちと知り合う。秀がいくつものアルバイトを掛け持ちして獣医を目指していることを知っており、応援している。コーヒーを淹(い)れるのが得意で、大学の学費すべてを自費で払い、深夜までコーヒーの研究をしている。面倒見もいいため秀からは慕われているが、周囲からはなぜか怖く見られがち。

猿荻 (さるおぎ)

和泉たちの同級生の男子高校生。1年の時は和泉たちと別のクラスだったが、進級後は同じ2年4組になった。いつもおどおどした気の弱い少年で、クラスからは孤立しがちだった。黒の短髪に目立つアホ毛が1本生えており、落ち込むとしおれたようになるなど、感情に合わせて形が変わる。修学旅行では、六人目のメンバーとして和泉たちの班に加わったことで、彼らと知り合う。当初は緊張からあまり話せずなかなか溶け込めずにいたが、帰り道にケガをした子猫を拾った時に偶然通りかかった和泉と式守に助けられ、彼らとの交流を深めた。この時に拾った子猫は、自ら引き取って里親を探している。中学生の時の修学旅行では、同じ班のメンバーに溶け込めず、置いてきぼりにされて楽しめず苦い思いをした過去がある。

式守の兄 (しきもりのあに)

式守の兄。耳にピアスを付けたイケメンで、女性によくモテる。軽そうに見えて、実は非常にシャイな性格をしている。母親の式守雅や妹の式守よりも大雑把なところがあり、かなりの味音痴なため雅や式守の作る個性的な味の料理も、平気で完食できる。

書誌情報

可愛いだけじゃない式守さん 20巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2019-06-07発行、 978-4065162231)

第2巻

(2019-09-09発行、 978-4065168912)

第3巻

(2019-12-09発行、 978-4065183397)

第4巻

(2020-03-09発行、 978-4065187777)

第5巻

(2020-06-09発行、 978-4065197400)

第6巻

(2020-10-09発行、 978-4065210208)

第7巻

(2021-01-08発行、 978-4065220320)

第8巻

(2021-04-09発行、 978-4065228807)

第9巻

(2021-07-09発行、 978-4065240199)

第10巻

(2021-10-08発行、 978-4065257456)

第11巻

(2022-01-07発行、 978-4065265949)

第12巻

(2022-03-09発行、 978-4065272718)

第13巻

(2022-05-09発行、 978-4065278505)

第14巻

(2022-07-08発行、 978-4065283837)

第15巻

(2022-10-07発行、 978-4065294055)

第16巻

(2022-12-09発行、 978-4065299487)

第17巻

(2023-02-09発行、 978-4065303306)

第18巻

(2023-02-09発行、 978-4065307427)

第19巻

(2023-04-07発行、 978-4065313473)

第20巻

(2023-04-07発行、 978-4065313480)

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