概要・あらすじ
全田巽は生まれ育った北海道を離れ、東京の大学に通う青年。春からは幼馴染みで婚約者の海野一葉も上京し、同じ大学に通うはずだった。しかし、父が倒れたとの知らせを受けた巽は実家にとんぼ帰り、一葉と入れ違いになってしまう。結局、家業の葬儀屋を継ぐことになった巽だが、一葉の双子の姉・海野諸葉に何かとまとわりつかれるように。
一方、はなればなれになった一葉とは、次第にすれ違うことが多くなってしまう。瓜二つの双子姉妹の間で板ばさみになった巽は、最終的にどちらを選ぶことになるのか。
登場人物・キャラクター
全田 巽 (ぜんだ たつみ)
海野一葉の婚約者。海野一葉・海野諸葉姉妹とは幼馴染み。東京の大学に通っていたが、父親が倒れたため半年で中退、地元北海道に戻り、家業の葬儀屋「全田葬儀」を継ぐことになった。高校時代はバスケットボールをやっており、地元に戻ってからは母校のバスケ部のコーチに就任した。東京で暮らす一葉とは、距離のせいもあって疎遠になりつつあるが、逆に海野諸葉とは急接近。 二人の間を揺れ動くことになる。
海野 一葉 (うみの ひとは)
全田巽の婚約者。海野諸葉の双子の妹。年齢は18歳。東京へと進学し、巽と同じ大学に通うはずだったが彼が実家に帰ってしまったため、一人東京で暮らすこととなった。その結果、巽との関係が悪化、彼に別れを告げた。巽のことを忘れるために新しい恋をはじめることを思い立ち、同じ大学の井沼成久と付き合いはじめる。 幼いころからロングヘアだったが、失恋を機に髪を切った。新米美容師のせいで一時は諸葉と同じショートカットになったが、後にセミロングとなる。
海野 諸葉 (うみの もろは)
海野一葉の双子の姉。年齢は18歳。引っ込み思案な一葉とは正反対に、押しの強い奔放な性格。喫茶店「ZAP」で働き、アパートに一人暮らし中。全田巽に思いを寄せていたが、彼が一葉を選んだため身を引いた。しかし、巽が実家に舞い戻ったことで、親密な関係となっていく。幼いころから一葉と同じくロングヘアだったが、一葉が東京へと旅立つ直前にばっさりと髪を切り、ショートカットとなった。
水戸 奈津子 (みと なつこ)
海野一葉の大学の同級生。目尻がつり上ったデザインの眼鏡をかけた女性。いまだに処女の一葉を心配し、酔わせて男と二人っきりにさせた。さらにその計画を全田巽に伝え東京に呼び寄せ、どちらに転んでも一葉が初体験を済ませるように目論んだ。その後も何かと一葉におせっかいを焼いては騒動を起こしている。
須方 正道 (すがた まさみち)
28歳、独身。職業は高校教師。同じアパートに住む海野諸葉に思いを寄せている。生真面目かつ思い込みが激しい性格。
糸部 つむぐ (いとべ つむぐ)
全田巽の高校時代の同級生。父親の葬儀の際、巽と再会した。その後海野諸葉が働く喫茶店「ZAP」でアルバイトを始める。学生のころから巽に思いを寄せており、再会後は積極的にアプローチをするようになる。
井沼 成久 (いぬま なりひさ)
海野一葉と同じ大学に通う24歳の青年。理学部地学科、修士課程二年。巽に別れを告げ自棄になっていた海野一葉に突然告白され、付き合うことになった。実はバツイチで、母親側に引き取られているが子供もいる。