はないろの春

はないろの春

進学したばかりの女子高生が、クラスで浮き気味なちょっと気になる男子の心を開くため、悩みながらもその距離を少しずつ縮めていく、淡い学園恋愛物語。「コミックヘブン」で2018年8月号から2019年9月号に掲載された。

正式名称
はないろの春
ふりがな
はないろのはる
作者
ジャンル
家族
 
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あらすじ

第1巻

高校生になったばかりの少女、朝日光留は実家のパン屋の開店準備をしている際に、妹を連れて登校中の男子高校生と出会う。成り行きから入店した二人がなかよくパンを選ぶ姿を見て、ほのぼのとした気分になった光留が仕事を終えて登校すると、なんと自分のクラスにその男子高校生、漆川優がいた。偶然の再会を喜ぶ光留だったが、優は先ほどの優しげな姿とは別人のような冷淡な態度を見せ、クラスメートとの交流も徹底して拒んでいた。放課後、帰宅中に公園で妹と遊ぶ優を目撃した光留は、思い切って兄妹に声を掛けるものの、優から「なれなれしい」と取り付く島もなく拒絶されてしまう。その翌日、夕食の買い出しに出かけた光留は、外出してから行方がわからなくなった妹の漆川めいを懸命に捜す優に遭遇。「関係ない」と言い張って光留を無視しようとする優を強引に説き伏せ、いっしょにめいを捜していた光留は、車に轢かれそうになっためいを間一髪で救出する。最初に出会った時のような優しい表情に戻った優にお礼を言われた光留は、優が心の奥底に隠している「宝物」を見た気分になるのだった。(第1話。ほか、6エピソード収録)

登場人物・キャラクター

朝日 光留 (あさひ ひかる)

春に高校生になったばかりの明るい性格の少女。世話好きで面倒見がよく、少し天然気味なところがあるごくふつうの女の子。父親と兄で三人暮らしをしており、実家はパン屋を営んでいる。母親を早くに事故で亡くしているため、学業の傍らに家事をこなし、家業のパン屋も手伝っている。パン屋に来店した男子高校生の漆川優と妹の漆川めいの仲のよさと、優の優しさにあこがれを抱き、進学した高校で優とクラスメートになれた偶然を喜んでいた。しかし、学内では誰であろうと寄せ付けようとしない、優のそっけない態度にショックを受けてしまう。迷子になっためいを助けたことがきっかけとなり、優との心の距離を徐々に縮めていく。

漆川 優

無口な男子高校生。学校では近寄りがたい雰囲気を漂わせており、他人に干渉されることを非常に嫌う。周囲の人間が話し掛けても反応すらしないため、入学当初からクラスでは浮いた存在となっている。本当は優しく面倒見のいい性格をしているが、1年前に父親を亡くし、母親の精神状態が著しく不安定になったことで心に傷を負い、他人との交流を避けるようになった。妹の漆川めいの面倒を見ており、めいにだけは本来の優しげな表情を浮かべる。迷子のめいを救ってくれた朝日光留に対しても、少しずつだが笑顔を見せるようになる。

成瀬 貴也 (なるせ たかや)

背の高い男子高校生で、チャラい雰囲気を漂わせている。親は政治家。入学当初からサボリと校則違反を繰り返している不良生徒で、クラスで孤立している漆川優の存在を面白がり、何度も話し掛けていた。明るくひょうきんな性格のため、クラスの人気者。朝日光留に対してもオープンに接していたが、それはあくまで表面的なもので、世話好きな光留のことを、優に取り入ろうとしている卑屈な偽善者だと認識し、軽蔑している。

漆川 めい (しつかわ めい)

漆川優の妹で、幼稚園に通っている。明るく素直な性格で、優にはよく懐いている。父親が事故死して以来、精神的におかしくなってしまった母親からは「近所の子」として認識されて愛情を受けられずにいる。そのため表には出さないが、そのことを酷く悲しく思っている。

母親 (ははおや)

漆川優と漆川めいの母親で、ロングヘアが特徴。1年前に夫を事故で亡くして以来、ショックでずっとふさぎ込んでおり、今も社会復帰できずにいる。最近では現実と妄想の区別がつかなくなっており、優のことを亡夫、めいのことを近所の子だと思い込んでいる。

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