ばくばく!バクチごはん

ばくばく!バクチごはん

駆け出しの女子高校生アイドルが、全国各地の競馬場や競輪場、ボートレース場、オートレース場を訪れ、愛してやまないバクチごはんを堪能。その元気印の愛らしさで周囲を巻き込み、実在する激ウマメニューを食べ尽くしながら、グルメサイトでは見つからない美味しさを伝授するグルメ漫画。実際に原作者である島田英次郎が公営ギャンブル場に赴き、取材して得たエピソードを綴ったコラム「こぼれバクチごはん」も収録されている。「イブニング」2016年19号から2017年21号にかけて掲載された作品。

正式名称
ばくばく!バクチごはん
ふりがな
ばくばく ばくちごはん
原作者
島田 英次郎
漫画
ジャンル
グルメ
関連商品
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あらすじ

第1巻

駆け出しの現役女子高校生アイドル西の宮ひなこは、競馬場や競輪場、ボートレース場、オートレース場など、いわゆる公営ギャンブル場で食べるバクチごはんが大好き。イベントのステージや握手会など、仕事で全国各地のギャンブル場へと赴くたびに、口うるさいイケメンマネージャーの望月航平と共に、ギャンブルに興じるおじさま方に入り混じってバクチごはんを堪能していた。そんなある日、ひなこと望月は、江戸川ボートレース場を訪れる。イベントを終えた二人は、ばっちり変装を決めて場内の飲食店へと急ぐ。今日のチョイスは「笑和」の「牛モツ煮込み」。そして、定番のカレーライスに生卵、おでんのジャガイモを購入。ひなこは、購入した物をすべてカレーに乗せ、「江戸川ボート合いがけカレーじゃがのっけ」を完成させる。食材を自由に組み合わせ、自分で作り上げたオリジナルメニューを頰張って幸せいっぱいのひなこの表情は、周囲の人を惹きつける「絶対引力」となって、直接関係のない人々にまで伝播し、巻き込んでいく。(第1R「江戸川ボートレース場 合いがけカレー」。ほか、7エピソード収録)

第2巻

東京府中の多摩川ボートレース場では、アイドルの握手会イベントが行われていた。マネージャーの望月航平が急用で来られなかったため、西の宮ひなこは彼の分もイベントの手伝いに奔走していた。そんな中、ようやくもらえたお昼休憩の時間。ひなこがいつものようにバクチごはんへと繰り出そうとしていると、同じくお昼休憩に入ろうとしている現役中学生アイドル桜ケ丘ユイと遭遇する。ユイは、ギャンブル場内にある飲食店に偏見を持っていた。おじさんが好きな食べ物ばかりで、自分達若者が好きな食べ物がないと頭から拒絶し、見て回ろうともしないユイに、ひなこはバクチごはんの素晴らしさを教えてあげようと、半ば強引に場内を連れ回す。しかし、ひなこが勧めるのはどれもこってりした味の濃い食べ物ばかりで、ユイの好みには合わなかった。そのうえ、ひなこが行く先々でおじさま達と笑顔で交流を図る姿も、ユイにとっては理解しがたく、ユイの表情は曇る一方だった。そんなユイにも、必ず満足させてあげられるものがあるからと、ひなこが最後に訪れたのは、多摩川ボートレース場一番の人気店「ウェイキー」の牛雑炊「牛炊」だった。(第12R「多摩川ボートレース場 牛炊」。ほか、7エピソード収録)

第3巻

現役女子高校生アイドル西の宮ひなこは、姉の西の宮花奈子の雑誌企画で平和島ボートレース場にやって来ていた。今回は、1000円で遊びつくすという特別企画。ひなこは1000円でも色々なバクチごはんが食べられると考えていたが、一方の花奈子はこの1000円を元手に、ギャンブルで勝ったお金でご飯を食べまくるという、バクチごはん本来の醍醐味を味わおうとしていたのである。こうして二人はコインロッカーに荷物を預け、たった1000円を手に場内へと繰り出した。最初のレースで勝負に勝った花奈子は、所持金を1800円に増やす事に成功。増えた分でひなこは「BAY SIDE」の「ポークカツバーガー」を購入し、ひとまずお腹を落ち着かせる。次のレースにも勝った花奈子は所持金を一気に3500円まで増やし、ひなこは「はまかぜ」のキュウリを購入する。しかしその後、花奈子はひなこの忠告も聞かず負けに負け続け、所持金はついに20円になってしまう。これではもうバクチごはんが食べられないと肩を落とすひなこの姿を見て、花奈子は反省するが、帰ろうとした二人はそこで大きな発見をする事となる。(第21R「平和島ボートレース場 すいとん」。ほか、9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

西の宮 ひなこ (にしのみや ひなこ)

金髪ロングヘアをツインテールにした美少女で、駆け出しの現役女子高校生アイドル。広島出身で、両親を亡くし、祖父母のもとで育てられた。現在は姉の西の宮花奈子と共に上京し、同居生活を送っている。明るく前向きで、何事にも全力投球。社長の肝いりで、芸能プロダクション「飯田プロ」に所属した事もあり、将来はかなり有望視されている。 担当マネージャーの望月航平は、勉強や食生活など、仕事以外の事に関しても口をはさんでくるため、何かと鬱陶しい存在となっているが、持ち前のキャラクターで堅物のマネージャーさえも振り回している。競馬場や競輪場、競艇場、オートレース場などの公共ギャンブル場で提供される食事「バクチごはん」をこよなく愛する。そのため、仕事のイベントでギャンブル場を訪れ際には、必ず食べ歩いている。 しかし最近ではある程度、知名度も上がって来たため、混乱を避けるために黒髪ボブヘアのかつらをかぶり、変装したうえで、マネージャーと共に場内を練り歩くようにしている。美味しいものを食べた時の口癖は「ぶちうま!」。食べる時の表情には説得力があり、周囲を惹きつけ、巻き込む力「絶対引力」として彼女の魅力となっている。

望月 航平 (もちづき こうへい)

西の宮ひなこの担当マネージャーを務める男性。芸能プロダクション「飯田プロ」では、敏腕マネージャーとの誉れ高く、以前所属していた大手芸能事務所では、若くして数多くのアイドルを育成した事でも有名。眠っている姿を誰も見た事がないという都市伝説並みの噂が、まことしやかにささやかれている。仕事中はつねにスーツを身につけている。 ひなこが「バクチごはん」を食べに行く際には、白髪のカツラをかぶり、ラフな格好のオシャレ男子に変装して付き合っている。もともと食に対する興味が薄い事もあり、社長からの言いつけで仕事上仕方なく同行している。ひなこからはいつも「モッチー」の愛称で呼ばれているが、望月航平本人としては不本意。

西の宮 花奈子 (にしのみや かなこ)

西の宮ひなこの姉で、年齢は23歳。三競オート誌「週刊レース」で、「HANA」というペンネームでライター兼編集者を務めている。公営ギャンブルである競馬や競輪、競艇、オートレースに関して詳しく、美人でありながら、酒とつまみを手にギャンブルに興じる様は、オヤジさながら。お酒が大好きで気が強く、はっきりした性格。ひなことはいっしょに暮らしており、仲はいいがケンカも多い。 基本的にひなこの出演するイベントには顔を出さない主義だが、それは身内が見ていると極端に緊張し、失敗しやすくなるひなこを思いやっての事。

岸田 成子 (きしだ なりこ)

アクセサリーデザイナー兼営業を務めている独身女性で、年齢は31歳。7年間付き合った彼氏からプロポーズされたものの、結婚を機に仕事を辞め、家庭に入る事を提案された。最近やっと仕事が面白く感じるようになって来た事もあり、人生の岐路に立たされている状態。もともとの優柔不断な性格も手伝って、決めきれず、思い悩む日々を送っている。 そんな中、うっかり乗り間違えたバスで川口オートレース場に来てしまった。初めてのギャンブル場に困惑していたが、偶然西の宮ひなこと出会い、彼女の美味しそうに食べる姿に惹きつけられた。勢いに乗じてひなこといっしょに食事をする事になり、彼女の食事スタイルに、自分の悩みを解決する糸口を見つける。

長尾 昇太 (ながお しょうた)

小学校3年生の少年で、年齢は9歳。趣味はスマートフォンで動画を視聴する事。家で食事中、大嫌いなレバーを食べられなかった事で、母親から叱られ、スマートフォン禁止にされた。それに腹を立て、母親に宣言したあとに家出を実行。学校をサボってわけもわからないままに、取手競輪場へとやって来た。しかし、競輪場にいる客の雰囲気に圧倒され、すっかり大人恐怖症になっていたところ、偶然来ていた西の宮ひなこと出会った。 事情を話し、いっしょに食事をする事になるが、勧められたのはまさかのレバーたっぷり「ニラレバライス」。嫌いなレバーを克服して自信を持って家に帰ろうと説得される。

松田 和良 (まつだ かずよし)

理容師をしている男性で、年齢は53歳。単調でつまらない毎日に不満を感じつつ、お店を抜け出してはボートレースに興じている。ボートレースとこなめで、大穴狙いで買ったレースに負け、なけなしの昼食代1000円を次のレースにつぎ込んだところで西の宮ひなこと出会った。姿が見えなくなった連れを探しているという彼女を助けようと声を掛けたが、なりゆきから彼女の連れの分の「どてデラックス丼」をいっしょに食べる事になる。 ボートレース場にはよく足を運んでいるものの、食事は決まって菓子パンだったため、場内のお店で食事をする事自体が初めての経験であり、さらに若い女の子からのおごりという事で、すっかりテンションがあがってしまう。

吉澤 エレナ (よしざわ えれな)

西の宮ひなこと同じ芸能プロダクション「飯田プロ」に所属しているグラビアアイドルの女性。アイドルとしてはだいぶ年齢が上で、ひなこの先輩にあたる。若い頃はグラビアの仕事もたくさんあり、地上波デジタル放送のバラエティ番組に呼んで貰う事も多くあったが、最近はすっかり仕事も減り、仕事への意欲を失ってしまった。そんな中、ケーブルテレビの競馬番組の撮影で訪れた大井競馬場で、ひなこといっしょにグルメリポートをする事になった。 食レポを指示された「黒やきそば」が、イカスミによる黒色である事を知り、歯が黒くなる事を懸念して食べる事をためらっていたが、機転を利かせたひなこのおかげで食レポを回避する事になる。その後も、ひなこの仕事に対する姿勢に刺激を受け、吉澤エレナ自身も仕事へのやる気を取り戻す事になる。

辰喜 (たつよし)

西の宮ひなこの祖父で、安代の夫。広島に住んでおり、ひなこがアイドル活動をしている事を、一ファンとして心から応援している。ハッピ姿にサングラスをかけ、耳にはピアスというかなりファンキーなおじいちゃん。普段は連日通っているフィリピンパブも、孫の応援グッズ購入のためにと、我慢する日々を送っている。

安代

西の宮ひなこの母方の祖母で辰喜の妻。ボブヘアのモダンな和服美人だが、目力が強く、気も強い。ひなこのアイドル活動には大反対している。娘夫婦を事故で亡くして以来、ひなこの親代わりをして来た手前、アイドルという不安定な商売を認める事ができない。自分が子供の頃に貴重だった卵が大好物。その卵が三つも乗った特注の「焼豚玉子丼」をきっかけに、少しずつひなこへの態度が変化し始める。

桜ケ丘 ユイ (さくらがおか ゆい)

現役女子中学生アイドル。西の宮ひなこと同じ学校の中等部に通っているため、ひなこの後輩にあたる。つねに笑顔がなく仏頂面のため、一部ファンのあいだでは「鉄仮面アイドル」と評されている。しかし実は、八重歯を人に見られたくないために笑わないようにしているだけである。握手会イベントのため、多摩川ボートレース場に来た際、イベントの手伝いに来ていたひなこといっしょにランチを取る事になった。 ボートレース場内の飲食店には偏見を持っており、ギャンブルをしに来ている年配の男性達に対しても苦手意識がある。

瀬尾 太一 (せお たいち)

入社したばかりの新人マネージャーの男性。1週間の新人研修中、西の宮ひなこと望月航平と行動を共にする事になっていたが、研修中にもかかわらず集合時間に遅れ、悪びれる様子もなくやって来た。仕事中もSNSに上げるための個人的な写真を撮影したり、女優を生で見たいからとテレビの仕事を要求したりと、社会人としてかなり未熟。 社交性はあるが、妙に馴れ馴れしく、基本的に自分本位で人の話は聞いていない。

吉村 ちはる (よしむら ちはる)

新人マネージャーの女性。2020年、人気アイドルとして成長した西の宮ひなこを担当する事になった。若い頃から変わらない自由奔放なひなこに少々手を焼いている。

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