ひらけ駒!

ひらけ駒!

将棋が大好きな小学生の菊地宝は、将棋の本や道場などで、ほぼ毎日将棋漬け。それにつられて、ママも将棋を覚え始め、親子そろって趣味の将棋を楽しんでいくハートフルストーリー。作者・南Q太郎の自伝的な作品で、実在のプロ棋士たちも登場。

正式名称
ひらけ駒!
ふりがな
ひらけこま
作者
ジャンル
将棋
関連商品
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概要・あらすじ

小学3年生のときに将棋を覚えて以来、将棋にはまって、毎日将棋の本や将棋道場に行って将棋に触れている少年、菊地宝。学校の勉強はほとんどせず、将棋漬けの毎日を送っているせいか、ぐんぐん実力が上がっていく。その息子に影響され、また素敵なプロ棋士にも出会ってママも将棋を覚え始める。そして親子が将棋道場や、大会に出場して強敵と戦ううち、はより実力を高め、ママは勝つことの喜びを感じ始める。

登場人物・キャラクター

菊地 宝 (きくち たから)

小学4年生。おっとりしていて優しく、女子や担任の女教師には人気がある少年。小学3年生の時に将棋にはまって以来、ほとんど毎日将棋漬けになっている。ベッドの枕元には、深浦康市王位、渡辺明竜王、田丸昇八段などが書いた将棋関連の本が散らばっている。ママに連れられて以降、将棋会館や、吉祥寺、千葉の将棋道場へよく足を運んでいる。 将棋会館では水曜子供スクールに参加しており、そこでは1級で指していた。居飛車、振り飛車関係なく指す。小学5年生ぐらいになると、アマチュア三段の棋力(将棋の強さ)になり、周囲の大人からは研修会(奨励会の下部組織)に入ってはとアドバイスがあるほど。 ちなみに、きゅうりの一本漬けといった、漬物全般が好物。また、勉強が苦手で、0点の漢字テストを隠していたこともあるが、将棋のプロ棋士の名前や、ルールなどの漢字はよく知っている。

ママ

菊地宝のママ。ショートカットでイヤリングを付けた女性。母子家庭。息子が将棋に熱中しているので、興味本位で将棋の駒の動かし方を覚え、将棋にはまってしまう。将棋番組は欠かさず見る。また、将棋番組や本で見るプロ棋士に憧れを持っているのも、将棋を指す原動力となっている。 深浦康市王位、阿久津主税七段のファン。寝る前には、眼鏡をかけて、村山聖八段のことを書いた本を愛読する。宝がこども将棋教室で初段になった頃から、宝の対戦を見ないようにしている。それは、自分が見ていると負けてしまう気がしたからだが、本心は彼女自身息子の対戦に緊張しすぎて見ていられないため。 やさしい将棋教室に通い始め、講師の水嶋比呂介の依頼で女子アマ団体戦に出てから、いちだんと将棋が好きになっていく。棋力(将棋の強さ)は15級。妹がいる。昔はスポーツ万能だった。息子がバレンタインデーに女の子から手作りチョコレートをもらってきたので、激しく動揺する母の一面も持つ。

後藤 はじめ (ごとう はじめ)

菊地宝の将棋友達。9歳。アマチュア2級の棋力(将棋の強さ)。振り飛車党。藤井猛九段のファン。独自の戦法「後藤システム」を編み出すが、ほとんど勝てない。あまりに負けが込んだので、ふてくされたこともある。そのとき、自分には振り飛車は向かないのかもと考えるが、同じ振り飛車党の将棋指導員に諭され、振り飛車を続けるようになる。

大樹 (だいき)

小学1年生。マッシュルームカットの眼鏡をかけた少年。アマチュア二段の父親と互角に戦う棋力(将棋の強さ)を持つ。将棋道場で菊地宝と指し、敗北。だが、大樹は将棋を覚えて1年ほどでもうこんなに強くなったと、大樹の父親がいうことにカチンときた宝のママは、大樹はライバルだから今後も絶対負けるなと息子にいっている。

花田 みずき (はなだ みずき)

小学2年生。ツインテールの少女。兄のひろきは、アマチュア五段で研修会に入っており、小学生王将戦にも優勝した実力者。だが、自分は兄より強いと豪語する女の子。こども将棋スクール合同将棋大会で、初段、二段クラスで優勝。ちなみに菊地宝は同じ大会の1,2級クラスで1勝3敗の成績だった。

水嶋 比呂介 (みずしま ひろすけ)

奨励会三段。菊地宝が通う将棋教室の講師で、若いイケメン棋士。菊地宝のママとも親しく、女子アマ団体戦では「水嶋チルドレン」としてママが参加した。水嶋が子供の頃は、学校以外はすべて将棋の勉強に費やしたという。そして、小学5年生の時に奨励会へ入った。喫煙者。

田丸 昇 (たまる のぼる)

プロ棋士八段。白髪で眼鏡をかけた初老の男性。プロ棋士、田丸昇八段がモデル。菊地宝とママが将棋会館へ初めて行った時、偶然出会った。宝が愛読している将棋の本の著者。

高橋 和 (たかはし やまと)

女流棋士三段。ショートカットにイヤリングをつけた美女。元女流棋士の高橋和三段がモデル。周囲のカメラ撮影にも動じない女性。「ぴょんぴょん将棋」というゲームで菊地宝に指導した。そのあと、指導対局でも宝と対戦。宝とは高橋が2枚落ち(飛車と角抜きで戦う)で戦い、宝の勝利。 高橋から、きれいな将棋だった、詰め将棋をいっぱいするようにとアドバイスされる。それに感極まり、宝は鼻血を出している。

深浦 康市 (ふかうら こういち)

黒縁眼鏡の男性。王位。プロ棋士で、王位タイトルを持つ深浦康市九段がモデル。菊地宝のママがファン。息子の誕生日に、深浦のサイン色紙をプレゼントした。九州の佐世保から12歳で単身上京し、奨励会6級(アマチュア五段程度)で入会。1年間、5級に上がれなかった。プロ棋士として認められる四段の道のりは長く、将棋盤の前で泣いたこともあるという。

門倉 啓太 (かどくら けいた)

黒縁眼鏡をかけた青年棋士。プロ棋士四段。プロ棋士門倉啓太四段がモデル。千葉の将棋道場へママといっしょに行った菊地宝は、三段限定トーナメントで優勝。その後、指導対局で門倉に飛車香落ちで指してもらった。結果は宝の勝利。宝のことを、受けがしっかりしていて強い、ぜひ奨励会を目指して欲しいと褒める。 そして、「竜跳」の揮毫(きごう)が入った色紙をプレゼントする。

集団・組織

研修会 (けんしゅうかい)

プロ棋士を養成する奨励会の下部組織。花田みずきの兄ひろきが入っている。周囲の大人から、菊地宝はここへ入らないのかと何度か聞かれるが、彼自身はもう少し強くなってからと考えている。

場所

将棋会館 (しょうぎかいかん)

菊地宝がよく通う場所。1階は売店で、本や将棋盤などが売られている。2階には将棋道場があり、多くの一般人がこの場所で将棋を指している。また、将棋会館では子供向けの将棋教室などを開いて、子供や初心者向けに将棋を教えている。宝もそれに参加している。

イベント・出来事

女子アマ団体戦 (じょしあまだんたいせん)

菊地宝のママが参加した、団体戦。実力によって3つのクラスに分かれており、5人一組の五将としてママが参加した。ママは初心者だったが、相手も初心者で、運良く2勝し、勝つことの楽しさを覚えるきっかけとなった。

その他キーワード

青空将棋 (あおぞらしょうぎ)

『ひらけ駒!』に登場する将棋。通常に駒を並べたあと、歩をすべて取り払った状態で指す将棋。いきなり駒を成ったり、取ったりできるうえ、短時間で決着がつくので、初心者向けに考案された。考案したのは、指導棋士の小田切秀人五段。

居飛車 (いびしゃ)

『ひらけ駒!』に登場する将棋の戦法。将棋には大きく分けて2種類の戦法があり、そのうちの1つ。飛車をそのままの位置で戦う戦法。どちらかといえば攻撃型の戦法といわれており、この戦法を好む人のことを居飛車党という。

振り飛車 (ふりびしゃ)

『ひらけ駒!』に登場する将棋の戦法。将棋には大きく分けて2種類の戦法があり、そのうちの1つ。飛車を序盤のうちに、角の横や、王の上などに移動して戦う戦法。どちらかといえば受け(守備型)重視の戦法といわれており、この戦法を好む人のことを振り飛車党という。

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