概要・あらすじ
中学生・駒形竜の父は賭け将棋を生業とする真剣師。ある日、5年に一度の100万円勝負をするため、同じく真剣師の虎斑桂介が現れる。父が真剣師であることに驚き動揺する駒形竜だが、将棋で父を負かせば、真剣師から足を洗うとの約束を取り付ける。これをきっかけに、駒形竜はやめていた将棋の勉強を再開し、やがてはプロ棋士を目指すようになる。
登場人物・キャラクター
駒形 竜 (こまがた りゅう)
私立矢倉中学に通う中学生。将棋の駒のような四角い顔をしている。スポーツ万能、気は優しくて力持ち。学校や授業は無駄だと思っているため、成績は低い。小さい頃、父に将棋でシゴかれた。のちに6級で奨励会入会。芦川門下。得意戦法は5五龍中飛車。
駒形 竜馬 (こまがた りゅうま)
『5五の龍』の登場人物で主人公・駒形竜の父。賭け将棋を生業とする真剣師。奨励会で二段まで進むがプロ棋士になれず、真剣師という裏社会で生きる。5年に一度、掛け金100万円の賭け将棋真剣を虎斑桂介と指してきたが敗北続きで、家は困窮する。将棋の駒を自在に踊らせる歩三兵仏壇返し(ふさんびょうぶつだんがえし)が使える。
虎斑 桂介 (とらふ けいすけ)
賭け将棋を生業とする真剣師。駒形竜馬のライバル。5年に1度、主人公駒形竜の父駒形竜馬と掛け金100万円で、持ち時間無制限の死闘を繰り広げる。交通事故にあって死去。
虎斑 桂 (とらふ かつら)
主人公・駒形竜のライバル。アマチュア強豪として有名で、ミス・タイガーと呼ばれた。虎斑桂介の娘。父が交通事故で亡くなった後、100万円の賭け将棋真剣は彼女が引き継ぎ、駒形竜と戦うことになった。奨励会5級で入会。史上初の女性奨励会合格者。向井門下。得意戦法はなく、居飛車、振り飛車なんでも使いこなす。
棒銀 三郎 (ぼうぎん さぶろう)
主人公・駒形竜のライバル。第3回中学生名人戦で優勝した。北海道出身で、牧場主の三男。3歳から父親に将棋を教わり、北海道の天才少年と言われた。奨励会3級で入会。花巻門下。得意戦法は棒銀。
角道 道夫 (かくみち みちお)
主人公・駒形竜のライバル。小柄だが勝気な性格。東京都出身。奨励会5級で入会。大石門下。勝敗に強くこだわり、将棋で負けるとトイレで大泣きをする。
穴熊 虎五郎 (あなぐま とらごろう)
主人公・駒形竜のライバル。体格ががっしりとした力持ち。福島県出身。奨励会5級で入会。関野門下。ときどき福島の方言がでる。得意戦法は穴熊。
高美濃 弘 (たかみの ひろし)
主人公・駒形竜のライバル。低い身分から天下をとったということで、豊臣秀吉を尊敬している。顔もサルに似ている。千葉県出身。アルバイトと将棋の勉強を両立させながら、畳二畳のボロアパートで1人暮らし。奨励会6級で入会。芦川門下で、駒形竜とは兄弟弟子。将棋に負けると、自分に対する罰として一食減らしている。
平手先生 (ひらてせんせい)
主人公駒形竜が通う私立矢倉中学の教師。大学時代には大学対抗戦で優勝したこともある。アマチュア三段。駒形竜に定跡の大切さや、将棋界について教えた最初の師匠的存在。
平手 香 (ひらて かおる)
私立矢倉中学の教師平手の娘。小学三年生。父に6歳の頃から将棋を教わる。駒形竜と初めて将棋を指したときは、香の方が二枚落ちで戦って勝利した。竜の定跡の先生。
芦川八段 (あしかわはちだん)
プロ棋士。主人公駒形竜と高美濃弘の師匠。芦川が酔っぱらってヤクザに絡まれたとき、竜が助けたことが縁となって、竜の師匠となった。芦川一門のトップで、優秀な門下生が多い名門と言われる。
島黄楊八段 (しまつげはちだん)
元プロ棋士。現役時代は常に次期名人候補と言われたほどの強豪。だが、将棋界の古い体質を嫌って引退し、各地を放浪。天下一将棋大天狗と書かれたのぼりを背負い、将棋普及に尽力する。駒形竜に通常とは異なったルールで指す将棋、八方桂、反射角、師子王を教える。
飛田中太郎 (とびたなかたろう)
島黄楊八段から紹介された駒形竜が、飛騨へ行って訪ねた人物。真剣師だったが、相手とのトラブルで3度刑務所に入り、足を洗った。今では、飛騨の山中で、猟師をして暮らしている。得意戦法は中飛車。竜の紹介でプロ棋士と戦う機会を得られ、善戦する。
集団・組織
奨励会
主人公駒形竜と虎斑桂、棒銀三郎、角道道夫、穴熊虎五郎、高美濃弘たちが定期的に通っている場所。日本将棋連盟。ここで対戦相手と将棋を指し、勝ち星が規定数に達すると、上の段級へクラスアップする。四段になればプロ棋士として認められる。