概要・あらすじ
天童太星は、将棋の世界で公式戦無敗を誇る14歳の天才少年。そして二重人格者であった。プロ棋士を目指す品行方正な昼の人格が「太」、自由奔放で人懐っこい、夜の人格が「星」。二人は交換日記をつけて連絡を取り合っていた。星はストリートミュージシャンだったが、なにか物足りなさを感じていた。じつは星も将棋の天才で、4歳の頃から5年間、太と一日一手ずつ計29局の将棋を指していた。戦績は星の29勝0敗。しかしある日、将棋は太の居場所だと言って星は将棋をやめてしまった。以来、漫画家、ピアニスト、プロゲーマーなど様々な職業を目指すが、どれも長続きはしなかった。どこにも星の居場所はなかったのだ。いよいよ太のプロ試験当日。予想以上に試合が長引いてしまい、ついに日没を迎える。そして太は眠ってしまい、星の人格が目覚めた。いまがプロ試験中であることをやっと理解した星が、目の前の将棋盤に目をやると、それは太と最後に指した対局と同じ局面だった。太が時間をかけて過去の将棋を再現したのだ。そして「星がまだ将棋が好きで、次の一手を指したいなら、ここ(将棋)が星の居場所だ」。太はそう言っているのだ。星は涙を流しながら、将棋を指した。遠回りしたが自分の居場所をやっと見つけることができたのだ。
登場人物・キャラクター
天童 太星 (てんどうたいせい)
14歳の中学生男子。二重人格者で、昼は真面目な性格で、将棋のプロ棋士を目指す「太」、夜は自由奔放で飽きっぽい「星」になる。二人は交換日記をつけており、一日の出来事を報告しあっている。
太 (たい)
14歳の中学生男子。天童太星の昼の人格。ナチュラルなショートヘアーの、落ち着いた雰囲気の少年。「令和の神童」と呼ばれる将棋の天才少年で、公式戦無敗のまま、プロ棋士試験を受ける。4歳の頃から5年間、もう一つの人格である星と、一日一手ずつ対局していた。星は将棋をやめてしまっていたが、太は諦めず、最後の対局での星の次の一手を、5年間待ち続けた。
星 (せい)
14歳の中学生男子。天童太星の夜の人格。ツンツン頭が特徴で、自由気ままで人懐っこい性格。もう一つの人格である太と同じく、将棋の天才。4歳の頃から5年間、一日一手ずつ続けた太との対局では、29勝0敗という圧倒的な成績を収める。しかし夜にしか行動できないため、将棋は太の居場所だと、自分は将棋をやめる。以来、居場所探しを続けるが、何をやっても長続きしない。ある日、太のプロ試験が長引き、対局の最中、太と人格が入れ替わる、それをきっかけに、将棋の世界に戻ることを決意する。
クレジット
- 監修
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里見 咲紀
書誌情報
ふたりの太星 全3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2019-09-04発行、 978-4088820682)
第2巻
(2019-11-01発行、 978-4088821375)
第3巻
(2020-01-04発行、 978-4088821986)