ひらやすみ

ひらやすみ

『ノラと雑草』に次ぐ、真造圭伍の連載作品。現代の東京都杉並区阿佐ヶ谷や高円寺を舞台に、29歳のフリーター、ヒロトと美大生のいとこ、なつみの共同生活を描く。俳優の夢を諦め、釣り堀でアルバイトをしながら気ままな日々を送るヒロトは、近所のおばあちゃん、和田はなえから平屋を譲り受ける。美大に通うため、山形県からなつみが上京してきたことをきっかけに同居が始まり、漫画家を目指すなつみや、不動産会社社員、家具店員、小説家など様々な背景を持つ人々が平屋に集まり交流していく。本作は、都会の生活に疲れた人々が平屋という空間で息抜きをする姿を描いた、日常系人間ドラマである。阿佐ヶ谷に実在する風景や店が登場する点も特徴で、変化する季節と大切な日常を繊細に描いている。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2021年21・22合併号より連載。2022年、「マンガ大賞2022」第3位に選出。2025年11月テレビドラマ化。

正式名称
ひらやすみ
ふりがな
ひらやすみ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊9巻
関連商品
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作品の概要

基本情報

『ノラと雑草』に次ぐ、真造圭伍の連載作品。

要旨と舞台設定

現代の東京都杉並区阿佐ヶ谷や高円寺が主な舞台。29歳のフリーター、生田ヒロトは、仲が良かった近所のおばあちゃんが亡くなった後、タダで一戸建ての平屋を譲り受けることになった。そこへ、美大に合格した山形出身のいとこ、小林なつみが上京してきて、ヒロトの家で同居することになる。

ストーリー展開

物語は、自由人であるヒロトと、大学での人間関係に悩みながらも漫画家を目指すなつみを中心に展開する。自由人であるヒロトの周りに集まるのは、それぞれが生きづらさを抱えた人々。不動産会社に勤める女性や家具店に勤める男性、小説家など、様々な背景を持つ人物たちが平屋を訪れ、交流していく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、都会での生活に疲れた人々が平屋という空間で息抜きをする姿が特徴的に描かれる、日常系人間ドラマ。日々の小さな出来事や人間関係の機微、生活の中の発見といった日常的な要素が丁寧に描写されており、読者に安らぎを与える作品として位置づけられる。

連載状況

小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2021年21・22合併号より連載。

受賞歴

2022年「マンガ大賞2022」第3位。

メディアミックス情報

テレビドラマ

2025年11月3日より毎週月曜日から木曜日に全20回でNHK総合にて放送。主人公の生田ヒロトを岡山天音が演じる。

あらすじ

29歳フリーターの生田ヒロトは釣り堀でアルバイトをしている。彼はその雰囲気からか、よくお年寄りに声をかけられ、お年寄りに少し気の効いたことをいう。しかし、相手が好みのタイプの女性だったりすると緊張して、うまく話せない。ヒロトは役者を目指して山形から上京してきたが、好みのタイプの女優の前でNGを連発。向いていないと思い、その道を諦めた。ヒロトは週に2回、和田はなえの家に行く。はなえは年金暮らしの83歳のおばあさん。元給食のおばさんで、偏屈だけど料理はうまい。ちょっとしたきっかけではなえと知り合いになったヒロトは、晩御飯を御馳走になりに彼女の家に通っている。はなえはヒロトのリクエストでトンカツを作ってくれ、帰りに風邪(かぜ)気味のヒロトにカリン酒を持たせるのだった。その翌日、心筋梗塞で他界してしまったはなえ。身寄りのないはなえは、ヒロトにこの平屋を相続してもらおうと、生前に手続きをしていたのだった。こうして平屋を譲り受けることになったヒロトは、美大に合格したいとこの小林なつみを東京で預かることになり、彼女の保護者として、阿佐ヶ谷駅から徒歩20分の平屋で共同生活を始める。

登場人物・キャラクター

生田 ヒロト (いくた ひろと)

29歳の男性。山形出身で、釣り堀でアルバイトをしている。お年寄りにモテるが、タイプの女性の前では緊張してうまく話せない。勝ち負けが嫌いで、おおらかなのんびり屋。エスカレーターの片側空けには反対している。役者を目指して上京したが、あるきっかけで役者を辞めた。辞めた理由を、タイプの女優の前でNGを連発したからと周囲に説明している。出演映画のタイトルは「まぶしくて見えない。」。たまにバイクで旅に出かける。好物はたこ焼き。いとこの小林なつみからは「ヒロ兄」と呼ばれている。

小林 なつみ (こばやし なつみ)

18歳の女性。生田ヒロトのいとこで、山形出身。髪型はアゴまでのショートボブで前髪をピンで留めている。漫画家志望で、春から美大に通うため、上京してヒロトの住む阿佐ヶ谷の平屋で世話になる。自意識過剰で田舎者だというコンプレックスがあり、大学では気後れして、なかなか友達ができなかった。恥ずかしいことがあると、実家で飼っている猫「もんちゃん」の名を発作的に叫んでしまう。家事が苦手。ヒロトが高校生の時にプレゼントした卓上ライトをいまでも大事に使っている。ヒロトからは「なっちゃん」と呼ばれている。

和田 はなえ (わだ はなえ)

83歳のおばあさんで、故人。元給食のおばさんで未婚だった。メガネをかけていて、髪の長さは肩くらいまで。偏屈だが、優しいおばあさん。阿佐ヶ谷の平屋に一人で住み、庭の手入れや家事をきちんとこなしていた。生前は生田ヒロトに週2回、晩御飯を御馳走していた。優しすぎるヒロトが、いつか騙(だま)されるのではないかと、いつも心配していた。心筋梗塞で亡くなり、自分の家をヒロトに託した。白いあじさいが好き。ヒロトから「ばーちゃん」と呼ばれていた。

書誌情報

ひらやすみ 9巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2021-09-10発行、978-4098611188)

第2巻

(2021-12-10発行、978-4098612048)

第3巻

(2022-04-28発行、978-4098612994)

第4巻

(2022-09-30発行、978-4098614080)

第5巻

(2023-03-30発行、978-4098616046)

第6巻

(2023-08-30発行、978-4098625222)

第7巻

(2024-04-11発行、978-4098626908)

第8巻

(2024-11-28発行、978-4098631063)

第9巻

(2025-07-30発行、978-4098635191)

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