概要・あらすじ
2006年、書店業界を取り巻く環境は年々厳しさを増し、三日に一軒は書店が閉店に追い込まれていた。美大を卒業して半年。大國かの子は、プー太郎生活を送りながら、町でライブペインティングのパフォーマンスに明け暮れていた。同じ美大の友達は、携帯ゲームのイラストで生計を立てており、「かの子のやり方は古い、時代遅れだ」と諭される。
人生に迷走するかの子は、ある日町の書店・光林堂で、万引き犯を見かける。かの子は、無我夢中で犯人を追いかけた。いつのまにか、時代遅れで必要とされていない小さな本屋を、自分に重ね合わせていたのだ。犯人を捕らえた後、かの子は光林堂に戻る。店長は、居眠りをしていてまったくやる気がない。万引きの件にしても、遅かれ早かれ店は潰れるからといって、まったく気にする様子もなかった。
そんな店長の態度に腹を立てたかの子は、光林堂で働く決意をする。そして、気がつくと「一年後には町で一番の本屋にする」と宣言していた。こうしてかの子は、書店員となった。書店業界のことを勉強しながら、特技である絵の才能を活かして巨大なポップを作ったり、地元作家のサイン会を企画したり、独自の工夫で時代の波に立ち向かっていくのだった。