ぺぱーみんと・エイジ

ぺぱーみんと・エイジ

中学生の時から友達同士だった瀬川杏と速水祥は、成長とともにお互いに対する感情が徐々に変化していく。すれ違い続ける杏と祥、2人を取り巻く友人たちの切ない恋模様と、中学生から大学生になるまでの学校生活を描いた青春ラブストーリー。「別冊少女コミック」1981年5月号から連載された作品。

正式名称
ぺぱーみんと・エイジ
ふりがな
ぺぱーみんと えいじ
作者
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

ドジっ娘でどこか危なっかしいところがある瀬川杏は、中学2年の時に転校して来た速水祥にさりげなくフォローしてもらいながら、楽しい学校生活を送っていた。ある日、山下からデートに誘われた杏は、その旨を祥に話したところ、なぜだかそっけない態度を取られてしまう。複雑な気持ちのまま、何となく祥と気まずくなってしまった杏。

そんな折、杏は祥がクラブ活動中に骨折したことをクラスメイトから知らされ、それと同時に、杏には黙って転校してしまったことを知ってしまう。祥がいなくなり、心にぽっかりと穴が開いてしまった杏だったが、少しでも祥に近づける可能性があるのならと、祥が転校したS市にある星南(せいなん)高校を受験することを決意。見事に合格を勝ち取った杏は、念願の星南高校に入学することになる。

登場人物・キャラクター

瀬川 杏 (せがわ あん)

緑丘(みどりがおか)中学に通う3年生の女子。活発で明るい性格をしており、自分で決めたことは最後まで貫き通すが、何でもすぐ人に頼ってしまうところがある。テニス部に所属しているものの腕の力が少し弱く、強いサーブを打ち込むことができないため補欠に甘んじている。「海岸通り」という喫茶店で働いている店員に、密かに憧れていた。中学2年の時に転校して来た速水祥と友達付き合いをしていたが、祥が杏には黙って転校してしまってからは、気持ちが次第に恋心へと変化していく。 中学卒業後は、祥が転校した星南(せいなん)高校に通うことになり、先輩の小倉貴広に誘われて、バスケットボール部のマネージャーを務めることになる。同じ中学出身の愛田弘とは中学時代はほとんど話したことがなかったが、同じバスケットボール部同士でよく話すようになり、「アンパン」というあだ名で呼ばれている。

速水 祥 (はやみ しょう)

瀬川杏と同じ緑丘(みどりがおか)中学に通う3年生の男子。中学2年の時に転校して来て以来、ずっと杏を気にかけてきた。バスケットボール部に所属していたが、骨折して入院した。それ以降、杏に黙って転校してしまい、行方知れずだった。転校先の中学ではアーチェリー部に所属し、のちにアーチェリー部が有名な星南(せいなん)高校に進学する。 転校先の中学では須藤みちると仲良くなるが、杏のことが忘れられずに、みちるには辛い思いをさせてしまう。一方で、従姉妹の柏木千秋が悩んでいる時には、ずっとそばにいて、その行為が杏を深く傷つけるなど、女心にうとく、トラブルを招きがち。あまり自分のことを話さないため、杏をいつも不安にさせてしまうが、内心では杏のことを一番に考えている。 大学入学以降は良平や早坂たちチームメイトに恵まれるが、沼口とはなかなか相容れずに、トラブルを起こすことになる。幼なじみの森本綾子は今でも特別な存在で、初恋の相手として大切に思っている。

須藤 みちる (すどう みちる)

星南(せいなん)高校に入学した瀬川杏の、クラスメイトの女子。伊沢葉子と同じ中学に通っていた。緑丘(みどりがおか)中学から転校して来た速水祥と仲良くなり、やがて惹かれるようになる。いつでも祥のそばにいたいという思いから、高校ではアーチェリー部のマネージャーを務める。杏とも親しくなるが、杏と祥が普通の友人関係ではないことを悟り、思い悩むこととなる。 愛田弘から好意を寄せられるが、祥への想いを捨てきれず、なかなか素直に彼の気持ちを受け入ることができない。

小倉 貴広 (おぐら たかひろ)

星南(せいなん)高校に入学した瀬川杏の、憧れの存在である2年生の男子。バスケットボール部の花形選手で、女子たちからとても人気がある。1年生の時は女子バスケットボール部の先輩が好きだった。しかし年の差が原因でうまくいかず、次第に気持ちも冷めてしまう。自分になついてくれる杏が、いつしか気になる存在へと変わっていく。

伊沢 葉子 (いさわ ようこ)

星南(せいなん)高校に入学した瀬川杏の、クラスメイトの女子。成績優秀でとっつきにくい印象があるため、周囲からは敬遠されがち。実は友達想いな優しい性格の持ち主で、杏とも徐々に打ち解けていく。他の同級生よりも大人びており、大学生の彼氏がいるともっぱらの噂。実はその相手は速水征である。しかし仲がいいだけで交際はしていない。

愛田 弘 (あいだ ひろし)

瀬川杏と同じ緑丘(みどりがおか)中学に通う男子。中学卒業後は星南(せいなん)高校へ入学し、バスケットボール部に入部する。中学時代は杏とほとんど接触がなかったが、高校生になってからは、同じバスケットボール部の部員として会話をする機会が増え、勝手に「アンパン」とあだ名を付けてしまった。須藤みちるに想いを抱くが、速水祥を想っているみちるからは、ほとんど相手にされない。

速水 征 (はやみ せい)

速水祥の兄。以前は喫茶「海岸通り」の雇われマスターだった。現在は大学を中退し、喫茶店「マリーン・ハウス」を経営しながらマスターを務めている。のちに、杏の憧れの相手だったことが判明する。あまりあからさまにはしていないが、伊沢葉子と仲が良い。恋愛では辛い過去があるようだが、その感情は決して表に出さない。

柏木 千秋 (かしわぎ ちあき)

速水祥と速水征の従姉妹にあたる高校1年生の女子。冬休みが終わってから星南(せいなん)高校に転校して来る。ある事情から精神的に不安定なため、速水家で保護されている。とても美人で、学校では一目置かれる存在だが、祥のそばにいる瀬川杏を疎ましく思い、辛くあたるようになってしまう。少しひねくれた性格のため、本音とは逆のことを言ってしまうタイプ。

西野 由季 (にしの ゆき)

高校2年生になった速水祥が、ケガのため入院した病院で出会った女子。父親と2人で生活しているが、父親の仕事が多忙でほとんど不在のため、家では1人でいることが多い。とても体が弱く、あまり学校には行けていないが、実は星南(せいなん)高校の1年生である。学校生活を送れるようになってからは、少しずつ祥に惹かれていく。

森本 綾子 (もりもと りょうこ)

城北(じょうほく)高校に通う女子。速水祥と速水征、柏木千秋の幼なじみ。バスケットボール部のキャプテンを務める。幼い頃、征からは「綾っぺー」と呼ばれていた。横浜に住んでいたが、中学3年生の時に引っ越して来た模様。昔から祥とは懇意で、お互いに初恋の相手同士である。

瀬川 泉 (せがわ いずみ)

瀬川杏の1つ年下の妹。明るくて、はっきりと自分の意見を言う性格。それが原因で恋人にふられてしまうこともある。杏とは仲が良く、よく服を借りている。奥手な杏よりもませており、コミュニケーション能力に長けているため、失恋してもすぐに恋人ができるタイプ。過激な発言をしては、杏にたしなめられることが多々ある。

島崎 薫 (しまざき かおる)

瀬川杏と同い年の少年。瀬川家の向かいに建った新築の家に引っ越して来た。島崎修の兄。不良が多いといわれている北高校に通っている。校内でも有名なプレイボーイなため評判は芳しくない。かつて恋人だった女の子とそっくりな杏を一目で気に入り、隙をついては強引な態度に出る。ストレートに自分の気持ちを表現するタイプで、杏の心を激しく揺さぶる。

島崎 修 (しまざき おさむ)

島崎薫の弟。瀬川家の向かいに建った新築の家に引っ越して来た。薫とは正反対の優等生タイプで、性格も穏やかである。瀬川泉と同じ中学に通っていたが、高校は泉とは別の星南(せいなん)高校に入学する。泉とは家で一緒に勉強するなど親しい仲だが、恋愛関係にはなかなか発展しない模様。

橋本 (はしもと)

緑丘(みどりがおか)中学に通う3年生の女子。物静かであまり目立たないタイプだが、清楚でかわいらしく、男女問わず人気がある。男子と気兼ねなく話ができる瀬川杏をうらやましく思っている。山下のことが気になっていたが、杏に遠慮してなかなか言い出せずにいた。

山下 (やました)

緑丘(みどりがおか)中学に通う3年生の男子。以前から瀬川杏のことが気になっていたが、アプローチをかけても杏が自分には興味ないと知り、次第に気持ちが冷めてしまう。その後も杏への優しい態度は変わらないまま、前向きに次の恋を探そうとする。密かに人気のある橋本と仲良くなっていく。

良平 (りょうへい)

速水祥が進学した大学のバスケットボール部に所属する男性。穏やかで落ち着いており、更に機転が利く性格で、チームメイトからも慕われている。自分のことをあまり詳しく話さない祥に理解を示し、何かと祥を気遣っている。祥に辛くあたる沼口を警戒しつつ、2人の様子を見守る。

早坂 (はやさか)

速水祥が進学した大学のバスケットボール部に所属する男性。沼口とは旧知の仲で、性格もプレースタイルも熟知している。自分よりもバスケットボールのセンスがある祥に敬意を払い、選手として一目置いている。祥のことが何かと気に食わない沼口の性格も理解しているようだが、あくまで中立な立場を保つ。

沼口 (ぬまぐち)

速水祥が進学した大学のバスケットボール部に所属する男性。自身のプレーに自信を持っていたが、自分を上回るセンスを持つ祥によって、レギュラーの座が危うくなってしまう。とても負けず嫌いな性格のためか、祥のバスケットボールの才能を認めることができず、あからさまに敵意をむき出しにする。祥をレギュラーから外すことだけを目論み、逆転のチャンスを虎視眈々と狙う。

瀬川杏の父親 (せがわあんのちちおや)

瀬川杏と瀬川泉の父親。温和な性格で杏や泉を叱ることはあまりないが、男女交際についてはとても厳しい。とりわけ、杏と速水祥がどんな関係なのかを知らないため、常にやきもきしている。そのため、大学生になってから一人暮らしを切望する杏にも、なかなか許可を出せない。

瀬川杏の母親 (せがわあんのははおや)

瀬川杏と瀬川泉の母親。常に夫や娘たちのことを気遣う家庭的で優しい性格。杏と速水祥の付き合いについては、男女の一線を超えないような清い交際を、親として望んでいる。杏の外泊については、須藤みちるの家に泊まる時だけは黙認している。杏と祥との付き合い方にずっと疑問を抱いていたが、祥の人間性を知ってからは、2人を陰ながら応援するようになる。

SHARE
EC
Amazon
logo