ほうかご☆旧校舎

三階建ての旧校舎すべてが部活棟という、部活が盛んな光江高校に入学した橋本香澄。病気で小・中とも学校に通えなかった香澄は、治療が終わってやっと通学できるようになり、高校では友達を作ったり、男の子と付き合ったり、部活も思いっきり楽しむぞと期待に胸をふくらませていた。相棒の猫型ロボット・にゃーさんとみゅーさんを連れて、どの部活に入ろうか迷っていた時、クラスメイトの男の子・大宮優が「同じクラスのH.Kって君だよね?」と声をかけてきた。

自分のイニシャルだと思った香澄はうなずくと、優は「手紙ありがとう。だけど誰とも付き合うつもりはない」と言ってきた。ラブレターの送り主と勘違いされ、振られてしまう香澄。クラスメイトで同じイニシャルと言えば他に富和小春しかいない。

香澄は真面目なクラス委員がラブレターなんて乙女だな～などと考えていると、「大スクープだ」と報道部部長・萩生咲が優の持っていたラブレターを奪い、報道部部員の奴野鷹久が優と香澄のツーショットを撮り始めた。翌日、「入学早々ラブレターで告白。そしてフラれる」と二人のことを学校新聞に書かれてしまう。

掲示板に貼られた新聞を見た香澄は、間違った記事なのにと微笑んでいると「フラれたのになんで笑ってるの?」「学校に行ったことがないからヘンな子なのでは?」と周りから陰口をたたかれてしまう。優は口実を作って香澄をその場から連れ出した。「学校に行かなかったからヘンな子になったの?」と悩む香澄に優は「ヘンなところなんて誰にでもある。

君のせいじゃないから放っておけばいい」と励ましてくれた。クラスでもラブレターのことが噂になり、送り主だとバレてしまうのではと怯える小春。小春の様子を心配した香澄は、学校新聞を掲示板から外してもらおうと放課後、報道部の部室を訪れた。部室の引き戸を開けると上からスライムが降ってきて、悲鳴を上げる香澄。

報道部はドッキリを仕掛けていて、その様子を撮影し、全国に生放送で動画配信していた。そのまま撮影は続けられ、なぜか自己紹介を始める香澄。ラブレター事件の子だと気づいた奴野が例のラブレターを取り出したため、香澄はつい「誤解だ」と口走ってしまう。問い詰められても小春のことを言えないため、ごまかそうとする香澄。そこで優が「もうかばわなくていい。

ラブレターを書いたのは僕だ。香澄ちゃんが好きだ」と生放送中に突然、香澄に告白するのだった。優は香澄をかばって、自分がラブレターを書いたと噓をついてくれたのだ。奴野は動画がめちゃくちゃになったと怒りをあらわにするが、報道部副部長の奈美田愛は、迷惑をかけたと謝罪し、新聞を外すことを約束してくれた。

報道部の行き過ぎた行動に問題はあるが、視聴者に楽しんでもらおうという姿勢は一貫していた。以前、報道部はネット上でいじめを摘発し、いじめの加害者は学校を辞めてしまった。報道部はやりすぎだと問題になったこともあるが、その後、光江高校のいじめはゼロになったという。その話を聞いて、自分は報道部のことを誤解していたのかもしれないと思った香澄は、報道部に興味を持った。

そして彼らが行き過ぎた行動をすることがあれば自分が止めればいいと報道部に入部することを決めたのだった。