マオの寄宿學校

マオの寄宿學校

中高一貫の全寮制高校に編入した、植物以外の友達がいないマイペースな男の子と、校内の誰にも心を開いていない一匹狼で変わり者の金髪碧眼美形少年がルームメイトとなり、交流を深めていく。規則が厳しく格式高い名門、私立榮歐學園を舞台にした学園青春グラフィティ。白泉社「花とゆめ」2019年8号から連載の作品。

正式名称
マオの寄宿學校
ふりがな
まおのきしゅくがっこう
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

全寮制の中高一貫校、私立榮歐學園に編入することになった森本真生。彼の唯一の友達、鉢植えの苗木「ウエッキー君」と一緒に入寮しようとするも、中等部に入学する妹の森本純にそんなものは置いて行けと止められ、もみ合いになっているうちに鉢植えを落とし、割ってしまう。寮教師に呼ばれた妹の純は「人間の友達を作りなよ」と捨てセリフを残して女子寮へ向かった。真生はそもそも他人と暮らすのは嫌だったし、規則の厳しそうな榮歐學園での寮生活など無理だと思っていた。せめてと思って連れてきた「ウエッキー君」を失い、傷心の中、男子寮の教師を待っていた。すると中庭の方からバラの香りがして、少しだけ空いていた扉から髪の長い美しい女性が見えた。真生はバラの妖精かと思ったが、男子部寮教師に「ここは立ち入り禁止!」と注意され、扉を閉められてしまう。男子寮に行くと生徒たちはドンチャン騒ぎをしていた。これは「ストーム」と呼ばれる派手な歓迎会らしかった。品行方正だと言われていたのに、こんな学校になじめるのかと真生がメソメソしていると、寮教師から部屋に案内される。ルームメイトは金髪に青い目の端正な顔立ちの男の子。彼はノートに「ルイ・ハミルトン」と英語で書いたあと、「話かけるな」と真生を拒絶した。編入生の真生は、食堂でも注目の的だった。周りから、ルームメイトはハーフで「久川琉衣」というもう一つの名前があること、中等部から一度もしゃべったことがないことを聞かされる。真生が今朝、中庭で見た女性をバラの妖精と口走ったことで周りからからかわれそうになった時、ルイはわざと食器を落として注意を逸らしてくれた。部屋に戻った真生は、ルイに筆談でお礼を言い、ルイが自分に英語名を名乗った理由を聞いた。「自分の見た目で日本語名を名乗ったら変な顔をされるから」と答えたルイ。「話してもどうせわかってもらえない」と諦めることが多かった真生は、ルイに共感し、「自分はバラが好きだ。男のくせに変だけど」と告白。筆談ながら和やかに楽しい会話ができたのだが、ある一言でまたルイは心を閉ざしてしまう。真生はルイの祖父が育てていた「ルイの涙」という品種のバラを、中庭からもらえないかと必死で先生に掛け合った。真生は翌朝そのバラを見せて「自分と友達になって欲しい」とルイに伝える。するとルイは「俺と友達になりたいんだろ? 後悔しても遅いからな」と突然日本語でしゃべり出した。本性を現したルイは意外にも毒舌だったが、勇気を出した真生には親友ができ、慌ただしい学園生活が始まった。

登場人物・キャラクター

森本 真生 (もりもと まお)

私立榮歐學園の4th(高等部1年)に編入してきた15歳の男の子。植物オタク。特にバラが好きで、植物図鑑を見ていると落ち着く。気が弱く、マイペースで少しぼんやりしている。バラの苗木を「ウエッキー君」と呼び、唯一の友達だと思っている。黒髪で前髪は斜めに分けており、中性的なかわいらしい顔をしている。親の都合で転校が多く、大人しいため、友達をうまく作れずにいた。

久川 琉衣 (ひさかわ るい)

私立榮歐學園の4th(高等部1年)の男子。森本真生のルームメイト。日本人とイギリス人のハーフで、金髪に碧眼で美しい顔立ちをした少年。「ルイ・ハミルトン」という英語名も持っている。両親が他界してしまい、イギリス人の祖父に育てられた。祖父も病気で亡くし、中等部から日本の榮歐學園に通う。中等部の頃から誰ともしゃべらず、周りからしゃべることができないと思われていた。毒舌で横暴。時折、不器用な優しさを見せる。日本のお菓子が好き。

森本 純 (もりもと じゅん)

森本真生の妹。私立榮歐學園にずっと憧れており、中学受験に合格。1st(中等部1年)から入学し、寮生活を始める。快活でしっかりした女の子。耳の上でツインテールをしている。鉢植えを持って入寮しようとする兄を引き留めようともみ合いになって、鉢を割ってしまう。

場所

私立榮歐學園 (しりつえいおうがくえん)

全寮制の中高一貫校。大正時代から続く格式高い名門校で、木造の建物は重要文化財にもなっている。敷地面積は東京ドーム43個分。男女間接触禁止など厳しい規則がある。中等部1年を1st高等部1年を4thと呼ぶ。また女子部は茜寮(ローズマリーりょう)、男子部は常盤寮(エバーグリーンりょう)と呼ぶ。最も優秀な最上級生には「キング」という地位が与えられ、新たなルールを作ることができる。キングの部下は「監督生」と言い、監督生の手伝いをするものを「ファグ」と呼ぶ。

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