ぼくらのよあけ

ぼくらのよあけ

人工知能の発達した2038年の日本を舞台に、宇宙に憧れる少年少女と、遥か遠くの宇宙からやって来た人工知能のふれあいを描く、近未来ジュナイブルSFストーリー。

正式名称
ぼくらのよあけ
ふりがな
ぼくらのよあけ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
アフタヌーンKC(講談社)
巻数
既刊2巻
関連商品
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概要・あらすじ

2038年、少しだけ科学技術の進んだ便利な世界。沢城悠真は、阿佐ヶ谷住宅に住む宇宙が大好きな小学四年生。悠真は高度な人工知能を持った家庭用ロボット・オートボットナナコに世話を焼かれ、うんざりしていた。ある日、家に帰る道の途中で、悠真は突如おかしくなったナナコに団地の屋上へと連れて行かれる。

すると、ナナコとは異なる人工知能が、ナナコを介して語りかけてきたのだった。その人工知能は、遥か遠い宇宙から、一万二千年の時をかけて旅をしてきた惑星探査機2月の黎明号に搭載されたものだった。聞く所によると、2月の黎明号は28前に地球へやって来たが、故障のために宇宙へ帰れなくなってしまったのだという。

二月の黎明号が見せる数々のスーパーテクノロジーに悠真は夢中になり、友達とともに、2月の黎明号を彼の故郷の星虹の根へと帰す計画を立てる。団地の屋上で密かに進められる、子供たちのひと夏のミッションが始まった。

登場人物・キャラクター

沢渡 悠真 (さわしろ ゆうま)

本作の主人公で短い黒髪の男の子。杉二小に通う小学4年生で、阿佐ヶ谷住宅に住んでいる。学校の勉強は苦手だが、こと宇宙の話になると、小学生とは思えないほど高度な知識を披露する。宇宙が大好きで、宇宙の為なら苦手な早起きも辞さない程。宇宙の話をしてくれるオートボットが欲しかったため、オートボットのナナコを買ってもらったが、最近は何かと注意をしてくるナナコに対して不満を感じており、度々へそを曲げている。 しかし、なんだかんだナナコを大切に思っているようで、ナナコに対して罪悪感を感じたり、心配したりする面もある。団地の屋上で、惑星探査機二月の黎明号に、彼の故郷虹の根の情報を見せられた時、非常にワクワクした様子で、二月の黎明号を母性に帰そうと提案し、その後の計画を中心となって進めた。

ナナコ

『ぼくらのよあけ』に登場するキャラクター。高度な人工知能を有するオートボットという家庭用ロボットで、沢渡家に仕えている。大きな顔に小さな胴体、分離された二つの手を持ち、空中に浮遊している。人間の言葉を理解するのはもちろん、助言をしたり、雑談をしたりなどいろいろなことができる。ピンクの髪の毛を持った可愛らしい女の子モデルで世話焼き好きだが、「なんで女の子なんだ!」と悠真はこれをよく思っていない。 人工知能のベースは人工衛星SHⅢに搭載されたものと同じであり、そのため同じSHⅢベースの惑星探査機二月の黎明号との親和性が高く、悠真が二月の黎明号と出会うきっかけとなった。悠真の計画に協力していくうちに、本来は不変であるはずのナナコの人工知能にも少しずつ変化が生まれていく。

SHⅢ (えすえいちすりー)

『ぼくらのよあけ』に登場する人工衛星、またはそれに搭載された人工知能。30年前に打ち上げられた人工衛星に搭載されており、数えきれないほどの星や衛星、天文現象を発見している。現在運用されている全ての人工知能の元であり、悠真のオートボットであるナナコも、SHⅢの妹と言うことができる。惑星探査機2月の黎明号が人工知能を作成する際参考にしたのもこのSHⅢであり、二月の黎明号を発見し地球に案内したのも彼である。 そのため、二月の黎明号はSHⅢを友と呼び、彼に非常に感謝している。

2月の黎明号 (にがつのれいめいごう)

『ぼくらのよあけ』に登場する惑星探査機、およびその人工知能。ナナコを介して悠真に語りかけてきた、謎に包まれた存在。その正体は、地球から遥か遠くの宇宙に存在する、水の惑星虹の根からやってきた惑星探査機。28年前、地球に不時着するところを人工知能SHⅢに助けられ、無事地球に降りることができた。 28年前にコアがバラバラになってからは、阿佐ヶ谷団地の屋上で休止状態となっていたが、ナナコが3つ目のコアの役割を果たしたため、再び起動した。形状は球型、棒型、ドーナツ型と様々で、特に定まってはおらず、現在は団地の一棟そのものが二月の黎明号そのものとなっている。電子機器のほか、水を通して意思疎通することが可能で、悠真達に虹の根の風景を体験させた。 母星に帰ることを願っている。

田所 銀之助 (たどころ ぎんのすけ)

色の薄い髪の毛に中性的な顔立ちの小学6年生男子。杉二小に通っており、悠真、真吾とは遊び仲間。悠真に誘われ、惑星探査機二月の黎明号を故郷へ帰す計画に参加する。聡明で真面目な性格。父親が亡くなった時、「いい子」になれと言われたためそうなろうと努力している。

岸 真悟 (きし しんご)

丸ぶち眼鏡をかけた黒髪の小学4年生男子。杉二小に通っており、悠真、銀之助とは遊び仲間で、よく岸家で一緒にゲームをしている。悠真に誘われ、惑星探査機二月の黎明号を故郷へ帰す計画に参加する。姉のわこにはイジられることが多いが、姉弟仲は悪くないようである。

岸 わこ (きし わこ)

黒髪のショートヘアーで前髪をパッツンにした小学六年生女子。杉二小に通っており、岸真悟の姉。クラスの女子からはぶられないように、チャットを駆使して八方美人を演出しているが、そのやり取りに疲れている様子が伺える。クラスの女子と共に花香を”敵”に仕立ててハブにしていた。弟のことをよくイジっている。

河合 花香 (かわい ほのか)

ヘアピンをつけた小学六年生女子で杉二小に通っている。岸わことは同じクラスだが、女子たちの間で”敵”としていじめに近い扱いを受けており、学校に嫌気がさしている。父母は離婚している様子で、父と二人暮らしだが、母のことが大好きで現在でも会うのを楽しみにしている。家にあった二月の黎明号のコアを見つけたことをきっかけに、悠真達の計画に参加することになる。

沢渡 はるか (さわたり はるか)

黒髪を後ろに束ねた女性で、悠真の母親である。旧姓は遠藤。ナナコの言うことを聞かない悠真に世話を焼いている。実は、夫の沢渡遼、花香の父河合義達とは幼いころの遊び仲間で、中学の時に二月の黎明号と接触したことがあった。

沢渡 遼 (さわたり りょう)

短い髪の毛に四角い淵の眼鏡をかけた初老の男性で、悠真の父。仕事で忙しいためなかなか帰ってこれない。実は、妻の沢渡はるか、花香の父河合義達とは幼いころの遊び仲間で、中学の時に二月の黎明号と接触したことがあったようで、当時から聡明な様子が伺える。

河合 義達 (かわい よしたつ)

ぼさぼさの髪の毛に無精ひげを生やした初老の男性で、花香の父。小説家を生業としているため、生活リズムが不規則である。妻とは離婚している様子が伺える。実は、悠真の父沢渡遼、母沢渡はるかとは幼いころの遊び仲間で、中学の時に二月の黎明号と接触したことがあった。

オートボット

『ぼくらのよあけ』に登場する人工知能を持った家庭用ロボットの総称。デザインは、ペット型だったり人型だったりと様々である。人工知能SHⅢをベースに作られており、電子機器の操作全般を得意とするほか、助言や雑談もこなすため、人格は非常に人間に近いものとなっている。ただし、嘘をつけないという原則があり、もし嘘をつくようなエラーが見つかった場合は、OSのアップデートと共に記憶と人格をリセットされることになっている。

場所

虹の根 (にじのね)

『ぼくらのよあけ』に登場する星。惑星探査機「二月の黎明号」の故郷である。地球とは違った形で生命が発達し、水を媒介にして意思疎通を行う。二月の黎明号を初めとして、非常に優れた技術を有している星である。虹の根に生息する声明の行動原理は「外の世界はどうなっているのだろう?」という疑問から発しており、その使命を果たすため、二月の黎明号は約1万2千年の時をかけて虹の根から地球へとやって来た。

その他キーワード

コア

『ぼくらのよあけ』に登場する物体。惑星探査機二月の黎明号を動作させるのに必要な物体で、本来は3つのコアをすべてそろえる必要があったが、ナナコが3つ目のコアの代わりを果たしたために、28年ぶりの起動を果たした。3つのコアは遠藤はるか、沢渡遼、河合義達がそれぞれ所持していた。

書誌情報

ぼくらのよあけ 2巻 講談社〈アフタヌーンKC〉

第1巻

(2011-06-23発行、 978-4063107586)

第2巻

(2011-11-22発行、 978-4063107913)

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