ましろのおと（漫画）- マンガペディア

作品の概要

基本情報

『赤ちゃんと僕』などで知られる羅川真里茂の少年誌では初連載となる作品で、代表作の一つ。

要旨と舞台設定

津軽三味線の師匠であり育ての親でもあった祖父の澤村松吾郎を亡くした少年、澤村雪が、青森県から東京都へ向かい、「自分の音」を探すために奮闘する物語。雪は東京でさまざまな人々と出会い、津軽三味線の演奏を通じて成長していく。

ストーリー展開

物語は、雪が祖父の死によって「好きな音」を失ったところから始まる。そして、東京に出た雪が転校した梅園学園で津軽三味線同好会に入り、そこで出会った仲間たちとの交流や、実父・神木流弦との複雑な関係、流弦の養子として育った田沼総一や田沼舞との関係性が描かれる。津軽三味線の全国大会への参加や、さまざまな演奏者との出会いを通じて、雪は自身の音楽的アイデンティティを模索していく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、津軽三味線という日本の伝統楽器を中心に、音楽をテーマとした青春漫画。楽器の演奏技法や流派の違い、師弟関係といった要素が物語に組み込まれているほか、青森県の方言や文化的背景も詳細に描写されており、地域性を重視した作品構成となっている。

作品固有の表現技法と特徴

津軽三味線の演奏シーンでは、コマ割りや効果線、擬音を駆使して楽器の音色や演奏者の感情を視覚的に表現する、独特の描写技法が用いられている。また、演奏中の登場人物の心理描写と音楽表現を連動させることで、音楽の臨場感を伝えている。

世界観の構築と設定

作中では、神木流を中心とした師弟関係や後継者問題、伝統的な演奏スタイルと現代的なアレンジの対立といった、津軽三味線の流派制度が重要な設定として機能している。また、津軽三味線の大会システムや審査基準、演奏者同士の競争関係なども詳細に設定されており、これらが物語の展開に深くかかわっている。

連載状況

講談社「月刊少年マガジン」2010年5月号から2022年9月号まで連載。

受賞歴

2012年第36回「講談社漫画賞」少年部門。

2012年第16回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2021年4月から2021年6月まで放送。

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あらすじ

16歳の津軽三味線奏者・澤村雪は、育ての親で師匠でもある祖父・澤村松吾郎を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまう。故郷青森に「自分の音」が無くなったと感じた雪は、思い付きで東京へ。母親に強引に入学させられた私立梅園学園の津軽三味線愛好会の仲間や三味線奏者のライバルたちとの出会いを通じて、雪は少しずつ成長していく。

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登場人物・キャラクター

澤村雪 (さわむらせつ)

16歳の津軽三味線奏者。育ての親で師でもある祖父・澤村松吾郎を亡くし、「自分の音」を探して青森から東京へやってくる。祖父譲りの才能を持つが、プロのように安定した演奏ができるわけではなく、自らが意義を見出せないときは凡庸な音しか出せない。母である澤村梅子により、強引に私立梅園学園に入学させられ、津軽三味線愛好会に入部することになる。

澤村松吾郎 (さわむらまつごろう)

主人公である澤村雪の祖父であり師匠。全盲の津軽三味線奏者。故人。野心がなかったため世に存在を知られていないが、その音色は聴く人の心を大きく揺さぶる。澤村雪の師匠であるが、手とり足とり指導することはなく、「音を奪え」と言うだけだった。

澤村若菜 (さわむらわかな)

19歳。主人公である澤村雪の兄。青森在住。津軽三味線奏者であり、全国大会3位に入賞するなど、実力者だが、自分の才能に限界を感じている。

澤村梅子 (さわむらうめこ)

主人公である澤村雪の母。澤村雪たち兄弟を澤村松吾郎に押し付け、家を出ている。40代だが異常に若く見える。性格は強引、豪快。ビューティ業界の会社・梅丸の社長。息子・澤村雪のために、父の名を冠した津軽三味線甲子園「松吾郎杯」を開催する。

立樹ユナ (たちきゆな)

グラビアアイドルをやりながらキャバクラで働く22歳。上京直後、暴力団に絡まれていた澤村雪を助け、自分のマンションに住まわせる。彼氏であるタケトの浮気やアダルトビデオへの出演依頼などをきっかけに、夢を諦め故郷に帰る。

タケト

インディーズバンドのボーカル。キャバクラで働くグラビアアイドル、立樹ユナの彼氏で彼女に経済的に援助してもらっていた。浮気性。

前田朱利 (まえだしゅり)

梅園学園一年生。ショートカットで大きな目をした女子高生。主人公、澤村雪のクラスメイト。不器用で人と話すのが苦手。男性からは好かれるが女性からは「ブリっ子」と思われ敬遠されがち。山里結、矢口海人とは幼馴染である。祖母が戦時中疎開先で聴いたという津軽三味線の音を再び聴かせようと、一人で梅園学園津軽三味線愛好会で活動していた。

山里結 (やまざとゆい)

梅園学園一年生。ゲームや漫画オタクの女子高生。矢口海人、前田朱利とは幼馴染。津軽三味線愛好会に入部する。矢口海人に思いを寄せているが、気づいてもらえない。前田朱利の純粋さ、可愛らしさに惹かれているが、嫉妬とコンプレックスから素直になれない。

矢口海人 (やぐちかいと)

梅園学園二年生。山里結、前田朱利とは幼馴染。サッカーのスポーツ推薦で高校へ入学したが、練習試合で左ひざ半月板を損傷、プロへの道を断念。好きなことができるのに才能を活かさない澤村雪に苛立ちつつも、過去のプライドを断ち切り、津軽三味線愛好会に入部する。

永森雷 (ながもりらい)

梅園学園二年生。手芸部員でオネエ言葉で話す。津軽三味線甲子園「松吾郎杯」団体戦の数合わせで、津軽三味線愛好会に入部する。澤村雪と同じ下宿に住む噺家・米福の息子。母親が三味線の師範で細竿(長唄や小唄用の三味線)を教え込まれた。

小藪啓子 (こやぶけいこ)

梅園学園教師で澤村雪らの担任。梅園学園のOBで津軽三味線奏者の緒方洸輔と連絡を取りたいがために津軽三味線愛好会の顧問になった。

田沼総一 (たぬまそういち)

青森在住の高校3年生。津軽三味線奏者で全国大会A級準優勝者。神木流家元・神木流絃の養子。「桂馬の動きで歩く」「石を蹴りながら歩く」など、独自ルールを設定する変わり者で友達がいない。

田沼舞 (たぬままい)

青森在住の高校2年生。津軽三味線奏者で田沼総一の妹。小学校時代から澤村雪をライバル視しており、他人に左右されずあくまで自分の音を探す澤村雪に嫉妬する。演奏は伝統的なスタイルに挑戦するかのようで「モダン」と評される。

神木流絃 (かみきりゅうげん)

津軽三味線の神木流家元。58歳。本名は田沼源造。40代で家元に大抜擢された。澤村雪の実の父親で、雪に神木流を継がせ、澤村松吾郎の音を手に入れようともくろむ。

緒方洸輔 (おがたこうすけ)

神木流絃に師事する津軽三味線奏者。名取名は神木清流。全国大会A級二連覇の実力者。梅園学園のOBで、津軽三味線愛好会を一人でやっていた。

梶貴臣 (かじたかおみ)

大阪の高校三年生で津軽三味線奏者。津軽三味線甲子園「松吾郎杯」に出場。地味だが正確な音を奏でる奏者で、団体戦で優勝を果たす。

荒川潮 (あらかわうしお)

福岡の高校三年生で津軽三味線奏者。目立ちたがり屋で荒々しく独創的。三味線のテクニック「スリ上げ」を連続多用する「荒川トゥイン」が得意技。小学校六年生から津軽三味線を習い、九州大会でジュニア優勝、A級入賞の経験がある。

山野寅治 (やまのとらじ)

43歳。東京都葛飾区にあるたぬきち食堂を経営している。食堂の二階を下宿屋にしており、澤村雪の大家でもある。

山野桜 (やまのさくら)

中学一年生の少女。東京都葛飾区にあるたぬきち食堂を経営する山野寅治の娘。澤村雪に好意を寄せており、中学生ながら母親のように世話を焼く。

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集団・組織

津軽三味線愛好会

『ましろのおと』の舞台となる私立梅園学園のクラブ。顧問は小藪啓子。当初は前田朱利一人で活動していたが、後に澤村雪、山里結、矢口海人、永森雷が入部。みんなで津軽三味線甲子園「松吾郎杯」を戦うことになる。梅園学園OBの津軽三味線奏者・緒方洸輔も、かつてこのクラブを一人でやっていた。

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書誌情報

ましろのおと 31巻講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉

第1巻
(2010-10-15発行、978-4063712612)

第2巻
(2010-12-17発行、978-4063712667)

第3巻
(2011-04-15発行、978-4063712810)

第4巻
(2011-09-16発行、978-4063712988)

第5巻
(2012-01-17発行、978-4063713169)

第6巻
(2012-06-15発行、978-4063713343)

第7巻
(2012-11-16発行、978-4063713534)

第8巻
(2013-04-17発行、978-4063713718)

第9巻
(2013-10-17発行、978-4063713930)

第10巻
(2014-02-17発行、978-4063714111)

第11巻
(2014-06-17発行、978-4063714258)

第12巻
(2014-10-17発行、978-4063714432)

第13巻
(2015-04-17発行、978-4063714661)

第14巻
(2015-08-17発行、978-4063714791)

第15巻
(2016-02-17発行、978-4063925104)

第16巻
(2016-10-17発行、978-4063925586)

第17巻
(2017-03-17発行、978-4063925722)

第18巻
(2017-07-14発行、978-4063925944)

第19巻
(2017-11-17発行、978-4065104439)

第20巻
(2018-04-17発行、978-4065112960)

第21巻
(2018-10-17発行、978-4065133774)

第22巻
(2019-02-15発行、978-4065144909)

第23巻
(2019-07-17発行、978-4065165904)

第24巻
(2019-11-15発行、978-4065176276)

第25巻
(2020-05-15発行、978-4065192979)

第26巻
(2020-11-17発行、978-4065214954)

第27巻
(2021-03-17発行、978-4065227312)

第28巻
(2021-07-15発行、978-4065239322)

第29巻
(2021-12-16発行、978-4065261231)

第30巻
(2022-07-14発行、978-4065285329)

第31巻
(2022-10-17発行、978-4065294307)

ましろのおと特装版 31巻講談社〈プレミアムKC〉

第31巻
(2022-10-17発行、978-4065294291)

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EC

ましろのおと

作品の概要

基本情報

要旨と舞台設定

ストーリー展開

ジャンル的特徴と位置づけ

作品固有の表現技法と特徴

世界観の構築と設定

連載状況

受賞歴

メディアミックス情報

テレビアニメ

あらすじ

登場人物・キャラクター

澤村 雪 (さわむら せつ)

澤村 松吾郎 (さわむら まつごろう)

澤村 若菜 (さわむら わかな)

澤村 梅子 (さわむら うめこ)

立樹 ユナ (たちき ゆな)

タケト

前田 朱利 (まえだ しゅり)

山里 結 (やまざと ゆい)

矢口 海人 (やぐち かいと)

永森 雷 (ながもり らい)

小藪 啓子 (こやぶ けいこ)

田沼 総一 (たぬま そういち)

田沼 舞 (たぬま まい)

神木 流絃 (かみきりゅうげん)

緒方 洸輔 (おがたこうすけ)

梶 貴臣 (かじ たかおみ)

荒川 潮 (あらかわ うしお)

山野 寅治 (やまの とらじ)

山野 桜 (やまの さくら)

集団・組織

津軽三味線愛好会

書誌情報

ましろのおと 31巻 講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉

第1巻 (2010-10-15発行、978-4063712612)

第2巻 (2010-12-17発行、978-4063712667)

第3巻 (2011-04-15発行、978-4063712810)

第4巻 (2011-09-16発行、978-4063712988)

第5巻 (2012-01-17発行、978-4063713169)

第6巻 (2012-06-15発行、978-4063713343)

第7巻 (2012-11-16発行、978-4063713534)

第8巻 (2013-04-17発行、978-4063713718)

第9巻 (2013-10-17発行、978-4063713930)

第10巻 (2014-02-17発行、978-4063714111)

第11巻 (2014-06-17発行、978-4063714258)

第12巻 (2014-10-17発行、978-4063714432)

第13巻 (2015-04-17発行、978-4063714661)

第14巻 (2015-08-17発行、978-4063714791)

第15巻 (2016-02-17発行、978-4063925104)

第16巻 (2016-10-17発行、978-4063925586)

第17巻 (2017-03-17発行、978-4063925722)

第18巻 (2017-07-14発行、978-4063925944)

第19巻 (2017-11-17発行、978-4065104439)

第20巻 (2018-04-17発行、978-4065112960)

第21巻 (2018-10-17発行、978-4065133774)

第22巻 (2019-02-15発行、978-4065144909)

第23巻 (2019-07-17発行、978-4065165904)

第24巻 (2019-11-15発行、978-4065176276)

第25巻 (2020-05-15発行、978-4065192979)

第26巻 (2020-11-17発行、978-4065214954)

第27巻 (2021-03-17発行、978-4065227312)

第28巻 (2021-07-15発行、978-4065239322)

第29巻 (2021-12-16発行、978-4065261231)

第30巻 (2022-07-14発行、978-4065285329)

第31巻 (2022-10-17発行、978-4065294307)

ましろのおと 特装版 31巻 講談社〈プレミアムKC〉

第31巻 (2022-10-17発行、978-4065294291)

関連リンク

澤村雪 (さわむらせつ)

澤村松吾郎 (さわむらまつごろう)

澤村若菜 (さわむらわかな)

澤村梅子 (さわむらうめこ)

立樹ユナ (たちきゆな)

前田朱利 (まえだしゅり)

山里結 (やまざとゆい)

矢口海人 (やぐちかいと)

永森雷 (ながもりらい)

小藪啓子 (こやぶけいこ)

田沼総一 (たぬまそういち)

田沼舞 (たぬままい)

神木流絃 (かみきりゅうげん)

緒方洸輔 (おがたこうすけ)

梶貴臣 (かじたかおみ)

荒川潮 (あらかわうしお)

山野寅治 (やまのとらじ)

山野桜 (やまのさくら)

ましろのおと 31巻講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉

第1巻
(2010-10-15発行、978-4063712612)

第2巻
(2010-12-17発行、978-4063712667)

第3巻
(2011-04-15発行、978-4063712810)

第4巻
(2011-09-16発行、978-4063712988)

第5巻
(2012-01-17発行、978-4063713169)

第6巻
(2012-06-15発行、978-4063713343)

第7巻
(2012-11-16発行、978-4063713534)

第8巻
(2013-04-17発行、978-4063713718)

第9巻
(2013-10-17発行、978-4063713930)

第10巻
(2014-02-17発行、978-4063714111)

第11巻
(2014-06-17発行、978-4063714258)

第12巻
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(2015-04-17発行、978-4063714661)

第14巻
(2015-08-17発行、978-4063714791)

第15巻
(2016-02-17発行、978-4063925104)

第16巻
(2016-10-17発行、978-4063925586)

第17巻
(2017-03-17発行、978-4063925722)

第18巻
(2017-07-14発行、978-4063925944)

第19巻
(2017-11-17発行、978-4065104439)

第20巻
(2018-04-17発行、978-4065112960)

第21巻
(2018-10-17発行、978-4065133774)

第22巻
(2019-02-15発行、978-4065144909)

第23巻
(2019-07-17発行、978-4065165904)

第24巻
(2019-11-15発行、978-4065176276)

第25巻
(2020-05-15発行、978-4065192979)

第26巻
(2020-11-17発行、978-4065214954)

第27巻
(2021-03-17発行、978-4065227312)

第28巻
(2021-07-15発行、978-4065239322)

第29巻
(2021-12-16発行、978-4065261231)

第30巻
(2022-07-14発行、978-4065285329)

第31巻
(2022-10-17発行、978-4065294307)

ましろのおと特装版 31巻講談社〈プレミアムKC〉

第31巻
(2022-10-17発行、978-4065294291)