まなびや三人吉三

まなびや三人吉三

校内を騒がせる義賊「三人吉三」の名を継ぐことになった高校生が、学校内で起こるさまざまな事件の解決に奔走する姿を描いた学園捕物帳。白泉社「花とゆめ」2004年23号から2006年3号にかけて掲載された。

正式名称
まなびや三人吉三
ふりがな
まなびやさんにんきちさ
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

人付き合いが苦手な八百屋七々子(やぁや)と、いとこの安森慎太は、庚申丸高校の1年生。新聞部見習いのやぁやは、正式な部員と認めてもらうために学校をにぎわす義賊「三人吉三」の正体について取材を進めていた。そんななか、慎太の活躍により「三人吉三」に独占インタビューできることになったやぁやは、慎太と共に指定された場所へと向かう。

そして慎太はそこで「三人吉三」を構成する3人のうちの一人「お坊吉三」にならないかと勧誘を受けただけでなく、トラブルからチームのリーダー的存在、「和尚吉三」の正体を知ってしまう。結局、その気になった慎太は3代目「お坊吉三」を襲名。同時にやぁやはそれに巻き込まれる形で3代目「お嬢吉三」を襲名し、2代目と共に「三人吉三」として、義賊稼業を開始することとなる。

登場人物・キャラクター

八百屋 七々子 (やおや ななこ)

庚申丸高校に通う女子高生。関西出身ということで誤解されがちだが、引っ込み思案で人付き合いが苦手。そのギャップのためか幼い頃から友達ができなかった。感情の起伏が激しく、感情が高ぶると腕力に訴える傾向にあり、主に安森慎太がその被害を被ることが多い。両親がオーストラリアに赴任している3年間、おじの家に世話になっていて、慎太と生活を共にしている。 学校では新聞部に入部、大好きな部長の提案で「三人吉三」に関するスクープを狙い取材していたところ、慎太への影響力を買われた形で3代目「お嬢吉三」を襲名することとなる。

安森 慎太 (やすもり しんた)

八百屋七々子(やぁや)のいとこであり、庚申丸高校の生徒会執行部で書記を務める男子生徒。生活を共にしているため、家ではもとより学校でも友達のいないやぁやと一緒にいることが多い。新聞部の取材に協力中、「三人吉三」からスカウトされる。生徒会での働きと、軽い身のこなしを買われ、3代目「お坊吉三」を襲名することとなる。

音瀬 京子 (おとせ きょうこ)

庚申丸高校新聞部の部長であり、2代目「お嬢吉三」の役を担う女子生徒。美人で、優しい笑顔の見た目に反し、「お嬢吉三」としての発言には荒々しいものがある。「三人吉三」の情報が必要以上に流れないように新聞部という立場から情報を操作している。

菅原 双葉 (すがわら ふたば)

庚申丸高校で養護教諭を務める女性。初代「三人吉三」から現在に至るまで「和尚吉三」の役を担う、「三人吉三」のリーダー的存在。普段は保健室の優しい先生を演じているが、一度スイッチが入れば怖いくらいに男らしくなり、誰よりも目立った活躍を見せる。だが教師という立場上、普段は前線で目立った活動をするよりはサポートに回ることが多い。

鈴木 申三郎 (すずき しんざぶろう)

庚申丸高校の生徒会執行部で生徒会長を務める男子生徒。姉が初代「お嬢吉三」だったため、スカウトされて2代目「お坊吉三」となった。いつも先頭を切って行動するタイプだが、ちょっと抜けたところがあるのが玉に瑕。

吉寺 (よしでら)

庚申丸高校の用務員を務める男性。菅原双葉を慕っているため、何かと用事を作っては保健室にやってくる。しかし双葉からは相手にされていないどころか、嫌がられている。

尾上 瞬 (おのうえ しゅん)

庚申丸高校に通う男子生徒。当初は3代目「お嬢吉三」の候補者として鈴木申三郎から声をかけられていたが、「お嬢吉三」が別人に決まってしまったことで逆恨みしている。「三人吉三」の相反する存在として初代「弁天小僧菊之助」を名乗り、高橋征二と手を組んで「三人吉三」の活動を妨害し、その正体を探っている。

高橋 征二 (たかはし せいじ)

庚申丸高校に通う男子生徒。「三人吉三」の相反する存在として初代「南郷力丸」を名乗り、尾上瞬と手を組んで「三人吉三」の活動を妨害している。また、その正体を探るため、新聞部に入部している。瞬と一緒に活動できることを純粋に楽しんでいるフシがあり、高橋征二自身は「三人吉三」に直接的な恨みがあるわけではない。

吉田 桜 (よしだ さくら)

庚申丸高校美術部の副部長を務める女子生徒。半年前、自宅が火事で全焼。その際、幼なじみを亡くした。その時の後遺症により左手が開かないが、怪我によるものではなく、精神的なものが原因とされている。想いを寄せていた幼なじみを亡くした心の傷は深く、学校でも孤立気味。美術室の怪現象について「三人吉三」に依頼の手紙を出す。

初代お坊吉三 (しょだいおぼうきちさ)

5年前、庚申丸高校の生徒として「三人吉三」を創り、現在の「和尚吉三」と共に活動していた初代の「お坊吉三」。自分たちの後継者を育てると提案した「和尚吉三」の身を案じ、3代目「三人吉三」に代替わりした頃に様子を見に来るとの約束を果たしに現れる。

文里 (ふみさと)

4代目「お坊吉三」を襲名した庚申丸高校の男子生徒。その身のこなしの軽さを買われて安森慎太にスカウトされたが、スパルタ教育に耐えられず、涙目で逃げ回る毎日を送っている。一重と仲が良く、何かと泣きつきにいっている。

一重 (ひとえ)

4代目「お嬢吉三」を襲名した庚申丸高校の女子生徒。新聞部に在籍している。吉田桜の協力を受けて制作した似顔絵から、2代目「弁天小僧菊之助」の正体を明かすべく尽力している。

集団・組織

三人吉三 (さんにんきちさ)

歌舞伎の小悪党の名を借りて庚申丸高校の学校内を騒がせる義賊。年長者でありリーダー的存在の「和尚吉三」、若きチンピラ的存在の「お坊吉三」、紅一点の「お嬢吉三」の3名で構成されており、5年前から活動が続けられている。「和尚吉三」以外の2名は学生であるため、代替わりする仕組みになっている。生徒からの依頼を受け、小さな盗みを行ったり、校内で不人気な教師を成敗することなどが主な活動内容で、生徒の間では人気が高い。 彼らへの依頼は、校舎裏の使われていない焼却炉に手紙を入れておく形で行われる。

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