概要・あらすじ
とある中学校の2年1組を担任する高本ゆかりは、生徒たち全員に「愛芽(まなめ)」を配る。愛芽とは、道徳学習の一環として人工的に作られた小さな子どものような植物である。中学2年生の生徒は、1年間、愛芽の世話をし、共に生活することで優しさや思いやりを学ぶのだ。中山葵は、配られたパンジーの愛芽に名前をつけてあげようと悩んでいた。そのまま「パンジーちゃん」、黄色いから「きーちゃん」などが候補だったが、結局、黄色と黒が寅の色であることから「寅之介」に決めた。周囲はその名前に違和感を覚えるが、当事者の愛芽はすごく嬉しそうである。そんな様子を見た高本先生は、「お互いがいいなら良い」と優しく微笑むのであった。
登場人物・キャラクター
中山 葵 (なかやま あおい)
中学2年生の男子。クラスは1組で、担任は高本ゆかり。鼻のあたりのそばかすが特徴。パンジーの愛芽「寅之介」とともに、1年間を過ごす。好きな食べ物はカキフライ。
高本 ゆかり (たかもと ゆかり)
中学校教師の女性。2年1組の担任で、アサガオの愛芽「ひなた」を育てる。昨年は副担任であり、今年初めてクラスを受け持つ。1年後、愛芽は修了式で土に還るため、子どもたちをどう元気づけようかと悩む、心優しい先生。
その他キーワード
愛芽 (まなめ)
道徳学習のため人工的に作られた動く植物。パンジー、アサガオ、マツ、たんぽぽ他、あらゆる植物がベースになっている。外見は小さな子どもに似ている。大きさはハムスターと同じぐらいで、重さはスマホ程度。肌はきめ細かく、シルクのような手触りである。通常の植物より脂肪分は多いが、その他詳しい成分は明かされていない。中学2年生の生徒に配布され、生徒たちと1年間を暮らし、最後は土に還る。