まんが極道

漫画業界や同人誌界にうごめく、漫画家・編集者・アシスタント・同人誌作家たちを、虚実取り混ぜて戯画化して描いた、毎回一話完結のギャグ漫画。80話で終了したが、題名を『まんが家総進撃』と変えて継続している。

正式名称
まんが極道
作者
ジャンル
作家・漫画家
レーベル
ビーム コミックス(アスキー、KADOKAWA)
関連商品
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概要・あらすじ

漫画業界や同人誌界で、人々が起こしたエピソードや起こりそうな話を、虚実取り混ぜて過激に戯画化して毎回完結一話16ページのギャグ漫画として描いているため、特にあらすじは存在しない。しかし、それぞれの話で、同一の雑誌や漫画家・編集者・アシスタント・同人誌作家などが登場するため、ある作家の栄枯盛衰や苦難に打ち勝ち栄光を掴んだ姿が読み取れる。

また、出版不況と様々な規制、インターネットによって変転しつつある漫画業界の姿も見えてなくもない。

登場人物・キャラクター

烏岳 和夫

第2話の主人公で、以後、いろいろな回に登場。本名の烏岳和夫は、第25話で明らかになる。「週刊少年青虫」連載の大ヒット漫画『あぶらげくん』の作者。インターネットの中傷でスランプになるが、半年の休載後、編集者に「手を抜いて軽く描いて」などと言われ、鉛筆のラフ描きのような原稿を渡す。 「少年青虫」は仕方なくそのまま載せるが、思いもよらず読者はこれを受け入れる。気を良くした天狗岳は、キャラをすべて「へのへのもへじ」にしてしまう。しかし人気はさらに上昇し、『あぶらげくん』は累計数千万部を販売、アニメ化・ドラマ化・グッズ化・パチンコ化と展開し、メガヒット作品になる。テレビに出た天狗岳は、この手抜きでも大ヒットを「テングダケ理論」と名付ける。

夢脳 ララァ

第4話の主人公。以後いろいろな回に登場し、おそらく最多登場キャラ。ベレー帽でお下げ二本のメガネ娘。凄まじく絵が下手だが、漫画家志望。やたらと自分の漫画に自信がある。持ち込みをして、作品を全否定されるが、ふとしたきっかけで編集者とベッドを共にし、その上、好条件が重なって「少年赤虫」に読み切りで『黒バラ男汁』が載る。 以後、枕営業で様々な編集者と関係を持つ事になる(ただ、その後作品が掲載されることはない)。後の話に登場した時は、アシスタントをしたり、同人誌サークルに参加するなどしている。夢脳ララァはペンネームで、本名・年齢は不明。『まんが家総進撃』の4話でララァは実家に帰るが、その際、母が呼ぶ彼女の本名の文字に、モザイクがかけられていた。 ゾル山浩や山本屑男とは、漫画家志望者仲間である。

迷中 マリ

第6話の主人公。「月刊少女青虫」に、単行本売上一千万部突破の『信じれば愛×2』(ラブラブ)を連載中の少女漫画家。しかし彼女は新興宗教団体「善人信仰会」の熱烈な信徒で、朝昼晩に「よいひと様」の御言葉を受信して漫画を描いていた。御言葉に従った漫画は、どんどん性描写が激しくなっていき、それに合わせて人気も上昇していくのだった。 色々あって、その後「善人信仰会」はまったくの詐欺団体と判明し、広告塔であった迷中マリもバッシングを受ける。だが、ほとぼりが覚めた頃、自分の新興宗教団体「幸せと大地の家族」を立ち上げる。ライバルは「月刊少女青虫」創刊以来、30年以上も連載が続いている人気作『聖アレキサンドリア学園の灯』(ともしび)の作者、若乙女命(わかおとめみこと)。

山本 孫太郎

第7話・14話・40-41話(前後編)の主人公。第7話では、飛ぶ鳥を落とすほどの売れっ子漫画家で、「週刊少年青虫」に『ごわごわくん』を、「YOUNGコガネムシ」に『かつぶし番長』を連載し、前者は累計五千万部の販売実績を誇る。しかし、アシスタントや、妻に暴力を振るったり虐待を行うような性格破綻者であった。 特にアシスタントに対しては、食事はカップ麺のみ、トイレは一日一回、作画ミスをすると罰金を科し給料から天引など、悪鬼の如き所業に及ぶ。第14話の頃から人気に陰りが生じ、第40・41話で雑誌連載をすべて切られ、ゲームのコミカライズの仕事も失敗して転落していくさまが描かれる。第74話で、その後の姿が少しだけ登場する。

トビムシひろし

第7話の主人公、以後いろいろな回に登場。「少年ガガンボ」で『萌えロリメイドののたん』というヒット作を連載する中堅漫画家。気晴らしにライブに行き、触発されて若いフリーターたちとバンド活動を始め、印税で高い機材を購入してあげたりする。音楽活動にのめり込むあまり、「俺はロックだ、精神までオタクに売り渡しちゃいねぇ!」と編集者に啖呵を切る。 が、バンド仲間は下手なトビムシを切り捨て、メジャーデビューを決める。愕然としているうち、前に切った啖呵のせいで、連載打ち切りとなってしまう。その後『新・萌えロリメイドののたん』で復帰した(第73話)。第62話の「20年後の世界」では、行方不明になっている。

晴山 ノイズ

第9話に登場。『僕は貧乏で童貞』でデビュー、マイナー漫画雑誌「コミックひよけむし」で『貧乏くん』を連載。その後突如「週刊少年青虫」で『低所得労働者くん』を連載開始。あっという間に人気が出て、ドラマ化・アニメ化・宝塚とメディアミックスする。生活弱者の心情を理解する人かと思いきや、資産家の息子で美男子で美人女優と結婚するような人間だった。 「『低所得労働者くん』はファンタジーとして描いた」と、テレビのインタビューで発言した。第74話では「自分は漫画家というよりアーティスト」と言う。

ゾル山 浩

第10話の主人公。ハードSFフアンで設定馬鹿。好きな作家はグレッグ・イーガン。物語やキャラクターの面白さより、一般が理解できない世界観や宇宙の構造や作中ギミックの設定に精魂を費やす。一般受けをかたくなに拒むため、読み切りは載るが連載をもらえない。その後、第74話でやっと「月刊ガガンボ」で連載を勝ち取るが、4回めで打ち切られる。 タイトルは『ウロボロスの鰻』。夢脳ララァや山本屑男とは、漫画家志望者仲間である。

山本 屑男

第11話の主人公。漫画家志望者だったが、「30までにモノにならなかったら家業を継ぐ」約束を父と交わしていた。蓑虫町へ帰省して、東京暮らしをもう1年伸ばしてもらおうとしたが、許されずそのまま実家の「象亀の甲羅磨き」を継ぐ事になる。第66話でもう一度主人公になり、東日本大震災の発生に対し「これで東京はおしまいだ、地方に戻った俺の勝ちだ」などと叫ぶ。 夢脳ララァやゾル山浩とは、漫画家志望者仲間である。

大月 春幕

第19話の主人公。ギャグ漫画家で、1本あたりのページ数は少ないが、月30本の締め切りに追われている。ギャラを払う気のないウェブ漫画サイト運営者からの仕事依頼や、編集者の理不尽なネーム変更など、多くの迫害を受けている。ギャグ漫画に対する情熱とプライドは人一倍で、手抜きのギャグやパクリを厳しく批判する。 が、自己批判も多く、大勢の自分と討論しながら(脳内で)作品を作ったりする。第47話では、ギャグ漫画の単純な線を一般読者は「ヘタ」と見るとして、シリアス路線に移行したギャグ漫画家甘照ウシオ(あまてらすうしお)を、飲み屋で説教して殴る。さらに第54話では、成人向け漫画家たちと編集者の自己規制について怒るが、最後には担当編集者からものすごく理不尽な規制を命じられる事態に陥る。

夷藤 アラザン

第22話の主人公。夷藤は「少年蛆虫」にまるっきり『あぶらげくん』そっくりの『あつあげBOY』を持ち込む。編集者たちは「パクリじゃないか」と怒るが、夷藤は「オリジナルです」と悪びれもせず言い切る。結局、編集長の「よし連載だ」の一言で掲載が決まり、パクリについてまったく気にしない一般読者の支持を得て、大ヒットとなる。 気を良くした編集部は「法的に問題ない範囲で」どんどんパクることを奨励するが、『あぶらげくん』は作者の事故死で終了する。夷藤は「描くべきことは描いた」として引退しようとするので、編集長は『ざざ虫くん』をパクらせて人気を維持する。その後『ざざ虫くん』の作者も自殺してしまうが、その都度、新しいパクリ元を見つけて、作品を継続させていった。

蓑竹 ヨブコ

第25話に女性漫画家志望者として初登場。同人誌「LEGEND」躍進の推進力となって作品『薔薇の伝説』を執筆していたが、漫画サークルに売り子として入ってきた小路町たなごの策略で追い出される。第26話で、別のサークルに入会するも、メンバーがまったく漫画を描かず馬鹿話しかしないことに激怒しているうちに手違いでメンバーを殺傷、刑務所に10年服役する。 第32話で女ばかりアシスタントに使う亀島洞洞(かめしまどうどう)のアシスタントになり、強姦されかかるが事なきを得る。第38話で雑誌「青虫SG」(サナギ)で、デビューしたことが判明する。第61話で初めて主役になり(31歳になっている)、悪人に騙されアダルトビデオに出演させられたりするが、全てをコヤシにして漫画を描き続ける。 『まんが家総進撃』第6話の冒頭で、「少年青虫SG」連載の『真・薔薇の伝説』という作品で、大人気作家の仲間入りを果たしたことがわかる。

息鳴 雲留

同人作家で、壁サークル主宰者。ヘラヘラしていて、とても口が悪い。年2回の同人誌即売会、コミプ(コミック頒布会の略)で、一番人気のある漫画を見抜く力を持ち、そのエロ同人誌を高額の利益を上乗せした上で売って大儲けしている。第14話で、山本孫太郎虫のピンチ時アシスタントとして初登場。 第16話でエロ漫画家、胎中マル太(たいなかまるた)の恩人として再登場。そして第29話で主役となり「漫画は金儲けのツール」と叫び、いかに儲けているかを誇る(結末で詐欺にあったりするが)。第34話、トレースやコピーで漫画を作成してヒットさせた佐藤折佐馬(さとうおれさま)の回では、折佐馬の作品をコピーしてエロ同人誌を作り、みんなの溜飲を下げた。 第74話でちょっと登場し、あいかわらず大言壮語を吐くが、青虫社の法務部から訴訟を起こされて数千万円の罰金の支払いを命じられる。

干野 ギミノリ

「20年と少し未来―」で始まる「老後」シリーズ(2031~3年ころの話)の主役級人物。第62話第71話第77話、そして『まんが家総進撃』の第16話と第25話の5回にわたって続いている。70歳過ぎの同人漫画家で、母親(90歳)の年金で生活している。20年後もまだ続いているコミプ(コミック頒布会の略)に、老人同人仲間の逆富士イヌヒコ(さかふじいぬひこ)・真江張ゾウタロウ(まえばりぞうたろう)とサークル参加し、真江張が描いた『ねこ女ミャオちゃん』のエロ同人誌を売る。 母親を虐待したり深夜大声で騒いだりするほか、プロ作家を否定しているにも関わらず、孤独死した真江張の作品が出版されるときに自分の著作名義にしようとした最低の人間。 どんどんひどい目にあっていく。

イベント・出来事

コミック頒布会

『まんが極道』に登場するイベント。大型施設を借りきって、同人誌を頒布する。夏と冬の年2回開催。作品中では2030年を過ぎてもまだ開催されており、その頃の開催日数は5日間になっている。60歳以上のサークルは隔離され、若い娘たちから「じじ島」と呼ばれ嫌悪されている。

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