概要・あらすじ
6年ぶりに東京の実家に帰ってきた10歳の少女、上条茜は、堅苦しい都会の生活になじめず孤立する。また、豪邸で贅沢な暮らしをしていた上条家だったが、パパの事業の失敗により、一家を取り巻く環境は激変していく。そんななか、茜は転校した白樺学園でも厳しい規則に反抗して次々に騒動を起こしてしまい、一度は退学処分となってしまう。
しかし、茜は理事長の息子と仲良くなったことで運よく復学が叶う。そして、理解ある担任教師の指導を受けて、茜は学園乗っ取りをたくらむ一派の陰謀を粉砕するために、「全国テスト大会」での成績上位を目指して猛勉強に励むのだった。
登場人物・キャラクター
上条 茜 (かみじょう あかね)
上条家の三女として裕福な家庭に生まれるが、4歳の時に病気療養のため叔父の上条草介が住む紀伊地方の田舎に預けられる。明るく元気なおてんば娘で堅苦しいことは大嫌いな頑固な性格。叔父から習った木登りと催眠術が得意。指人形の「カンナ」を大切にしている。
上条 草介 (かみじょう そうすけ)
上条茜の叔父で、紀伊の田舎で暮らす独身画家。茜を4歳の時に引き取り、6年間紀伊地方で一緒に暮らした。大自然に囲まれた海辺の小さな小屋での貧乏暮らしという、大富豪の兄一家とは正反対の環境。茜に木登りや催眠術を教えた野性味あふれる中年男性。イタリアへの絵画留学経験がある。
パパ
上条茜の父親で、大きな船舶会社の経営者。数多くの召使いや料理人たちを雇って家族と豪邸に住んでいる。仕事に追われて毎日忙しくしているが、たまに故郷の紀伊地方のことを思い出し、自由気ままに暮らす弟の上条草介をうらやましく思っている。
ママ
上条茜の母親で、上流階級出身の上品な女性。茜を上条草介に預けることに反対したが夫に押し切られたことを根に持っている。草介とは性格が合わず、彼に育てられた茜のあまりのおてんばぶりにも、かんしゃくを起こしている。
上条 蘭子 (かみじょう らんこ)
上条家の長女で上条茜の姉。メガネをかけたインテリ風の、白樺学園の高等部に通う高校生。母親に似て、いつも乙に澄まして冷たい性格。上条家が没落してからは派手好きに拍車がかかり、不良と付き合うようになってママと毎日口喧嘩するようになる。
上条 華子 (かみじょう はなこ)
上条家の次女で上条茜の姉。白樺学園の中等部に通う中学生で大人しい性格。しかし、上条家が没落してからは毎日レコードをかけてダンスを踊る、派手で生意気な性格に変わってしまう。
上条 さくら (かみじょう さくら)
上条家の四女で上条茜の妹。茜に懐いている、就学前の幼い女の子。茜が指人形のカンナを使った腹話術でおとぎ話を聞かせてくれるのを楽しみにしている。
理事長 (りじちょう)
白樺学園の理事長。早朝に薪割りしたり、新入生の上条茜と忍者ごっこをして遊んだりする飾らない性格の温厚な好々爺。茜の良き理解者の1人で、封建的な学園運営を主張する園長にいつも怒鳴られてばかりいる。
園長 (えんちょう)
白樺学園の園長。学園の生徒はかくあるべしという確固とした教育理念を持った頑固な中年女性。ヒステリーな性格で、転入早々に次々と騒ぎを起こす上条茜に憤慨し、彼女を学園から追放しようと画策する。
佐山 雄三 (さやま ゆうぞう)
上条茜の成績が最悪なのを心配したママが雇った茜の家庭教師。着任早々、茜のいたずらで散々な目に遭わされる気の毒な青年。
津田 (つだ)
白樺学園小等部の教諭で、上条茜が転入した4年2組の担任教師。学園の封建的な体制に異を唱える熱血漢で、茜の良き理解者となる。全国テスト大会では茜と北小路秀麿に猛勉強の特訓を施す。
北小路 秀麿 (きたこうじ ひでまろ)
白樺学園の創立者の孫で、現PTA会長の息子。オカッパ頭でいつも鼻を垂らしているちょっと頭の弱い男の子。上条茜のクラスメートとなり、彼女のことを大好きになってしまい、大騒動を巻き起こす。
徳川 義昭 (とくがわ よしあき)
白樺学園小等部の男子生徒。良家の師弟で上条茜のクラスメート。まじめでもともと頭が切れるうえに勉強が大好きで、普段から予習復習を欠かさないという優等生。茜とは最初反目し合うが次第に仲良くなり、茜たちとともに「全国テスト大会」に選抜される。
鬼山 (おにやま)
白樺学園の教頭。学園乗っ取りを画策する反理事長一派の1人で、理事長や園長を失脚させる陰謀をたくらんでいる悪徳教師。計画の邪魔者である上条茜を目の仇にしている。
粟野 慾馬 (あわの よくま)
北小路家に仕える老執事で、いつも羽織袴姿をしている。北小路会長の忠実な部下を装っているが、内心では白樺学園の乗っ取りをたくらむ悪人。計画の邪魔者である上条茜を目の仇にしている。
北小路会長 (きたこうじかいちょう)
北小路秀麿の父親で、大手電気会社の社長であり白樺学園のPTA会長でもある大富豪の名士。息子の秀麿を溺愛し、過度な親バカぶりを発揮する。秀麿の対応をめぐって、上条茜には毀誉褒貶の極端な対応をみせる。
チビ
上条家で飼われているセントバーナード犬。病気で死にかけていたが、上条茜のおかげで元気を取り戻す。茜を主人として慕うようになり、彼女が疲れた時は背中に背負って歩くほどの忠犬ぶりを発揮する。
場所
白樺学園 (しらかばがくえん)
良家の子女ばかりが通う小中高一貫教育の私立学校。北小路秀麿の祖父が創立者で、都内きっての名門校であり、「全国テスト大会」の上位常連校として全国的にその名が知られている。
その他キーワード
全国テスト大会 (ぜんこくてすとたいかい)
文部大臣の主催で、毎年東京で開催される大規模な模擬試験大会。東京の有名大学の広い講堂で行われ、全国の学校の優秀な生徒が参集する。会場では30名もの試験委員が監視の目を光らせるなかで、国語・数学・理科・社会の4教科合計400点満点で競われ、翌日に成績が発表される。