異世界×遊郭の幻想和風ファンタジー
孤独に生きてきた少女のエソラが、見知らぬ異世界の遊郭「相模屋」に買われたことから物語が始まる。相模屋の相模八尋から一番の遊女になるよう言われたエソラは、彼に反発しながらも異世界でさまざまな人と出会いながら、日々の生活を送っている。そんなエソラの成長や恋愛模様が、ヒューマンドラマやラブコメディを交えながら展開される。舞台となる異世界は昔の日本に実在した花街をモチーフとしているが、魚が宙を泳いでいたりと、幻想的な和風ファンタジーの雰囲気を漂わせている。
顔を隠した謎多き楼主×捨てられた薄幸美少女
ヒロインのエソラは両親がおらず家を転々としていたが、保護者から捨てられ神社で倒れていたところを、異世界の人買いに売られてしまう。過酷で孤独な人生を歩んできたエソラは、気が強い一方で他人を思いやる優しさを持ち、やがて遊郭で出会った人々と交流を深めていく。そんなエソラに遊女として生きるよう命じた相模八尋は、いつも顔を布で覆い隠した謎多き青年。八尋の秘密や素顔、エソラを買った真意などが、ストーリー進行と共に明らかになっていく。
さまざまなことを学び成長していくエソラ
当初は相模八尋に反発し、遊女として体を売ることを拒み続けていたエソラだったが、稽古や勉強にはまじめに取り組んでいる。その過程で遊郭「相模屋」の遊女や常連客とかかわる機会も増え、重い病で引きこもっていた遊女の上善の心の扉を開けるなど、人々を手助けしている。そんなエソラは相模屋で過ごす毎日を通してさまざまなことを学び、成長していく。また、当初は嫌悪していた八尋との交流を重ねることで彼の存在が大きくなり、彼への思いも変化することとなる。
登場人物・キャラクター
エソラ
現代日本で暮らす女子高校生。幼少期に親を亡くして家を転々としながら孤独と向き合って生きていたが、保護者にも捨てられ居場所を失っていたところ、知らない異世界の花街に転移する。この時点で何者かに売られて異世界の遊郭「相模屋」に買い取られ、主人である相模八尋に花魁として生きるよう命じられる。体を売ることは拒んでいるものの、三味線の稽古や勉強はまじめに取り組み、相模屋の花魁たちとも交流を深めていく。飢えた経験が何度もあるため、食い意地が張っている。
相模 八尋 (さがみ やしろ)
異世界の住人で、遊郭「相模屋」の主人を務める男性。銀髪で黒っぽい和服をまとい、両耳にピアスをしている。一つ目が描かれた布でつねに顔の半分を隠している謎多き人物。現世からエソラを買い取り、自らの遊郭に住まわせ、一番の花魁になることを彼女に命じる。その真意や目的は不明で、自らの素顔も頑(かたく)なに見せようとしない。だが、相模屋でエソラが最高位になった暁には顔を見せることを彼女に約束している。「ルリ」という女性の写真を大切に持っている。
書誌情報
みにくい遊郭の子 6巻 一二三書房〈ラワーレコミックス〉
第1巻
(2022-10-05発行、 978-4891998677)
第2巻
(2022-10-05発行、 978-4891998684)
第3巻
(2023-05-01発行、 978-4891999629)
第4巻
(2023-05-01発行、 978-4891999636)
第5巻
(2023-10-05発行、 978-4824200402)
第6巻
(2024-04-05発行、 978-4824201522)