概要・あらすじ
ケガレ神を退治し喰らうことで生きている御影小太郎は、その神喰らいの能力により、神に仇なす大罪人として民衆に嫌われており、一つ処に留まれずに旅を続けていた。そんな旅の途中、彼は天音という巫女と出会い、彼女の社に宿っていた大口真神を喰らう。天音は、これにより真神様が汚れから救われたと感謝し、小太郎の旅に同行することを決意。
こうして2人は、行く先々でケガレ神と戦う旅を続けていくこととなる。
登場人物・キャラクター
御影 小太郎 (みかげ こたろう)
神喰らいの能力を持つ青年。その能力から神に仇なす大罪人として人々に忌避されており、ケガレ神を喰らいながら放浪の旅を続けている。戦闘時は自身の持つ勾玉に宿した天之御影神の力を利用し、ケガレ神を退治する。柔らかい物腰の思慮深い性格の持ち主で、考えていることをなかなか口にせず、苦笑で誤魔化すことが多い。
天音 (あまね)
代々大口真神を祀る社の巫女を務めてきた家系の少女。何者かに社を壊されてしまい、信者も足が遠のき苦労していたなかで、御影小太郎と出会う。真神がずっと自分たちを守ってきてくれたと信じ慕っており、社を再建することで今度は自分が真神を守ろうとしている。はっきりとものを言う性格で、雛姫とは口論になることも多い。
大口真神 (おおぐちのまがみ)
天音が巫女を務める社に長い間祀られてきた神。何者かに社を壊されたことにより、怒りに身を任せて人を喰らい身を汚してしまった。以降はケガレ神となって人々を襲い、胴体や首を引き裂いて殺害している。巨大な狼の姿をしている。
雛姫 (ひなき)
黒髪長髪の付喪神の女性。御影小太郎の持つ勾玉に宿っている。ずっと小太郎の側にいると語り、行動をともにしている。天音とは折り合いが悪く、いつも口喧嘩をしている。非常に神力が強く、よほどの神相手でなければ引けを取ることはない。
彦佐 (ひこざ)
さおりの弟で、活発で行動力のある少年。両親は他界しており、さおりとの二人暮らし。たった1人の肉親であるさおりを大切に思っており、さおりが山神に供物として捧げられることが決まった際には、山の中に逃がそうと試みる。
さおり
彦佐の姉で、他人を気にかける優しい女性。村人が、娘を供物として捧げなければ山津波を起こすと山神から託宣を受けたため、差し出されることになった。1人で残されることになる彦佐のことが気にかかってはいるものの、自分が犠牲になることが彦佐を守ることにも繋がると考え、供物にされることを受け入れている。
猿神 (さるがみ)
娘の血肉を喰らおうとする神。巨大な猿の姿をしている。数人の村人を巻き込む山津波を起こし、生き残った人間に、娘を供物として捧げなければ再び山津波を起こすと託宣をした。今までは人を供物に要求したことはなかった。
橘 (たちばな)
竈大神を祀る社の神主を務める男性。過去、ケガレ神となった竈大神を御影小太郎に喰らわれ、神社も倒壊してしまった。竈大神はまだ存在していると信じており、その後3年かけて神社を修繕し、神を呼び戻すための儀式を行い、天音に神社の巫女にならないかと誘う。にこやかだが、力に強く執着する面を持つ。
竈大神 (かまどのおおかみ)
橘の神社で祀られていた神。橘の行き過ぎた想念が災いし、ケガレ神となった。長髪の痩せた男性の姿をしているが、3年前に御影小太郎に喰らわれて消滅。その際、神社は倒壊し神木も折れてしまった。
天之御影神 (あまのみかげのかみ)
御影小太郎が最初に喰らったとされる刀の神。現在は小太郎の身の内に力として宿っており、顕現時は刀の形をもって現れる。ちなみに小太郎は、どのような神であったかとの問いに「まあまあ美味かった」と答えている。
その他キーワード
神喰らい (かみぐらい)
最初に喰らった神の力を手に入れ、自身の力として使用できる者のこと。一般の人々には神に仇なす大罪人として忌み嫌われている。一方で、人の手に負えなくなったケガレ神は、神喰らいが喰らうことでしか暴走を止められない。なお、喰らわれた神は存在自体が消滅してしまう。
ケガレ神 (けがれがみ)
元々神であった存在が、感情に任せて人を殺めることで身を汚し、暴走した姿。一度汚れると浄化することは不可能で、暴走を止めるためには神喰らいが喰らう他に手はない。神は自身が汚れていくことに苦痛を感じるため、ケガレ神の中には喰らわれることを自ら望むものも存在する。