概要・あらすじ
警視庁・城西警察署に転属となった中年の警部・立花。食に対して強い愛情と豊富な薀蓄を持つ彼は、めしのはなし「めしばな」によって容疑者たちとの距離を縮めるめしばな刑事であった。事あるごとに「めしばな」を繰り広げる立花の影響によって、城西署の面々も己の薀蓄を披露するようになっていくのだった。
登場人物・キャラクター
立花 (たちばな)
城西署へと転属された中年の刑事。階級は警部。食に対して深い愛情と強い探究心を持っており、ファーストフードから駄菓子、レトルト食品などB級グルメを中心に幅広い嗜好を持ち合わせる。食の好みに関しては、味さえよければ斬新なものや奇抜なものも受け入れる、客観的スタンスである。豊富な知識と絶妙な語り口で放たれる料理の感想や薀蓄は巧みであり、目の前の人々に生唾を飲ませることもしばしば。 また、取り調べ中に容疑者に飯の話をすることで親身になることを得意としており、めしばなと陰ながら呼ばれることもある。竹早や児玉など数人の檀家を抱えてはいるが、めしばなについての情報しか流してこないため、仕事上役に立つことはない。 行動は一見自己中心的に見えることが多いが、自然と他人を気遣うことが出来る優しさも持ち合わせる。だが、薀蓄がうるさい、ギャグが寒い、食べ物のことしか考えていないことなどが欠点。かなりのヘビースモーカーであり、愛煙する銘柄はショートピース。
五島 (ごとう)
城西署・刑事課に所属する若手の刑事。裕福な家庭に育ったお坊ちゃんであり、小さな頃から高級料理を食べてきたために周囲と話が合わないことが多い。立花が城西署へと転属された後は彼と行動を共にすることが多く、立花のめしばなの良い聞き手となる。
村中 (むらなか)
城西署・刑事課に所属する若い婦警。冷静な性格で立花を中心とした周囲のめしばなに的確なツッコミを入れることが多い。しかし、本人も立花のめしばなに惹かれることや、また自分のめしばなを披露することもある。特に甘い物が好物で、後に立花を名誉顧問に置いた甘味部の設立メンバーとなる。
韮沢 (にらさわ)
城西署・刑事課に所属する刑事。階級は刑事課長。叩き上げの刑事であり、頑固な性格。めしは作るのも食べるのも早い方が良いという持論を持っている。食に対するこだわりも強く、しばしば立花と対立をするも、嗜好があった場合意気投合することも多く、仲は悪いわけではない。食べ物は昔ながらのものを好み、ラーメンの場合、流行の創作系ではなくシンプルな醤油ラーメンを一番とするなど、原理主義的傾向がある。 痔持ちであるため、辛い物は避けている。また、妻子がいるが現在別居中。
今野 (こんの)
城西署の副署長を務める初老の男性。権威主義者であり、上層部へのゴマすりを欠かさない。冗談好きという一面を持っており、そのせいで一度出世し損ねたことも。立花ほどではないが、人並みに食事に対して知識も情熱も持ち合わせており、めしばなに参加することもある。
並木 (なみき)
城西署の生活安全課に所属する婦警。ふくよかな体型をしており、立花を上回る大食い。ポテトチップスにこだわりが強い。村中の親友であり、共に甘味部を立ち上げることとなる。やや自分勝手な性格で、自分に甘い所が目立つ。
志波 (しば)
城西署に勤務する初老の刑事。下戸の甘党であり、特にアイスが好物でその知識は立花に匹敵するほど。関西出身ということもあり、近畿の食文化に詳しい一面を持つ。その他、辛党であったりマイナーな食品が好きだったりと、何かと立花と趣味が合うことが多い。
早川 (はやかわ)
一年間で700食以上のカレーを食す立花の友人。カレーを食するために仕事を転々とするというカレーを中心とした生活を送っている。カレーに対する知識は人並み外れたものであり、実食をする他、ネットでの情報収集に日々余念がない。その一方で自らの持つ情報をブログなどで外に出さず、友人などに教えるだけに留めているために「カレーをウンコに変える男」と立花に評されている。 基本的に立花の話の中でしか出てこない人物のため、五島や村中らから実在の人物か疑われている。
代々木 (よよぎ)
城西署・交通課所属の婦警。才色兼備でさっぱりとした性格の持ち主。白バイを乗りこなし、武道にも秀でている。当初は並木に敵愾心を持たれ対立していたが、後に村中を通して甘味部に所属することになる。並木に好意を抱いている。
中沢 (なかざわ)
五島の後輩で、交番に勤務する警官。小太りな体型で丸顔。過去に見たドラマの影響で刑事を志望している。後に立花の食事に対する姿勢に敬服し、彼を師匠と慕うようになる。
竹原 (たけはら)
立花に「めしの情報」を持ち込む檀家の一人。立花とは長い付き合いのようで、彼をタッちんと呼ぶ。主にラーメンについての情報を立花と共有することが多く、「天下一品」などのこってり系のラーメンを好む。言動や風貌は裏社会の人間そのものであるが、詳しい仕事などは不明。
児玉 (こだま)
元チンピラで、取り調べの際に立花とのめしばなを通して次第に改心していき、その後立花の檀家となった男性。好物は丼ものであり、チェーン店の新作から過去に消えて行った牛丼屋などについて立花と意見を交わす。後に沖縄に移住するが、なかなか馴染めていない。
富岡 (とみおか)
立花の知り合いの青年。普段は遺跡発掘のアルバイトをしている。イケメンだが物事に熱中しやすいで記憶力に乏しく、また何も考えずに行動する単純な性格でつかみどころがない、立花が苦手とする数少ない人物。食べ物の嗜好に関しては、素材の味そのものを楽しむ「素材派」であり、材料に手をほとんど加えずに食すことを好む。 その上、ハマり症なために一度気に入ると同じものしか食べないため、栄養面で親からも心配されている。
その他キーワード
めしばな【用語】
『めしばな刑事タチバナ』に登場する用語。「めしのはなし」を略した言葉であり、主に自らの持つ食事に関する嗜好や薀蓄などについての話を示す。当初は「めしのはなし」を通して容疑者と親身になる立花の異名だったが、次第に意味が変わっていった。
クレジット
- 原作
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坂戸 佐兵衛