妖怪たちが集う不思議な居酒屋
ひのがアルバイトをしている居酒屋「のんべれけ」は、深夜から営業を開始する立ち飲み屋。この店を訪れる客は、妖艶な美女や可憐な少女の姿をした妖怪たちばかり。店長の小舞姫は見た目は愛らしい幼女だが、実は戦国時代から生き続けるタヌキの妖怪。この店には人間の店員がひのとのぞみの二人だけで、今宵も美しき妖怪たちに囲まれながら、物語が展開される。
美少女たちが繰り広げる刺激的なハプニング
本作の最大の魅力は、キャラクター同士の少し過激で濃厚な絡みシーンにある。ストーリーとは無関係に、水着やバニーガール、浴衣、エプロンなど多彩な衣装を身にまとったキャラクターたちが次々とハプニングを繰り広げる。また、唾液や謎の液体にまみれ、時には肌を露わにしながら、美しく艶(あで)やかに絡み合う姿から目が離せない。
妖怪との出会いがもたらす成長
当初「のんべれけ」で働き始めたひのは、危険のない妖怪でさえも恐れ、ただ生活費を稼ぐために接客を行っていた。しかし、個性豊かな妖怪たちと日々接する中で、かつて人肉を食べたというエイリアンを前にしても冷静に対応できるほどの胆力を身につけていく。そして、誰もが忌み嫌う貧乏神と出会ったひのは、その孤独を理解し、自らの金銭的損失を顧みずに行動するようになり、人間として成長を遂げる。
登場人物・キャラクター
本金 ひの (もとがね ひの)
居酒屋「のんべれけ」でアルバイトをしている女子大学生。ピンクのショートボブヘアに、ぴょんと跳ねた2本のハネ髪が特徴。実は、無意識のうちに妖気を放ち、妖怪を惹きつける特異体質の持ち主。そのため、彼女が働く店で妖怪騒ぎが起こり、悪意なくして廃業に追い込んでしまう不運な過去を持つ。大学の先輩であこがれの存在であるのぞみに誘われ、のんべれけでアルバイトを始めた。彼女が放つ妖気は放置すると濃度が増し、危険な妖怪を呼び寄せてしまうため、常連の妖怪たちによる定期的な「妖気浄化」が欠かせない。しかし、その浄化方法は、妖怪たちに全身を舐められたり吸われたりするため、ひのにとっては毎日が過激なセクハラのような状況になっている。
のぞみ
ひのの大学の先輩で、居酒屋「のんべれけ」でアルバイトをしている女子大学生。青い長髪をポニーテールにまとめている。バイト探しに困っていたひのを見かね、彼女を店に誘った張本人。しかし、その店が「妖怪も飲みに来る店」であることを黙っていたため、ひのからは今も恨まれている。実はのぞみ自身も、弁天を祀る神社の家系に生まれたため、幼い頃から弁天にストーカーされている。ふだんは化粧っ気がないが、本気で身なりを整えると、誰もが見惚れるほどの美女に変身する。ひのに対して恋愛感情を抱いており、彼女が妖怪たちにかまけていると、嫉妬心を隠せなくなってしまう。
書誌情報
ようかい居酒屋 のんべれケ。 5巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2019-08-09発行、978-4065166086)
第2巻
(2019-11-08発行、978-4065173039)
第3巻
(2020-04-09発行、978-4065185100)
第4巻
(2020-09-09発行、978-4065200995)
第5巻
(2021-03-09発行、978-4065226568)







