概要・あらすじ
高校に進学した人気ウェブ小説家の氷室雪菜。自分が小説家のユピナだという事をいままで隠していたが、テレビに出演した事により、周りに顔が知られてしまった。もう高校生なのだからと、家に押しかけるファンに嫌な顔もせず、笑顔で対応する雪菜。人間観察の宝庫である学校で小説のネタを探していた雪菜は、中学の時より男女の距離が近いと気づく。
リアルが忙しくて小説なんて読んでいられない、という先輩の話を耳にはさんだ雪菜は、みんながもっと夢中になれる濃厚なラブを書かなくてはと闘志を燃やす。そこで、つい北見時雨に新しいラブミッションを頼もうとしてしまう。時雨は雪菜との交際を自分の父親に認めさせるため、ランクの高い別の高校に進学したのだった。3年間も離ればなれだと急に寂しくなってしまう雪菜。
そこへ時雨から「話があるから駅で待ち合わせしよう」と連絡が来た。駅で時雨を見つけた雪菜は、時雨に抱きつき、「私に大人のラブを教えなさい」と次のミッションを課す。ユピナが男の子と一緒にいた、と女の子たちが騒ぎ始めたため、証明写真のボックスに隠れる二人。雪菜が思う大人のラブは人前でキスをしたり、体を密着させる事だったが、時雨はそれが大人のラブだと思わない、と雪菜にキスをする。
キスしている写真が撮影されたが、そのままキスをやめない時雨。写真が出来上がり、オレは恋人のこんな顔を他人に見せたくないと、写真を雪菜に渡す。キス中の自分の写真は恥ずかしいものの、新しい世界が開けた雪菜。もっとドキドキしたい雪菜は「大人のラブ」を時雨に求める。
しかし時雨から「校則が厳しくて登下校中に恋人といちゃつくのは禁止されている。しばらくミッションはできない」と言われてしまう。私より校則重視なのかと怒る雪菜に、「会えない時間が愛を育てる。ラブのおあずけ。それが大人のラブだ」と言い残し、時雨は帰ってしまった。「ずっとミッション禁止なんて許さない」と叫ぶ雪菜を陰で見ていた時雨の弟、北見氷雨。
彼は良からぬ事を企み、新たな波乱を起こすのだった。
登場人物・キャラクター
氷室 雪菜 (ひむろ ゆきな)
私立六花高校に通う高校1年生の女の子。人気ウェブ小説家の「ユピナ」。黒髪のポニーテールだが、正面から見ると髪を下ろしているように見える。メガネをかけているが、目つきが悪い。末端冷え性で、中学時代は「絶対零度の雪女」と呼ばれ、恐れられていた。小説のネタになる人間観察が好きで、つい人の事をじっと見てしまう。自分が小説家のユピナだという事は長いこと隠していたが、テレビに出演した事により、周りにバレてしまった。 威圧的な男言葉で話す。恋愛経験がないため、北見時雨を脅迫し、疑似恋愛を重ねた末に恋人同士になった。
北見 時雨 (きたみ しぐれ)
氷室雪菜の恋人。高校1年生の男の子。成績優秀で顔も良く、外面の良い優等生。先生からの信頼も厚く、中学時代は生徒会長も務めていた。女子からモテるため、クラスの女子全員から告白させるゲームをして楽しんでいた。実は腹黒であったことを雪菜に知られ、疑似恋愛を強要される。ラブミッションを重ねるうちに雪菜と相思相愛に。雪菜との交際を父親に認めさせるため、ランクの高い高校に進学した。 高校でも入学早々、生徒会の書記を務めている。
霜月 晶 (しもつき あきら)
氷室雪菜のいとこ。高校1年生。小柄で可愛らしい顔をした男の子。イギリス人の血が混じったクォーター。モデルをしている。雪菜と同じ私立六花高校に通う。雪菜の事が好きで、一時期雪菜と付き合っていた事もある。雪菜の良き理解者で、一番の味方。中学時代、雪菜がウェブ小説家「ユピナ」である事を知っていた人物。
北見 氷雨 (きたみ ひさめ)
北見時雨の一つ下の弟。時雨と血のつながりはない。メガネをかけていて、左側をピンでとめている。昔から水野マミに惚れており、一度フラれているが、いまだにマミの事が好き。氷室雪菜にマミの制服の写真を送ってくれと頼む。悪巧みをするトラブルメーカーでもある。
水野 マミ (みずの まみ)
北見時雨の幼なじみ。高校1年生の女の子。氷室雪菜と同じ私立六花高校に通う。髪は肩にかかるくらいの長さで、両側をかわいいピンで留めている。霜月晶の事が好きで、積極的に晶に自分をアピールしている。かわいいがぶりっこで本性は黒い。以前は時雨の事が好きだった。
三白 (みしろ)
北見時雨の学校の生徒会長の女の子。ファンクラブがあるほどの美人でキレ者。ユピナの彼氏である時雨が小説のモデルを続けていないか、時雨を書記にしてそばで監視していた。