わたし(仮)

わたし(仮)

初恋相手の洲宮庵が記憶喪失になったことを運命的なチャンスと考えた平間撫は、庵の恋人である倉門詩緒を殺し、自分が詩緒になりすまして庵と交際するための計画を実行に移す。しかし、そこに謎の犯罪者集団「MAD DONKEY」が現れたことで、事態は思わぬ方向へ進んでいく。愛する男のためなら手段を選ばない美少女と個性的な登場人物たちが繰り広げる、彼氏乗っ取りサイコホラー。「マガジンポケット」で2019年7/10号から2020年4/1号にかけて配信された作品。

正式名称
わたし(仮)
ふりがな
わたしかっこかり
作者
ジャンル
サスペンス
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊4巻
関連商品
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あらすじ

彼氏乗っ取り計画

カフェでアルバイトをしている女子大学生の平間撫は、客としてやって来るイケメン青年の洲宮庵に恋をする。しかし、庵には倉門詩緒という美人の彼女がいた。ある雨の日、撫といっしょに歩いていた庵は、強風で倒れてきた材木で頭を強打して入院し、意識は戻ったものの記憶を失っていた。これを運命的なチャンスと考えた撫は、自分が詩緒になりすまし、庵と付き合うために彼氏乗っ取り計画を思いつく。詩緒を殺した撫は、記憶喪失の庵の前に詩緒に成りすまして現れ、恋人だと信じ込ませることに成功する。庵の記憶を取り戻すことに協力するふりをしながら、恋人として過ごす撫だったが、庵がアルバイトを無断欠勤したことを心配した女子高校生の与墨京が訪ねてくる。家の鍵をなくした京は、しばらくのあいだ撫、庵と共に暮らすことになる。そして、撫が邪魔者の京を排除するために行動を起こしたところ、庵が姿を消してしまう。

MAD DONKEY

平間撫は、いなくなった洲宮庵を捜している「MAD DONKEY」という謎の犯罪者集団からの接触を受ける。彼らも庵を捜していたため、撫は協力して庵を捜索することを提案し、MAD DONKEYのリーダーであるママと会う。どうやら庵は元MAD DONKEYの一員だったらしく、彼らは庵が倉門詩緒を誘拐して逃亡していると考えていたのだ。庵の彼女になるために詩緒に成りすましていた撫は、「佐藤しおり」という偽名を使って、自分をMAD DONKEYに入れてくれたら詩緒の居場所を教えると、ママに取り引きを持ち掛ける。その後、撫はMAD DONKEYの一員として活動するようになるが、ある時、ママに素性を怪しまれてしまう。そのピンチを救うために現れたのは姿を消していた庵だった。

庵との再会

洲宮庵と再会した平間撫は、庵とのイチャラブ生活を始めるための障害を排除するために、新たに行動を開始する。撫は、庵の幼なじみで同じ大学に通う四条式から、式と庵が育った孤児院の情報をつかむ。その孤児院の地下は、「MAD DONKEY」をあやつる秘密組織アリーバが運営する人肉食を楽しむための会場だった。孤児院に火を放ってアリーバを壊滅させ、ついに庵との生活を邪魔する者がいなくなったと考える撫だったが、式と再会した庵が失っていた記憶を取り戻す。

登場人物・キャラクター

平間 撫 (ひらま なでる)

能上帝応大学に通う女子大学生。人とかかわるのが苦手でやりたいこともなく、趣味は読書。資格の勉強とカフェでのアルバイトに追われ、地味なキャンパスライフを送っていた。しかし、カフェに客としてやって来る洲宮庵に思いを寄せるようになり、庵が記憶喪失になったことを機に、庵の彼女である倉門詩緒を殺して自分が詩緒に成りすます、彼氏乗っ取り計画を進める。それ以来、人が変わったような大胆な行動を起こし、庵とのイチャラブ生活を送るためなら手段を選ばなくなる。記憶を失った庵の前に「倉門詩緒」を名乗って現れ、自らを「しーちゃん」と呼ばせ、恋人として暮らし始める。「倉門詩緒」を捜している犯罪者集団「MAD DONKEY」の前では「佐藤しおり」の偽名を使い、ブルースからは「しおりん」の愛称で呼ばれる。

洲宮 庵 (すみや いおり)

倒れてきた材木で頭を打ち、記憶を失った青年。華奢な体型のイケメンで、倉門詩緒という恋人がいる。行きつけのカフェでアルバイトをしている平間撫に惚れられており、記憶を失っているために撫が詩緒を殺して、恋人に成りすましていることに気づいていない。携帯電話に謎の人物から送られてくるメッセージで脅迫され、自室にあった本物の詩緒の死体も処分した。のちに犯罪者集団「MAD DONKEY」のメンバーであったことが判明する。MAD DONKEYでのコードネームは「(仮)」。人肉食を行う秘密組織アリーバが孤児たちを食料として育てる施設で育った元孤児で、同じ孤児院で育った四条式を守るためにも、アリーバの壊滅をもくろんでいる。

倉門 詩緒 (くらかど しお)

洲宮庵の彼女。彼氏乗っ取り計画を進める平間撫によって殺された。実は秘密組織アリーバの会長である倉門賢三の娘。少女の頃に庵に一目惚れし、庵にアリーバの情報を提供することを条件に恋人となる契約を交わしていた。

与墨 京 (よずみ けい)

洲宮庵を慕う女子高校生。父親の与墨利馬が経営する店で働く庵が無断欠勤をしたため、心配して庵の家を訪ねた。何者かに庵の居場所を教えないと父親を殺すと脅されており、父親と庵を助けるために行動を起こす。学校では自分の意見をはっきりと言えずに守られる立場の女の子で、そんな自分を変えたいと考えている。ガム嚙む夫(仮)に対しては「与謝野ケイ子」という偽名を使っている。バニーフラッカからは、その黒髪から「昆布頭」と呼ばれる。

バニーフラッカ

犯罪者集団「MAD DONKEY」に所属する長身の男性。裸の上半身にサイズの小さい詰襟の学生服を着ている。初対面の相手が「鬼の権化」と感想をもらすほど、悪魔のような凶悪な顔つきをしている。洲宮庵を捜す任務を受け、与墨京に接触を図る。

ママ

犯罪者集団「MAD DONKEY」のリーダーを務める女性。メンバーからは「ママ」と呼ばれている。お面やマスクをかぶって顔を隠しており、右腕にはタトゥーを入れている。行方不明となった洲宮庵をMAD DONKEYに引き戻し、倉門詩緒を捕えたいと考えている。本名は「尾豆直美」。

ガム嚙む夫(仮) (がむかむおかっこかり)

犯罪者集団「MAD DONKEY」に所属する少年。本名は「速水涼太」。おかっぱ頭で、平間撫と会った際はガムを嚙みながら、「ガム嚙む夫(仮)」と名乗った。好きなものはゲームとガムとロック。偶然出会って一目惚れした与墨京には「田中ダイスキ」と名乗り、洲宮庵と初めて会った際は「格ゲーヤる夫」と名乗った。

ブルース

犯罪者集団「MAD DONKEY」に所属する男性。屈強な体格で、MAD DONKEYのアジトの門番をしている。いつも笑顔を浮かべており、スキンヘッドで頭部には多数の大きな傷がある。本名は「横田マルクス隆治」。

メアリー

犯罪者集団「MAD DONKEY」に所属する少女。山奥の施設に監禁されており、MAD DONKEYのハッキングを担当している。施設にはMAD DONKEYのメンバーが月に一度食料を運んでくるだけなので退屈しており、新メンバーとしてやって来た平間撫に退屈しのぎのゲーム勝負を申し出る。

四条 式 (しじょう しき)

能上帝応大学に通う女子大学生で、カードゲームを得意としている。幼い頃は、洲宮庵と同じ孤児院で育ち、孤児院を出たあとはしばらくのあいだ庵といっしょに暮らしていた。庵に思いを寄せており、いなくなった庵を捜し続けている。

倉門 賢三 (くらかど けんぞう)

人肉食を行う秘密組織アリーバの会長を務める男性。倉門詩緒の父親。洲宮庵と四条式が育った孤児院の地下に秘密の施設を作り、そこで世界各国の要人やVIPに人肉を振る舞っていた。行方不明になった娘の詩緒を捜している。

与墨 利馬 (よずみ としま)

与墨京の父親で、犯罪者集団「MAD DONKEY」に所属していた。組織でのコードネームは「フツメン」。見た目はふつうのオジサンで、自宅で死体となって発見される。

書誌情報

わたし(仮) 4巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2019-12-09発行、 978-4065181331)

第2巻

(2020-02-07発行、 978-4065181768)

第3巻

(2020-04-09発行、 978-4065186916)

第4巻

(2020-04-09発行、 978-4065193013)

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