概要・あらすじ
バンドブームに乗り、メジャーデビューが決まったロックバンドのSPEEDWAY。ギタリストの中島は、売れる歌を求める事務所と、本当のロックを追求したい自分の気持ちに折り合いをつけられず悩んでいた。そんな中島のアパートの部屋に、ある日ボブ・ディランが現れる。
登場人物・キャラクター
中島 (なかじま)
ロックバンドSPEEDWAYのギタリスト。眼鏡をかけたセミロングヘアーの青年。本当のロックを求めて常に苦悩している。高円寺の4畳半風呂なしアパートに住んでいる。
中島の彼女
中島の恋人で、大学時代から交際している。中島がボブ・ディランのファンになるきっかけを作った。いつでもクールな芸術家で、中島の唯一の理解者。
ジョニー
ロックバンドSPEEDWAYのボーカリスト。トサカヘアーがトレードマークの青年。レコーディングが迫ったある日、ファンの女性に刺されて大ケガを負う。その後復帰するも、あくまでもロックを追求する中島と意見の相違で決別する。
TOSHI (とし)
ロックバンドSPEEDWAYのベーシスト。所属プロダクションが自分のメンバーチェンジを考えていることを感じ取り、音楽をやめることをほのめかしたりする。
岩本 秀人 (いわもと ひでと)
中島がいるバンドSPEEDWAYと同時期にメジャーデビューしたGODのリーダー。戦略力と行動力に長け、バンドブームの終焉とともにテレビ番組の司会もやるようになる。
プロダクションの社長
元はグループサウンズのバンドメンバーだった。プロダクションの所属タレントは演歌歌手ばかりだが、バンドブームに乗りSPEEDWAYをスカウト。テレビの生放送で問題を起こしたSPEEDWAYに激怒し、解雇を言い渡す。
宇野 誠
コラムニスト。新聞の夕刊にSPEEDWAYを好意的に取り上げたコラムを発表する。
ボブ・ディラン
中島がロックと現実の狭間で苦悩するたび現れては歌を歌うが、その姿は中島にしか見えていない。中島が本当に必要なものを見つけた時に、去って行った。実在するミュージシャンのボブ・ディランがそのままキャラクターになっている。
集団・組織
SPEEDWAY (すぴーど・うぇい)
『アイデン&ティティ』に登場するバンド。中島がギタリストとして所属している。4人編成。悪魔とドライブという曲でメジャーデビューのチャンスをつかんだ。プロダクションを解雇されてからも、3人編成となって小さなライブハウスでライブ活動を続ける。
その他キーワード
ネオ・バンド・ブーム
『アイデン&ティティ』に登場するテレビ番組。SPEEDWAYをはじめ、バンドブームの時に活躍したバンド6組が出演。生放送中、中島がリハーサルの時とは違う放送禁止用語満載の歌詞を歌い始めたため、途中で電源が落とされSPEEDWAYは強制退場させられる。