アカシアの道

アカシアの道

支配的な母親から逃れたはずの女性が、母親にアルツハイマー型認知症が発症したことを機に、再び母親との生活を余儀なくされる。「子供の虐待」をテーマに、厳しいだけで愛情の薄かった母親を介護することにより、追い詰められていく女性の姿を描くヒューマンドラマ。「週刊漫画アクション」1995年9月19日号から11月28日号にかけて掲載された作品。

正式名称
アカシアの道
ふりがな
あかしあのみち
作者
ジャンル
親子
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概要・あらすじ

ある日、一人暮らしをしていた木島美佐子のアパートに、叔母が訪ねて来て、美佐子の母がアルツハイマー型認知症になったことを告げる。小学校の教師だった美佐子の母親は、教師としては優秀だったが、美佐子に対しては容赦なく暴言を吐く、支配的な母親だった。助けを求めるように、美佐子は母親の家に帰ることを、友人の小百合や恋人の沢木に告げるが、美佐子の本当の気持ちを理解してくれる者は誰もいなかった。

こうして美佐子は憂鬱な気持ちを抱えながら、アカシアに囲まれた、母親が住む古い団地へと戻ることになる。

登場人物・キャラクター

木島 美佐子

編集プロダクションに勤める20代後半の女性。美佐子の母がアルツハイマー型痴呆症を発症したため、何年も連絡を取っていなかった母親との生活を余儀なくされてしまう。母親の支配的な育て方がトラウマとなっており、自分に自信が持てず、何でも内にためこんでしまう性格をしている。

美佐子の母

木島美佐子の母親。長年小学校の教師を務め、離婚後も女手一つで美佐子を育ててきた。自分を捨てた夫である美佐子の父を憎んでおり、夫に似ている美佐子につらく当たってきた。退職して間もなくアルツハイマー型認知症を発症し、美佐子の世話を受けることになる。

叔母

木島美佐子の叔母で、美佐子の母の妹。母親と何年も連絡を取り合っていない美佐子を訪ねた。美佐子の母がアルツハイマー型認知症だと告げ、一緒に生活しろと半ば強制的に迫る。暗に母親と疎遠となっていた美佐子を責める様子を見せるが、たまに様子を見に訪れる優しい一面もある。

小百合

木島美佐子の幼なじみの女性。幸せな家庭を持つ主婦。母親の介護をしている美佐子を気遣い、気晴らしをさせようとする優しい性格の持ち主。しかし、自分が子供に対して深い愛情を持っているため、「母親は私が憎かった」という美佐子の言葉を理解できずにいる。

沢木

大手の出版社に勤務する男性。木島美佐子とは仕事を通して知り合い、恋人のような関係となった。美佐子の母の介護で疲れている美佐子の、唯一の心の拠りどころでもある。穏やかな性格ながら誠実さに欠けるところがあり、美佐子に対しても常に曖昧な態度を取る。

美佐子の父

木島美佐子の父親。美佐子が赤ん坊の頃に、美佐子の母と離婚した初老の男性。離婚後は美佐子とは会っておらず、美佐子も美佐子の父のことをよく覚えていない。優しくおとなしい性格だが、優柔不断なところがある。叔母から情報を得た美佐子と、のちに再会することとなる。

母親の昔の恋人

美佐子の母の昔の恋人。木島美佐子が古いアルバムから見つけた写真に、母親と一緒に写っていた男性。美佐子の母が20代半ばの頃に結婚を約束していた。ところが、老舗旅館の跡取り息子ということもあり、彼の両親に反対されて結婚できなかった、という過去がある。

川田 新一

コンビニでアルバイトする若い男性。ぶっきらぼうな態度をとるが親切で、徘徊していた美佐子の母を家に送り届けてくれたことがある。のちに追い詰められた様子の木島美佐子と母親の姿を目撃する。そこで自身も父親との不和を抱えていることを美佐子に打ち明け、お互いを理解し合う関係になる。

川田新一の父

川田新一の父親。外では温厚な人柄のエリートサラリーマンを演じているが、家に帰ると豹変し、暴言と暴力で妻と息子を支配する高圧的な男性。新一の高校入学時に酷い暴言を浴びせたため、キレた新一に半殺しにされたことがある。

加藤

人の好さそうな中年女性。団地で美佐子の母の隣に住んでいる。もともと美佐子の母親は、近所付き合いをほとんどしていなかった。そんな彼女の様子がおかしいと、叔母に連絡を入れた人物。親切で、美佐子の母親が木島美佐子の留守中に騒いだ時などは、申し訳なさそうに報告してくる。

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