概要・あらすじ
漫画家になることを夢見ている白石いつみは、子供の頃から泣き虫と赤面症を男の子にからかわれ続けてきたことから、男性を苦手としていた。ある日、漫画の中にイケメンの男性を登場させるための取材という意味も込めて、志望校である県立秋葉高校の見学に行ったいつみは、一色保というアウトサイダーの男子生徒と出会う。周囲から怖がられる存在の保だったが、垣間見えた彼の本当の優しさに、いつみは心惹かれていく。
やがて高校に入学したいつみは、保に接近しようと試みるが、番長グループと揉めている最中の保は、かたくなにいつみを自分から遠ざけようとするのだった。
登場人物・キャラクター
白石 いつみ (しらいし いつみ)
漫画家になることを夢見ている中学3年生の女子。受験勉強のかたわら漫画の執筆に精力を注ぎ、漫画雑誌に投稿をしている。泣き虫で赤面症なことを、小さい頃から男子によくからかわれており、これが原因で男性全般が苦手。県立秋葉高校に進学し、漫画研究クラブに入部する。周囲から恐れられているが、本当は優しい一色保に想いを寄せている。
一色 保 (いっしき たもつ)
県立秋葉高校に通う男子で、白石いつみの1つ年上。バイクが何より好きで、人と群れることを嫌う。寡黙で愛想がないことから周囲に誤解されることも多く、番長グループの過激な連中に目をつけられている。何かとちょっかいを出してくる彼らとはケンカに発展することもあるが、本当は正義感が強く、困っている人を見過ごせない心の優しいところがある。
白石 由紀 (しらいし ゆき)
県立秋葉高校に通う男子で、白石いつみの義理の兄。10年前に父親といつみの母親が再婚したので、血の繋がりはないが、兄としていつみのことを大切にしている。パーマがかった長髪に、眼鏡をかけたイケメンで、不思議な色気を持つ人物。成績も優秀なのだが、実は県立秋葉高校の不良を束ねる総番長の座に就いている。しかし、白石由紀本人は争い事を好まず、番長グループの一部の過激派が一色保と反目していることに心を痛め、事態の悪化を抑えようと心を砕いている。
斉藤 久美子 (さいとう くみこ)
白石いつみの中学のクラスメイトの女子で、いつみ、ノンノンと同じく漫画好きという共通の趣味を持つ友達。髪型はポニーテールで、眼鏡をかけている。気が強く言いたいことはハッキリと口に出すタイプだが面倒見も良く、泣き虫のいつみをいつもフォローしたり、叱咤したりする貴重な存在。
ノンノン
白石いつみの中学のクラスメイトの女子で、いつみ、斉藤久美子と同じく漫画好きという共通の趣味を持つ友達。いつみの描く漫画を高く評価しており、いつみの夢を応援している。おかっぱ頭が特徴。いつみや久美子とは別の私立の女子高を受験した。
高橋 良道 (たかはし よしみち)
白石いつみの中学のクラスメイトの男子。クラスの中でも一番のいたずら好きで、いつみに対しても何かとちょっかいを出しては、その反応を楽しんでいる。実はいつみのことが好きで、県立秋葉高校の合格発表の日に告白したが、卒業式に振られてしまう。
大道寺 桐子 (だいどうじ きりこ)
白石いつみが県立秋葉高校を見学した時に知り合った女子。その後、いつみと同じく県立秋葉高校に進学する。色気のある美人で、頭の回転が速くて弁が立つ。さらに実家が空手道場をやっていることもあり、大道寺桐子自身も相当の空手の腕を誇る。一色保に男らしさを感じて好意を寄せるが、最終的には身を引き、いつみの恋を応援する。
望月 貴志 (もちづき たかし)
県立秋葉高校に通う男子。一色保とは中学の時からの付き合いで、保にとって数少ない友達。漫画研究クラブの部長を務めており、絵の上手さには定評がある。何かと誤解されたりトラブルに巻き込まれがちな保を心から心配し、何とかして周囲との仲を取り持とうと心を砕いている。親が伊豆に別荘を持っている。
番長 (ばんちょう)
県立秋葉高校に通う男子生徒。番長グループを束ねており、総番長である白石由紀のことを尊敬している。番長グループの一部の過激な連中が一色保にちょっかいを出すことを苦々しく思う一方、不器用で誤解を晴らそうとしない保にも問題があると考えている。
集団・組織
番長グループ (ばんちょうぐるーぷ)
県立秋葉高校内の番長が束ねている不良グループ。一色保を快く思っていない一部の過激な連中が、保や漫画研究クラブに対して何かとちょっかいをかけることがあり、学内でもトラブルメーカーと見なされている。
場所
県立秋葉高校 (あきばこうこう)
白石いつみ、一色保らが通っている県立高校。バイクでの通学が許可されていたりと、校則はそれほど厳しくない。一部に不良学生がおり、番長グループ内の過激派が校内でケンカ騒ぎを起こす時もある。漫画研究クラブのレベルが高く、熱心に活動していることで知られている。
漫画研究クラブ (まんがけんきゅうくらぶ)
県立秋葉高校の部活動の1つで、望月貴志が部長を務めている。活動内容は文字通り漫画の執筆・制作で、部員の作品を集めて市民ホールで展覧会を開いたり、会報を作ったりと、精力的に活動している。特に部長の貴志の絵の上手さはプロ並みのレベル。部員ではないものの、貴志の友人ということで、一色保も漫画研究クラブに顔を出すことがある。