概要・あらすじ
エニコは学校の中で育ってきた、手先の器用な少女。学校では、本当の両親ではない大人の教師達を「お父さん」「お母さん」と呼び、多くの少年少女達が暮らしていた。ある日、エニコは転入生の少年、サイラスの世話係になる。読み書きができず、学校のしきたりも知らないサイラスの事を不思議に思うエニコだったが、それには事情があった。サイラスは生まれてからずっと両親といっしょに暮らしており、家の外に出た事もなければ、読み書きの事も教えられていなかった。ある日外の世界を見たくなったサイラスは、外出してしまったために警官に捕まり、学校で生活する事を余儀なくされたのだった。学校の事は何も知らないサイラスと、学校以外の事は何も知らないエニコ。二人は互いに異なる価値観に触れるなかで、次第に自分達を取り巻く学校という環境に疑問を抱くようになるのだった。