イオナ

イオナ

産休の代任教師として鴻ノ宮第一小学校5年4組にやって来た女五十嵐一女は、グラマラスな絶世の美女だったが、同時に超自分勝手な人格の持ち主だった。生徒とその家族と同僚の教師たちは、彼女の私欲とその場限りの思いつきに翻弄されていく。端整で洗練された絵で描かれた、基本的には一話完結方式の学園ギャグ漫画。生徒たちが高校生になった続編(番外編)が描かれたが、未完の上単行本化されていない。各話のタイトルには、洋画の題名が用いられ、原題も表記されている。

正式名称
イオナ
ふりがな
いおな
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

鴻ノ宮第一小学校5年4組に、産休の代任教師として五十嵐一女がやって来る。彼女はナイスバディな絶世の美女だったが、私利私欲第一で超自分勝手な人格の持ち主だった。一女は着任初日から二日酔いで遅刻し、教室で喫煙、下着にコートだけのあられもない服装で構内を歩きまわり、その上早退するという行動で生徒と同僚教師を驚愕させる。

その後も生徒の一人を意味もなくヒイキしたり、生徒たちに父親の性器を描かせて父親参観日に展示したりと、思いつきでやりたい放題の限りを尽くす。やがて、そんな彼女の底抜けの自由さに、生徒とその家族と同僚の教師たちは、次第に影響を受けていく。

登場人物・キャラクター

五十嵐 一女 (いがらし いおな)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の担任教師としてやって来た若い女性。紀伊という女性教師が産休を取り、その代任教師として赴任する(その後、紀伊教諭が五つ子を産んだので、その世話でずっと出てこれなくなった)。ナイスバディな絶世の美女で、いつもセクシーで高価そうな服を身に着けている。 バスト90㎝・ウエスト56㎝・ヒップ88㎝。私利私欲第一で超自分勝手であり、下品で毒を含む言葉を吐くが、権力や管理を嫌い、生徒たちを可愛いと思っている。酒は底なしに飲み、大食漢で、ところ構わずタバコを吸う。個人的な資産はさほど無いようで、生徒たちの親が営む店を回って食べ物や酒を巻き上げたり、髪のセットを無料奉仕させている。 それ以外は、校長を色仕掛けで操り、経費を使わせていた。静電気体質で、異常乾燥注意報が出る日は、身体に大量に静電気を蓄積し、周囲を感電させて回る。スキーは得意。名前とスリーサイズ以外の素性は一切謎で、転入届すら存在しなかった。

遠藤 秀 (えんどう しゅう)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の男子生徒。イオナの着任初日に、最初に遭遇した生徒。そのせいかはわからないが、以後イオナは秀をエコヒイキし続けた。わりと端正な容姿で、女子の人気も高いが、馬鹿正直で直情径行な面もある。父と兄(聖一)の三人家族で、母は秀が2歳の時に病死している。 田辺洋一は家が隣で、親友。ものすごく動物が好き(特に哺乳類)だが、家では何も飼っていない。イオナから上手なキスを伝授され、クラス中の男子に実践して伝導する。イオナと結婚したいと思っている。

田辺 洋一 (たなべ よういち)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の男子生徒。父はわりと大きめの企業に勤め、母はいつも太めの体型を気にしている。あまり頭が良くない。遠藤秀は家が隣で、親友。菊地まどかとは幼稚園からずっと同じクラスが続いている。頭が赤毛(母親と同じ)。

菊地 まどか (きくち まどか)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の女子生徒。クラス委員長で勉強ができて生真面目で口うるさく、強い権力志向を持ち、男女格差に非常に敏感に反応してやたらと怒る。家は小児科医院で、彼女を含む三姉妹と、医師である父(菊地文彦)、生真面目な母、口うるさい祖母と一緒に暮らしている。三姉妹の構成は、長女がさやかで高校生(遠藤秀の兄と同じ高校)、まどかが次女、三女があすかとなっている。 田辺洋一とは幼稚園からの幼なじみ。イオナを着任初日から嫌悪していたが、その後その自由な生き方に毒され、いろいろ暴走する。

藤田 哲也 (ふじた てつや)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の男子生徒。モヒカン刈り。クラスでは、クールなツッコミ役。遠藤秀の親友。母子家庭で、父は離婚して出て行った(哲也は父とときどき会っているが、父にはもう新しい家庭ができている)。母は生命保険の外交員をやっている。モヒカンは、哲也が赤ん坊の頃父が面白がってやってしまったのを、いまだに継続しているため。

高須 氏子 (たかす うじこ)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の女子生徒。不細工で性格もあまり良くない。『赤毛のアン』に影響され、「スージー」という呼び名を友人たちに強要する(「たかすうじこ」から「すうじ」を抽出した)。両親と七歳年下の弟(金時)の、四人家族で暮らしている。父は旅行会社の営業部の課長で、母は資産家の娘。 両親の顔の良いパーツをもらっている可愛い容姿の弟、金時がいる。小林君枝、菊地まどかと友人。自分そっくりのカンナという犬を飼っていて、遠藤秀がやたらと可愛がっている。

小林 君枝 (こばやし きみえ)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の女子生徒。小柄でメガネを掛けており八の字型の眉毛で、前髪をきっちり留めたおかっぱ。性格は弱気で、「バカ」と呼ばれることを恐れている。頭の回転は早い方ではない。父は理髪店をやっており、イオナの髪を無料でセットしている。両親と君枝の三人家族。高須氏子、菊地まどかと友人で、氏子と一緒にいることが多い。

増子 菜摘 (ますこ なつみ)

鴻ノ宮第一小学校5年4組の女子生徒。三つ編みの美少女。医者から運動を禁止されており、体育の時間はいつも見学だった。目立たないようにしていたが、イオナのおかげで徐々にクラスの仲間と行動を共にするようになる。「イオナ免職騒動」で、彼女もとんでもない状況を経験する。

折橋 (おりはし)

鴻ノ宮第一小学校の学年主任(作品後半では教頭になっている)。男性だが、非常に奇妙なオカッパ頭で、多くの人達から嫌われている。規則や一般的な社会的規範を重要視している。一番イオナの被害にあっている同僚教師。鴻ノ宮第一小学校に20年以上勤めている。名前や年齢は不明。イオナの遅刻・早退の際には、彼が5年4組のホームルームを担当させられる。 校長がイオナの色仕掛けに陥落し、経費でやりたい放題させていた頃は、ものすごく苦労していた。妻と息子との三人家族。息子の学は高校生で、髪型のせいで父を嫌っている。

大関 武男 (おおぜき たけお)

鴻ノ宮第一小学校の教師。理科担当で、理科準備室の管理を担わされている。5年3組の担任教師。丸メガネをかけ、ボサボサ頭で、いつも鼻の下にヒゲ剃りあとがある。イオナにいつもお茶を入れている。折橋主任の命令で、イオナを調査した際、採用を決めた校長が、履歴書ではなく奇妙な紹介状だけしか持っていないことを知って愕然とした。 イオナから、「武男」を「ブオトコ」と読まれたことがある。イオナにかしずいたり、なじられたりすることに、少し快感を覚えるようになっていく。

三木野 り平 (みきの りへい)

鴻ノ宮第一小学校の校長。イオナの色仕掛けに陥落し、経費でやりたい放題をやらせていた。また、イオナの採用を決めたとき、履歴書ではなくピンナップのような彼女のカラー写真に名前とスリーサイズだけ書かれた「紹介状」という書類だけで、許可を出していた。同じ顔をした妹、三木野りへ子がおり、スキーロッジと温泉施設・鴻ノ宮健康ランドのオーナーをやっている。 兄妹ともに還暦を迎えている。

遠藤 (えんどう)

遠藤秀の父親。企業に製図技師として勤務しており、「主任」と呼ばれている。工場のポンプや圧搾機界の設計図を書く業務をしている。名前と年齢の詳細は不明。割と男前で、中肉中背。泣き上戸。秀が2歳の時に妻が病死して以来、再婚もせず男手ひとつで二人の男の子を育ててきた(もっとも、家事はほとんど長男の聖一が行っている)。 三者面談などでイオナと出会い、好意を抱いてしまい、プロポーズをする。

宍戸 順基 (ししど じゅんき)

総合週刊誌『週刊郵便受け』の特派記者。イオナに面子を潰された教育委員会のリークから、イオナの行状を調べて「ハレンチ教師の所業の数々」という記事を書いた。髪をとんがらせたタレ目の中年男。イオナの策略で、宍戸は教育委員会の理事長が悪役となる記事を書くことになり、事態はうやむやになった。 イオナの過去を調べ、驚愕の事実を探り当てる。

ポーラ・阿武虎 (ぽーら・あぶどら)

鴻ノ宮第一小学校の副校長。ヨーロッパへ海外研修に行ってしまった三木野校長と入れ替わりに来日し、副校長の任に就いた。ものすごく長身の女性。常人を超えた身体能力の持ち主。生徒たちの身体・体力測定のとき、戯れに彼女も測定を受けたが、ほとんどの測定器具が破壊されてしまった。母親はスカンジナビア系スウェーデン人。 むかしはモデルもやっており、化粧をすると美人になる。マックス・ファクターやゲランという名前の恋人がいる。

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