概要・あらすじ
16歳の女子高生、皆月皐月には、未来の死体が見える特殊能力があった。死ぬ運命にある人の死体が、その人が亡くなる1日前からずっと見えるのだ。皐月はその死体を「予知死体」と呼んでいた。昨日の昼休み、2階の廊下で、小町こま子の予知死体を見つけた皐月は、こま子を守ろうと、彼女に必死で注意をうながす。しかし、本気にされるはずもなく、皐月はクラスメートに「ウソ月」呼ばわりされるだけだった。それでもなんとかこま子を助けたいと考える皐月は、こま子の予知死体を観察する。廊下にあるのは胴体だけで、首と右腕は、窓から落下したのか、胴体の真下に当たる外に落ちていた。右腕にはめた時計は12時35分23秒を指している。つまりこれがこま子が死ぬ時間である。どうすれば、骨ごと首を切断することができるのか。そんな疑問を科学教師にぶつけてみると、「チェーンソーでもあれば簡単に切れるのかも」という答えが返ってきた。いよいよこま子が死ぬ時間が近づいた昼休み、皐月は、チェーンソーを持った男性を校内で発見する。この男が殺人鬼かもしれない。そう考えた皐月は男のあとを追って4階へ向かう。しかし、男性は美術の先生で、チェーンソーで丸太を彫刻するアーティストだった。こま子が死ぬ時間まであと2分。物音がしたため、窓から屋上を見ると、金属の看板がはずれかかっていた。その看板は、予知死体と生首の真上に位置していた。こま子の死因は事故だったのだ。この大きな金属看板が、2階の窓から首を出したこま子を切断するのだ。こま子の死まで、すでに残り1分を切っていた。2階へも屋上へも間に合わない。皐月は腹を決めた。タイミングを合わせて、落下してくる金属看板に体当たりしたのだ。2階では、風に飛ばされた宿題の紙を取ろうとして、こま子が窓から顔を出していた。しかし、皐月の体当たりで看板の軌道は変わっており、こま子にぶつかることはなかった。4階から飛び降りた皐月も、樹木がクッション代わりになったおかげもあり、軽症で済んだ。こうして、こま子は助かり、彼女の予知死体は消滅した。しかし翌日の保健室で、皐月は再びこま子の予知死体を発見するのであった。
登場人物・キャラクター
皆月 皐月 (みなづき さつき)
16歳の女子高生。「人の死体が、その人が亡くなる1日前からずっと見える」という特殊能力を持つ。人に「あなたは今日死ぬ」と言って回ることから、学校では死ぬ死ぬ詐欺の「ウソ月」と呼ばれている。特殊能力のせいで周囲から浮いた陰キャであるが、ふつうの女子高生のように、友達と楽しく学校生活を送りたいと望んでいる。
小町 こま子 (こまち こまこ)
16歳の女子高生で、皆月皐月のクラスメート。おっとりした性格で、頼み事には嫌と言えない。何をされてもヘラヘラしていると思われ、いじめの対象になったこともある。首を切断されて死ぬ運命にあったが、皐月の特殊能力のおかげで生き延びる。周囲の友達に言われて、皐月を無視していたが、そのことを反省したのか、皐月に急接近してくる。
書誌情報
ウソツキ皐月は死が視える 7巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2020-11-12発行、 978-4098503292)
第2巻
(2021-04-12発行、 978-4098505050)
第3巻
(2021-09-09発行、 978-4098507009)
第4巻
(2022-03-18発行、 978-4098510337)
第5巻
(2022-09-16発行、 978-4098512843)
第6巻
(2023-04-18発行、 978-4098520145)
第7巻
(2023-11-17発行、 978-4098528974)