君が僕らを悪魔と呼んだ頃

君が僕らを悪魔と呼んだ頃

さの隆の代表作。現代の日本を舞台に、記憶を失い第二の人生を歩んでいた高校生の斎藤悠介は、ある日「過去に悠介からイジメを受けていた」と主張する人物の報復を受ける。これをきっかけに、自らの贖罪(しょくざい)のために最悪の記憶を取り戻そうと奔走する悠介の姿を描くバイオレンス・サスペンス。主人公の悠介が「リンチやレイプなどの凶悪犯罪を娯楽として行っていた悪魔のような人物」として描かれており、イジメの凄惨さをはじめ目を覆いたくなるような残虐シーンが頻出する。一方で、シナリオの根底には「過去に悪行をなした人間はどのように被害者と向き合うべきなのか」「贖罪は可能なのか」といったテーマがあり、罪と罰について否応なしに考えさせられる作品となっている。講談社「マガジンポケット」2017年第37.5号(8月16日)から2020年第36・37合併号(8月5日)まで連載の作品。講談社「マガポケベース」で、『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』で描かれている悪行の数々を医師や弁護士が検証し、人体への影響や罪状を解説する企画が展開されている。

正式名称
君が僕らを悪魔と呼んだ頃
ふりがな
きみがぼくらをあくまとよんだころ
作者
ジャンル
いじめ
 
サスペンス
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊14巻
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「悪魔」の記憶を呼び覚ましていく物語

記憶喪失に陥った青年・斎藤悠介は友人や恋人に恵まれ、充実した高校生活を送っていた。しかし、過去に悠介から凄絶なイジメを受けていた人物に報復され、病院送りにされてしまう。ほどなく退院した悠介の前に現れたのは、イジメの共謀者である会澤陽二郎だった。家族や恋人が報復に巻き込まれることを憂慮した悠介は、会澤の語る「被害者の口封じを目的に撮影した動画データ」を確保する必要にせまられ、「悪魔」と恐れられていた中学時代の記憶と向き合う覚悟を固める。

記憶の鍵をにぎる少女・一ノ瀬明里

斎藤悠介は中学時代の悪友・会澤陽二郎の手引きで思い出の地を巡るうちに、一ノ瀬明里という少女が失われた記憶を取り戻す鍵であることを悟る。一ノ瀬は悠介たちに強姦されたうえに妊娠、堕胎、自殺未遂、自主退学という悲惨な人生を歩むことになった女性で、「悪魔」に人生を壊された最大の被害者でもある。悠介が悩まされている「何者かにナイフをつき立てる白昼夢」の相手は一ノ瀬なのか、それとも別人なのか、その真相が物語のターニングポイントとして描かれている。

新章は流れ者となった元「悪魔」と虐待に苦しむ兄妹の物語

失われた記憶を巡る物語から10年以上の月日が過ぎて、その日暮らしの流れ者となった斎藤悠介の新たな物語が始まる。ある日、悠介は肩を寄せ合って生きる藤森蒼志(あおし)、茜、緑の三兄妹と知り合い、彼らを父親の虐待から守るため、兄妹のアパートに転がり込むことになる。擬似家族のような生活は貧しいながらも満ち足りていたが、悠介の不可解な行動が兄妹の関係に歪みを生んでしまう。周辺で多発する殺人事件を追う刑事や、悠介を執拗に狙う記者の登場によって、物語はサスペンス要素を強めていくことになる。

登場人物・キャラクター

斎藤 悠介 (さいとう ゆうすけ)

聖蹟桜ヶ丘東高等学校2年D組に在籍する男子。黒髪短髪で、巨根の持ち主。入学してから半年ほど失踪しており、全裸で両手足を拘束された状態で発見された。外傷はなかったが、この事件をきっかけにすべての記憶を失い、何者かにナイフをつき立てる白昼夢に悩まされるようになった。母親によれば、本来の姿は成績優秀でスポーツ万能、リーダーとして頼られる優等生だったという。現在は朗らかな性格のお調子者で、同級生の大河原環と交際している。ある日、アルバイト先の同僚で友人の久保秋に襲われ、中学時代はイジメの首謀者で「悪魔」と恐れられていたこと、そして久保自身も被害者だった事実をつきつけられる。「過去からの復讐(ふくしゅう)は永遠に続く」という旨の久保の発言に恐怖を感じる一方で、実感がまったく湧かず他人事のようにとらえていたが、中学時代の悪友、会澤陽二郎の来訪により、事態は急変。悠介が管理していたとされる過去の悪行の証拠品を回収するため、失われた「悪魔」の記憶を求めて奔走することとなる。

会澤 陽二郎 (あいざわ ようじろう)

斎藤悠介の中学時代の悪友で、女子が見惚(ほ)れるほどの美男子。右の掌(てのひら)にピンポン玉ほどの穴が空いており、顔を覆って穴越しに相手を見る癖がある。右手の指2本は神経が通っていないが、スプーンやスタンガンなどの道具を器用に扱うことができる。見た目の柔和な印象に反して悠介のイジメの共謀者で、クラスメイトの男子を巻き込んでリンチや強姦をゲーム感覚で行っていた。そのやり口は悪辣で、被害者を撮影した記録を脅迫材料にすることで、事件が発覚することを未然に防いでいた。しかし、脅迫用の記録を管理していた悠介が記憶を失うという、異常事態が発生する。記録が流出する最悪の事態を避けるため、過去の記憶を失った悠介にある契約を持ち掛けた。なお、悠介が記憶を失っているため真偽は不明だが、会澤陽二郎自身の「冗談」を信じるならば、右手の穴は工作の授業中にドリルの事故でできたものだった。当初は小さな穴だったが、好奇心に駆られた悠介に拡張され、現在の大きさとなった。

書誌情報

君が僕らを悪魔と呼んだ頃 14巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2018-03-09発行、 978-4065111970)

第2巻

(2018-05-09発行、 978-4065114087)

第3巻

(2018-07-09発行、 978-4065117859)

第4巻

(2018-09-07発行、 978-4065125212)

第5巻

(2018-11-09発行、 978-4065133958)

第6巻

(2019-02-08発行、 978-4065144213)

第7巻

(2019-04-09発行、 978-4065151143)

第8巻

(2019-06-07発行、 978-4065157213)

第9巻

(2019-09-09発行、 978-4065167908)

第10巻

(2019-12-09発行、 978-4065175453)

第11巻

(2020-03-09発行、 978-4065185186)

第12巻

(2020-05-08発行、 978-4065194300)

第13巻

(2020-07-09発行、 978-4065201015)

第14巻

(2020-10-09発行、 978-4065210215)

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