エルフ甲子園

エルフ甲子園

退屈な授業を受けたくないエウヘルニーナ(ニーナ)は、禁忌の書を使って異世界から現代の日本に転移し、帝洋高校野球部のグランドに迷い込む。ニーナがバットを持った時の神々しい姿に、運命的なものを感じた野球部監督は、ニーナを野球部に入部させる。野球部の部員やニーナを追って異世界からやって来たリロア・リリスタール3世たちと、甲子園を目指しながら騒がしくも楽しい日々を送るニーナの姿を描く青春コメディ。「モーニング」2021年35号から掲載の作品。

正式名称
エルフ甲子園
ふりがな
えるふこうしえん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊3巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

日本に転移して野球部に入部

エルフ族の姫としての勉強の日々に嫌気がさしたエウヘルニーナ(ニーナ)は、エルフ族が封印していた禁忌の書を使って異世界への扉を開き、ミケジと共に現代日本の東京へ転移する。東京では生活するための家やお金が必要だと知り、途方に暮れるニーナは帝洋高校野球部のグランドに迷い込み、バットを杖とカンちがいして持ってしまう。バットを持ったニーナからこの世のものではない凄(すさ)まじいオーラを感じた野球部監督は、ニーナに入部テストを受けさせて強引に入部させてしまう。納得のいかない主将の山本は、ニーナの様子を見に部室に行くと、彼女が錬金術で部室を自分勝手に改造している姿を目撃し、秘密を知られたニーナによって気絶させられる。そして山本はニーナの錬金術によって、人造エルフになったうえに女体化してしまう。しかし山本はニーナやミケジに、これまでと同じように認識される魔法をかけてもらい、部活で練習に励んでいた。活動拠点となる部屋を手に入れたニーナは、帝洋高校に転入して学生生活を送りながら、野球部のために奔走する。

活動停止と四国への遠征

エウヘルニーナ(ニーナ)は、ドワーフ族のドロシィから元の世界に戻るには「甲子園の魔物」と呼ばれる存在の力が必要だとの情報を得て、甲子園を目指す気持ちを強くする。しかし胡散(うさん)臭いスポーツ紙に、帝洋高校野球部の部員がライバル校を爆破したという記事が掲載され、帝洋高校野球部は活動停止処分を受けてしまう。野球部主将の山本から部員たちが落ち込んでいることを知ったリロア・リリスタール3世は、なんとかするためにニーナと山本を連れて新聞社に向かい、記事を書いた記者を探し始める。三人はそのまま記者の家に押し掛け、ニーナが証拠の入ったパソコンを破壊する。これで帝洋高校野球部の部員が爆破事件にかかわっていることが証明されずに疑いは晴れ、野球部の謹慎は解かれるのだった。謹慎が明けて少し経ったある日、山本から四国へ遠征することを聞かされたニーナとリロアは、部員たちと共に四国へ旅立つ。遠征先の冥毒学園に着くと、そこでリロアは幼なじみのセレノアと再会。そして練習試合は問題なく行われたが、夕食会で帝洋高校野球部の部員は全員眠らされ、セレノアたちによって夜の森に運ばれてしまう。

登場人物・キャラクター

エウヘルニーナ

異世界から現代の日本に転移して来たエルフ族の姫。周囲からは「ニーナ」と呼ばれている。自由奔放で物事をあまり深く考えない楽観的な性格の持ち主。帝洋高校野球部のグランドに迷い込んだ際に、野球部監督から強引に入部テストを受けさせられ、魔法を使っていきなりホームランを打ったことで野球部に入部する。部室の中にあったトロフィーやユニホームなどを錬金術でベッドや私服に作り替え、部室を自分の部屋に改造して住んでいる。野球の知識はまったくなく、練習より情報収集やマネージャーのような役目を担っている。

ミケジ

エウヘルニーナ(ニーナ)が作った猫とコウモリの合成獣。語尾に「ミャ〜」と付けて独特なしゃべり方をする。ニーナの使い魔のような存在で、ニーナといっしょに異世界から現代の日本に転移した。転移後もニーナと行動を共にし、魔法でニーナをサポートしている。ニーナと離れていても、ニーナの魔法によって瞬時にニーナのもとへ移動できる。

山本 (やまもと)

東東京地区の野球強豪校と知られる帝洋高校野球部で主将を務める男性。生真面目な性格で面倒見がいいため、仲間からの信頼は厚い。監督の独断で入部したエウヘルニーナ(ニーナ)の様子を見に行った時にニーナから気絶させられ、錬金術で女性の人造エルフに変えられてしまう。これまで野球一筋だったため、いきなり女性となって困惑している。ニーナやミケジの魔法で周囲の認識を都合よく変えているため、今までどおりに生活や部活を送っている。

リロア・リリスタール3世 (りろあ りりすたーるさんせい)

エルフ族王家直属の暗殺部隊「ブラックリリス」の隊長を務める女性。魔術師学校の全科目を首席で卒業した新進気鋭の天才エリートで、姿を消したエウヘルニーナ(ニーナ)の捜索を王から命じられる。ニーナが使った禁忌の書を見つけ、ニーナを追って異世界から現代の日本に転移する。ニーナを崇拝しており、ニーナに敵対する者やニーナに近づく者には容赦がない。

ドロシィ

東東京地区の野球強豪校と知られる武蔵一高校野球部で、監督補佐を務めるドワーフ族の女性。明るい性格で親しみやすく振る舞っているが、裏では監督を意のままにあやっている。異世界から現代の日本に転移しており、元の世界に戻るために情報を集めている際に「甲子園には魔物が棲(す)む」という伝説を知る。甲子園を勝ち抜いて魔物が持つ強力な力を利用するために武蔵一高校野球部に入り込み、ドワーフ族の特製バッドや練習施設で部員たちを鍛え上げている。

二俣 薫子 (ふたまた かおるこ)

東東京地区の野球強豪校と知られる帝洋高校野球部で、マネージャーを務める女性。元気いっぱいの明るい性格で愛想がいいため、男子生徒から人気が高い。また、多くの男子と付き合っているため「女子マネ界のクレオパトラ」とも呼ばれている。実際は告白されても断れない性質なため、仕方がなく付き合っていただけで、恋愛には奥手。初めて自分から好きになった山本への接し方がわからず、山本には冷たい態度を取ってしまう。

セレノア

四国の野球強豪校と知られる冥毒学園野球部に所属するダークエルフ族の女性。リロア・リリスタール3世とは幼い頃にいっしょに遊んでいた幼なじみ。孤児だったため、お金目当てで王城に盗みに入るが捕まってしまう。その際、リロアが助けてくれなかったことで、リロアをずっと恨み続けている。元の世界に転移するために甲子園を目指しており、甲子園で対戦しそうな強豪校の選手には練習試合をしたあとに森の中に拉致して、ケガを負わせている。帝洋高校野球部との練習試合で偶然リロアを再会し、部員と共にリロアを襲撃しようと考える。

エンリッヒ・スラリオ・ルナールク8世 (えんりっひ すらりお るなーるくはっせい)

異世界から現代の日本に転移して来たスライム。相手の能力をコピーして変身することができるが、変身までに時間がかかってしまう欠点がある。エウヘルニーナ(ニーナ)に変身して取って代わろうとしたが、バレてリロア・リリスタール3世の魔法を食らって考えを改める。その後はまったく別の人間の姿に変身して、ニーナたちといっしょに暮らしている。

書誌情報

エルフ甲子園 3巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2021-12-08発行、 978-4065263754)

第2巻

(2022-03-09発行、 978-4065272824)

第3巻

(2022-06-08発行、 978-4065282908)

SHARE
EC
Amazon
logo