エース!

エース!

東京の下町を舞台に、野球の試合中に父親を亡くした少年が、その遺志を継いで少年野球のエースとして活躍する姿を描いた物語。野球の試合描写はもちろん、家族愛や友情といった多くのテーマが盛り込まれている。「週刊少年ジャンプ」1990年1・2号から1991年26号と、1991年の「週刊少年ジャンプ SpringSpecial」から「週刊少年ジャンプ AutumnSpecial」にかけて連載された作品。

正式名称
エース!
ふりがな
えーす
作者
ジャンル
その他スポーツ
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あらすじ

幻のエース(第1巻)

若宮小学校に相羽一八という少年が転校して来た。若宮小学校野球部「若宮ファイターズ」のキャプテン、真島大将は、エースピッチャーのナンバーである「18」をその名に持つ一八が入部する事を期待するが、そんな大将に対し、一八は野球は好きでも得意でもないと告げる。しかし、実は一八には、少年野球の名門「調布ブルージェイズ」でエースピッチャーを務めていた過去があった。だが、野球の試合中に叔父の沢松隆志が失明し、さらに父親の相羽克也が死亡するという事故があった事から、祖父の沢松八五郎に野球をしないように約束させられていたのである。そんな中、一八は今度の地区大会で優勝できなければ、「若宮ファイターズ」が廃部になるという事情を知る。そして、「台場ダーティドラゴンズ」の間崎竜や、「花園ヤンキース」の新村卓哉といった選手との出会いを通し、一八は野球をやりたいという気持ちを抑えられなくなっていく。そんな一八の情熱がついに八五郎の心を動かし、晴れて一八は「若宮ファイターズ」の一員となる。

対領南バッファローズ戦(第2巻~第3巻)

地区大会が開幕し、間崎竜新村卓哉らライバル達が見守る中、「若宮ファイターズ」と「領南バッファローズ」の一回戦が始まった。昨年度の準優勝チームである「領南バッファローズ」は猛打のチームだが、先発の真島大将相羽一八にはマウンドを譲らないと宣言し、気迫のピッチングで先攻の「領南バッファローズ」の選手を打ち取っていく。さらに「若宮ファイターズ」は1番の飛田俊足、2番の野本博士の活躍により一気に4点を先制する。だが次の回から「領南バッファローズ」も反撃を開始、4番の不破直樹、5番の牛山牛太郎のホームランで2点差にすると、4回表には牛山に再びホームランを打たれ、逆転を許してしまう。「若宮ファイターズ」は大将や一八の奮起によって再度逆転に成功、さらにリードを2点として最終回の守りにつくが、大将は足を負傷してしまい、そのうえ無死満塁のピンチを迎えてしまう。このピンチを前に大将からマウンドを引き継いだ一八は、不破ら「領南バッファローズ」のクリーンアップを連続三振に仕留め、「若宮ファイターズ」は一回戦を突破する。

対一ノ瀬レッズ戦(第4巻)

一回戦を突破した「若宮ファイターズ」が見守る中、間崎竜の「台場ダーティドラゴンズ」、新村卓哉の「花園ヤンキース」などライバル達も順当に勝ち上がる。中でもスラッガーの酒井光次郎を擁する「浅香エンゼルス」は、試合でサヨナラ勝ちをおさめ、大会における注目の的となる。そんな中、「若宮ファイターズ」は二回戦も突破、次の三回戦では「一ノ瀬レッズ」と対戦する事となった。「一ノ瀬レッズ」のエース赤城一平は、小学生ながら切れ味の鋭いフォークボールをあやつる好投手で、真島大将相羽一八ら「若宮ファイターズ」の主力打線を翻弄する。かたや、一八もまた「一ノ瀬レッズ」を相手にヒットを許さず、緊迫した投手戦の末に、試合は延長戦へと突入する。試合は「若宮ファイターズ」の5番、内山信二のサヨナラホームランで劇的な幕切れとなった。そんな中、一八の母親、相羽香は観客席に、自身の兄であり、野球の試合で片目を失明して失踪していた沢松隆志の姿を見つける。

対浅香エンゼルス戦(第5巻~第6巻)

準々決勝に進出した「若宮ファイターズ」の次の相手はスラッガーの酒井光次郎を擁する「浅香エンゼルス」。「浅香エンゼルス」の監督は光次郎をトップバッターに起用し、少しでも多く打順を回す作戦に出る。これは、対戦ピッチャーである相羽一八が、三回戦の「一ノ瀬レッズ」戦でノーヒットノーランを達成している事から、強敵と判断したうえでの作戦だった。果たして光次郎は最初の打席で一八からホームランを打つ。それに対して「若宮ファイターズ」も反撃に転じ、谷沢音子のランニングホームランで同点に追いつき、一八も光次郎の第二打席を三振に抑える。初めて三振に倒れた光次郎は奮起、一八を宿命のライバルと認め、今度こそ打ち崩す事を誓う。しかし、同点で迎えた第三打席でホームランではなくヒットを狙うが、飛田俊足のファインプレイに阻まれ、最終打席でもピッチャーライナーに終わる。試合は飛田のタイムリーヒットが決勝点となった「若宮ファイターズ」が勝利。準決勝の相手は間崎竜の率いる「台場ダーティドラゴンズ」となった。その頃、一八の母親、相羽香と祖父、沢松八五郎は亡くなった一八の父親、相羽克也の墓参りに沢松隆志が来ていた事を知る。

対台場ダーティドラゴンズ戦(第7巻~第9巻)

地区大会準決勝「若宮ファイターズ」対「台場ダーティドラゴンズ」の試合が始まった。「台場ダーティドラゴンズ」は、準々決勝から復帰した間崎竜の相棒、鷲尾虎太郎がスタメンから出場、全力で投げる竜のピッチングに「若宮ファイターズ」打線は沈黙する。一方、一八もまたそんな竜のピッチングに応えるように気迫の投球を見せ、「台場ダーティドラゴンズ」打線に得点を許さない。試合は0対0のまま延長戦へと突入、ここで竜は自身の奥の手である投法ドラゴンフライで、さらに「若宮ファイターズ」打線を封じていく。一八も竜に負けじと奮闘、ついに試合は両チーム無得点のまま翌日再試合となった。再試合でも一八と竜の投手戦は続き、またしても試合は延長戦へ。その試合を観戦する観客の中には、一八と戦い敗れた酒井光次郎達のほかに、かつて一八が所属していた「調布ブルージェイズ」の桐生真也の姿もあった。追いつ追われつの死闘は、一八のサヨナラホームランで終了、ついに「若宮ファイターズ」は決勝戦へと進出する。

対花園ヤンキース戦(第9巻)

地区大会決勝戦、「若宮ファイターズ」は「花園ヤンキース」と対戦する。前日の「台場ダーティドラゴンズ」戦の疲れが抜けていない相羽一八は、初回「花園ヤンキース」の打線に連打を浴び、さらに4番の西田勇にホームランを打たれて4点のリードを奪われる。そこへ現れたのは一八の祖父、沢松八五郎だった。八五郎は、「若宮ファイターズ」の監督を買って出て、「花園ヤンキース」のエースピッチャー、新村卓哉の変化球を攻略する作戦を授ける。こうして「若宮ファイターズ」の逆襲が始まる。

登場人物・キャラクター

相羽 一八 (あいば かずや)

若宮小学校に転校して来た少年。野球選手だった父親から幼い頃より野球を教えられた事から、優れた野球センスがある。少年野球の名門、「調布ブルージェイズ」ではエースピッチャーだった。しかし叔父が野球で失明し、父親もまた野球の試合中に死亡するという不幸な事故が相次いだ事から、家族に野球をしないよう言われていた。若宮小学校の野球部「若宮ファイターズ」に加入後は、エースピッチャーとして決め球クロスファイヤーボールを武器に活躍し、4番バッターとして攻撃でも中心となる。

真島 大将 (まじま たいしょう)

若宮ファイターズのキャプテンを務める少年。相羽一八が入部するまでは「若宮ファイターズ」のエースピッチャーだったが、エースの座を一八に譲ってからは主にレフトを守る。キャプテンとして優れた人望があり、山田末吉や飛田俊足など、真島大将にあこがれて「若宮ファイターズ」に入る者も多い。野球というスポーツを愛しており、野球にかける情熱は誰にも負けない熱血漢。

飛田 俊足 (とびた しゅんそく)

「若宮ファイターズ」のトップバッターで、センターを守る少年。陸上選手だった両親の教育から、自身も小学校では陸上部に所属していたが、真島大将に勧められて「若宮ファイターズ」に加入する。陸上部時代には全国小学生陸上選手権で優勝するほどの実力の持ち主で、センターの守備ではその足を活かした広い守備範囲で、「若宮ファイターズ」の外野の要として活躍する。

谷沢 音子 (やざわ おとこ)

「若宮ファイターズ」唯一の女子選手で、ポジションはライト。女子ながら野球が大好きで、男子といっしょに野球でプレイをする事ができるのは少年野球だけ、という理由で「若宮ファイターズ」に加入した。「若宮ファイターズ」の中では鉄壁の守備を見せ、バッティングでもミートがうまく足も速い、隠れた名選手でもある。

内山 信二 (うちやま しんじ)

「若宮ファイターズ」に所属する少年で、ポジションはファースト。がっしりした体格からパワーのあるバッティングが信条。相羽一八が加入するまでは「若宮ファイターズ」の4番バッターを務めていた。一八が入ったあとは5番を打ち、チャンスの場面で活躍する。やや気が弱い性格のため、メンタル面の弱さがプレイに影響を及ぼす事もあるが、自身のミスを取り返そうとするガッツもある。

山田 末吉 (やまだ すえきち)

「若宮ファイターズ」に所属する少年で、ポジションはキャッチャー。「若宮ファイターズ」唯一の5年生で、キャプテンの真島大将を尊敬している。相羽一八がエースピッチャーとなってからは、一八の球を恋女房として受け続けた。唯一の5年生ではあるが、先輩に対しては物怖じせず言いたい事を言う性格であり、大将はじめチームメイトからもかわいがられている。

野本 博士 (のもと ひろし)

「若宮ファイターズ」に所属する少年で、ポジションはセカンド。学力が優秀な生徒で、学習塾で行われる実力テストでは全科目で満点の成績をおさめる。野球の知識や戦略にも精通しており、実質的な指導者のいない「若宮ファイターズ」において頭脳としての役割を担っている。打撃では飛田俊足の後の2番を打ち、ミートのうまい確実なバッティングを得意とする。

大江 (おおえ)

「若宮ファイターズ」の顧問を務める男性教師。「若宮ファイターズ」の顧問ではあるが、野球の知識はまったくなく、運動神経も鈍いため、野球を指導したりする事はない。しかし、野球が大好きな「若宮ファイターズ」の選手達を温かく見守っている。

沢松 八五郎 (さわまつ はちごろう)

相羽一八の祖父。書道の家元であり、自宅や外出先でもつねに和服で過ごしている。彼の息子である沢松隆志は、野球の試合中に片目を失明し、娘の夫である相羽克也も野球の試合中に死亡した事から、野球に呪われた家系との考えを強く抱いている。しかし、沢松八五郎本人はかつて「若宮ファイターズ」の監督だった事もあり、野球に対する知識や情熱は本物。 地区大会決勝戦の「花園ヤンキース」戦では、再び監督として「若宮ファイターズ」の指揮を執る。

相羽 香 (あいば かおり)

相羽一八の母親。一八の父親である相羽克也と駆け落ちし、一八と沢松二三八の双子を出産する。克也が野球の試合中に死亡したため、父親の沢松八五郎のもとに身を寄せる。当初は一八が野球をする事に反対していたが、やがて「若宮ファイターズ」に入りたいと願う、息子の希望を応援する事を決意する。

相羽 克也 (あいば かつや)

相羽一八の父親で故人。もともとはピッチャーとして活躍していた選手で、息子の一八にクロスファイヤーボールなどさまざまな投球技術を教えた。恋人である相羽香の兄、沢松隆志とは大学野球からのよきライバルだったが、自分の投げたデッドボールで隆志が失明したため、ピッチャーから野手に転向する。しかし、その後の試合で打席に立った際に金属バットに落雷を受け、一八や香の見ている前で死亡する。

間崎 竜 (かんざき りゅう)

「台場ダーティドラゴンズ」のキャプテンを務めている、エースピッチャーの少年。小学生離れしたピッチングで、地区大会ではノーヒットノーランを達成するほどの豪腕。球威が強すぎるため、全力投球を受ける事ができるのは相棒の鷲尾虎太郎だけである。両親がおらず児童養護施設で育ったため、家族を中傷するヤジはチームメイトであっても許さない。 一本気のある少年でチームメイトからの人望も高く、敵チームの相羽一八であってもライバルと認めて敬意を表する。

鷲尾 虎太郎 (わしお とらたろう)

「台場ダーティドラゴンズ」に所属する少年で、ポジションはキャッチャー。小学生でありながら大人用のキャッチャーレガースを使用するほどの体格を誇り、バッティングのセンスも超一流。間崎竜とは同じ児童養護施設で育った相棒であり、竜の全力投球を受ける事ができるのは、「台場ダーティドラゴンズ」の中では鷲尾虎太郎だけである。

新村 卓哉 (にいむら たくや)

「花園ヤンキース」のエースピッチャーの少年。左のサイドスローから繰り出される多彩な変化球を武器にしている。昨年度の地区大会の優勝投手だが、都大会で「調布ブルージェイズ」に敗れ、その借りを返すために投球術としての変化球を身につけた。わずか1年余りでカーブやスライダー、シンカー、シュートに加えナックルも身につけた天才肌のピッチャー。

西田 勇 (にしだ いさむ)

「花園ヤンキース」のキャプテンを務める少年で、ポジションはファースト。4番バッターとして地区大会では、決勝戦までに5本のホームランを放った強打者。「若宮ファイターズ」との決勝戦では初回に満塁ホームランを放つが、それ以降は相羽一八に完全に抑えられる。

酒井 光次郎 (さかい こうじろう)

「浅香エンゼルス」に所属する少年で、ポジションはセンター。主に4番を打ち、「若宮ファイターズ」と対戦するまでは、3試合連続ホームラン、うち1試合ではサイクルヒット達成という驚異的な打撃を誇る。それまでの試合で完璧なピッチングを見せていた相羽一八からも、初めてホームランを放った。実家は酒造会社で、酒井光次郎本人も酒が大好きな事から、小学生ながらつねに酩酊状態だが、打席に入ると一気に酔いが覚める。

沢松 隆志 (さわまつ たかし)

沢松八五郎の息子で相羽一八の叔父。プロ入り確実といわれ、将来を嘱望されていた選手だったが、相羽克也の投げたデッドボールを受け、片目を失明した。しばらく行方がわからなくなっていたが、出生直後の一八の双子の弟である沢松二三八を連れて失踪。その後は高知県に渡り、「土佐ブルドッグス」の監督となる。 二三八を自身の息子と偽って育て、二三八にピッチャーの顔面を狙う「殺人強襲打法」を仕込む。

沢松 二三八 (さわまつ ふみや)

相羽一八の双子の弟。生まれてすぐに沢松隆志によって連れ出されたため、隆志の事を実の父親と思って育った。隆志が監督を務めるチーム「土佐ブルドッグス」の主軸バッターとして、ピッチャーの顔面を狙う「殺人強襲打法」を駆使し、全国大会へと出場を決める。隆志の教育から一八を「父の仇の息子」と思っており、一八と対戦しその仇を討つ事を目標としている。

赤城 一平 (あかぎ いっぺい)

「一ノ瀬レッズ」のエースピッチャーの少年。決め球として、落差の激しいフォークボールをあやつる。フォークボールをマスターするために血の滲むような努力を重ねており、それだけに自身の決め球であるフォークボールには絶対の自信を持っている。ストレートの球速も速く、フォークボールとの緩急をおりまぜたクレバーなピッチングを見せるが、バッティングは少々苦手。

不破 直樹 (ふわ なおき)

「領南バッファローズ」のキャプテンを務めている少年。4番サードの選手であり、長打力だけでなく、左右どこにでも打ち分ける技術を持っており、猛打を誇る「領南バッファローズ」の中でも特に打撃力に優れている。昨年度の地区大会決勝戦で、新村卓哉の「花園ヤンキース」に完封された悔しさからバットを振り続け、猛打のチームを作り上げた。

牛山 牛太郎 (うしやま ぎゅうたろう)

「領南バッファローズ」に所属する少年で、ポジションはセンター。大人と見紛うほどの体格を持った小学生で、バットの根元に当たったボールであってもホームランにしてしまうほどのパワーを誇る。事故にあって1年間野球の試合に出られなかったという経験があり、その鬱憤を晴らすかのように「若宮ファイターズ」との試合で大暴れする。

桐生 真也 (きりゅう しんや)

「調布ブルージェイズ」に所属する少年で、ポジションはピッチャー。相羽一八が「調布ブルージェイズ」に所属していた頃からのよきライバル。一八が「調布ブルージェイズ」を去ったあとも何かと気にかけており、「台場ダーティドラゴンズ」との試合には応援に駆けつけた。

集団・組織

若宮ファイターズ (わかみやふぁいたーず)

若宮小学校の野球部。相羽一八が加入するまでは部員がわずか6人しかおらず、図工の先生である大江が顧問として引率しているものの、専門知識を持った監督ではないため、まともな野球の指導を受けていない。地区大会で優勝できなければ廃部という厳しい条件を突きつけられながらも、キャプテンの真島大将を中心に地区大会で快進撃を続ける。

領南バッファローズ (りょうなんばっふぁろーず)

昨年度の地区大会の準優勝チーム。昨年度の地区大会で「花園ヤンキース」の新村卓哉によって完封負けを喫した事から、打撃に特化したチームづくりを目指し、「猛牛爆裂打線」と呼ばれるほどのチームとなった。相手チームの分析にも余念がなく、一回戦で対戦する「若宮ファイターズ」の偵察にも訪れた。

浅香エンゼルス (あさかえんぜるす)

地区大会準々決勝で「若宮ファイターズ」と対戦したチーム。スラッガーの酒井光次郎のワンマンチームながら、抜群のチームワークを誇る。女子選手も所属しており、試合に勝つ事よりも野球を楽しむ事を信条としている。

台場ダーティドラゴンズ (だいばだーてぃどらごんず)

特定の指導者や監督がいない、小学生だけで構成された野球チーム。地区大会にも初めての出場ながら、間崎竜や鷲尾虎太郎の活躍によって準決勝まで進出する。「台場ダーティドラゴンズ」の「ダーティ」には、「汚いプレイをする」という意味ではなく、「ヘタでもユニフォームを汚してボールに食らいつく」という意味が込められている。

花園ヤンキース (はなぞのやんきーす)

昨年度の地区大会優勝チーム。今大会でも優勝候補の筆頭に数えられている。そのため、打倒「花園ヤンキース」を目指すチームも多い。エースの新村卓哉、キャプテンの西田勇といった選手が所属し、投打にバランスの取れたチーム。

調布ブルージェイズ (ちょうふぶるーじぇいず)

昨年度の東京都代表チーム。東京都大会9連覇、練習試合38連勝という記録を持つ少年野球チームの名門。ベンチ入りできない選手を含め、50人を超える選手層の厚さを誇る。かつて相羽一八はこのチームでエースピッチャーだったが、父親の死によって「調布ブルージェイズ」大敗のきっかけを作ってしまい、チームを去った。

その他キーワード

クロスファイヤーボール

ピッチャープレートの端に立ち、バッターの内角に向かって投げ込むボール。相羽一八の決め球。ピッチャーから見て対角線上にボールを投げ込むため、バッターにとっては打ちづらく、見送ったとしてもホームベースぎりぎりをかすめるストライクとなる。内角高めに投げ込む「シューティングクロスファイヤー」や、逆方向のコースを狙う「逆クロスファイヤー」といったバリエーションがある。

ドラゴンフライ

バッターに対して背中を向けるほど体をひねる「トルネード投法」と、足を高く振り上げる「まさかり投法」とを組み合わせた間崎竜の決め球。英語では本来「トンボ」を意味する言葉だが、この球が「ドラゴンフライ」と名づけられたのは、「竜が舞う」事からである。体力をかなり消耗するため連投する事ができず、ここぞという場面でしか使えない。

殺人強襲打法 (さつじんきょうしゅうだほう)

ピッチャーの顔面を狙って強烈な打球を打ち返す打法。沢松二三八が得意としている。野球の試合で片目を失った沢松隆志が二三八に授けた技術で、二三八は荒波の押し寄せる海岸で波を斬るほどの鋭い素振りをする事で、この打法を身につけた。

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