オニヒメ

オニヒメ

上山道郎のデビュー作『怪奇警察サイポリス』の25年後の世界を描いた作品。「美しすぎる」という以外はごく普通の女子高校生・鬼塚愛が、転校して来た機関のエージェント神代優との出会いで自身の正体や剣豪ディスク、越境者の存在を知り、仲間と共に戦いの中に身を投じていく。

正式名称
オニヒメ
ふりがな
おにひめ
作者
ジャンル
バトル
関連商品
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あらすじ

第1巻

宮本武蔵剣豪ディスクを使う越境者斑猫のあとを追って小津野学園に転入した神代優は、「美しすぎる」個性を持つ鬼塚愛と出会う。美しすぎるという異常に不思議な魅力を持つ愛に戸惑う優だが、斑猫に襲われた際、愛が初見で柳生連也斎の剣豪ディスクを使いこなすのを目にし、愛の素性に疑念を抱く。

第2巻

神代優から、の血を引いているものの悪い越境者ではないと納得された鬼塚愛は、新たに仲間となった憂流迦舞と三人組となって、人間の感情を奪う敵組織・会社との戦いに身を投じていく。だがやがて現れた強敵シーズとその従者・のあまりの強さに、三人はなすすべなく倒れていく。

第3巻

神和住京子葛丸に命を救われた鬼塚愛達。しかしシーズの呪いによって、神代優が仮死状態に陥ってしまう。優を救うためシーズ、そしてとの再戦を決意した愛だったが、槐の素顔が父親である鬼塚勇気と瓜二つだった事に、内心では動揺と不安に押し潰されそうになっていた。

関連作品

本作『オニヒメ』は、上山道郎の『怪奇警察サイポリス』の25年後の世界を描いた続編となっている。世界観がつながっているため、神和住京子をはじめとする『怪奇警察サイポリス』の登場キャラクターが本作にも多数登場しているほか、細かい設定も『怪奇警察サイポリス』を踏襲しており、続けて読む事で理解を深められるようになっている。参照しなければ理解しにくい部分も多々ある。また環望の『ウチのムスメに手を出すな!』で行われた「ヒーロー&ヴィラン募集」企画に上山道郎本人が応募している。これにより、最終話に本作『オニヒメ』に登場する神和住京子をもとにした薬師如来の巫女「キョウコ」と、葛丸をもとにしたロボットサムライ「カズラマル」が登場を果たしている。

登場人物・キャラクター

鬼塚 愛 (おにづか あい)

新年度から小津野学園に転入した15歳の少女で、鬼塚勇気の娘。鬼の血を引いており、剣豪ディスクを使用すると鬼の血が活性化し、額から2本の角が伸びて瞳孔が縦長になり、耳が尖る。「まぶしくて直視できない」「舞い散る桜吹雪が見えた」などと証言されるほど、美しすぎる容姿を持っている。そのため、教師まで見惚れてしまい授業がままならないばかりか、鬼塚愛を巡ってさまざまなトラブルが頻発したため、登校自粛を言い渡され、事実上学生寮に軟禁状態にあった。 この期間、愛は外出する際は鬼の面をかぶって、人目を忍んで小津野学園内に入り、校内の雰囲気だけを感じに来ていた。しかし転入前は、勇気と共に各地を旅しながらもごく普通の生活を送っていた。 この件について慈英は愛が小津野学園に転入した時期に鬼としての能力が目覚め始めたため、「未熟な鬼」の言霊である、人を「魅了」する魔力が放出状態になったからではないかと推測している。生活に支障が出るのを防ぐため、慈英は愛のために髪留め、憂流迦舞にかんざしを作り、神代優のメガネと合わせて愛の持つ「魅了の魔力」を3分の1ずつ放出させるようにした。 これにより、愛、舞、優は一般生徒達から美少女トリオとして羨望の眼差しを浴びながらも、トラブルの頻度が激減した事で軟禁状態は解かれている。幼少期から勇気によって、生活に不自然でない範囲で戦う精神と能力の教育を施されていた。勇気が極秘任務に就く以前、勇気の愛用武器である周天丸を託されていたが、優と出会い剣豪ディスクに触れるまで、周天丸が武器である事も、自分が鬼の血を引いている事も知らされていなかった。 小津野学園に転入してから友人に恵まれなかったため、友人に対する友情が厚い。初めて使用した剣豪ディスクは、優が落としていた柳生連也斎。優から渡された柳生十兵衛の剣豪ディスクと柳生連也斎のディスクを同時に使用し、二刀流となる事もできる。 また、槐との対決の際には上泉伊勢守信綱、シーズの魔法石を射貫く際には源頼政の剣豪ディスクを使用した。15歳だが優と同じ2年B組に所属しており、一般生徒達からは、その美しさや軟禁状態にあったという物語性から「姫」「オニヒメ」と呼ばれている。

神代 優 (くましろ ゆう)

機関に所属しているエージェントの少女。神代慧の妹で、慈英のパートナー。つねに魔力を防ぐ加工が施された眼鏡をかけている。霊的感覚が鋭敏で、相手の噓を見抜く、居場所を探査する、などの能力に優れている。斑猫の霊波を追って、小津野学園の2年B組に転入した。体に触れられると条件反射で相手を制圧しようとする癖があるため、本来は学校など人が大勢いる場所への潜入は望んでいなかった。 かつて慧が屈服させた敵が完全に戦意喪失したと判断したが、それを慧に伝えた瞬間、反撃に遭って慧を仮死状態にしてしまった事から、自分の霊的感覚を信じる事ができなくなった。そのため鬼塚愛と出会った当初は、愛の素直な性格や敵ではない事を直感しつつも、越境者かもしれないという疑念を払拭する事ができずにいた。 愛、憂流迦舞と友人関係になってからは、愛の持つ「魅了の魔力」軽減のため眼鏡から愛の魔力の3分の1を放出する役割を担う事になり、一般生徒から美少女トリオの一角として羨望の眼差しを浴びる事になった。当初から複数の剣豪ディスクを所持しており、中村半次郎を用いて霊波反響(エコー)を行って敵の探査、柳生十兵衛を用いて戦闘、飯篠長威斎を用いて高精度の霊波反響を行う事ができる。 またこれらの剣豪ディスクと慈英が同化している日本刀は、日常生活で怪しまれないようにギターケースの中に隠している。勝虫との戦闘で心臓に達する負傷をし、出血多量に陥った。またその傷をきっかけにシーズによる呪いに冒され、昏睡状態に陥った。 越境者を元の世界に還す際には、九字の印を切ったあと、摩利支天の真言を唱える。

慈英 (じぇい)

機関に所属している人工生物。神代優のパートナーとしてつねに行動を共にしており、普段は刀の柄に同化している。また同化を解いた状態だとメタリックな質感を持つ手の平サイズのミミズクになる。ネットワークにつながっているところならどこにでも入り込む事ができ、ネットにつながっている通信機器を所持している相手との即時連絡や学内ネットの検索で優をサポートしている。 優が鬼塚愛を信じ切れずにいた頃は、優の心情を汲み、愛に対する悪気がない事や優についての過去など説明し、フォローに当たった。アルゴー号内でのみ、ミミズクを思わせる髪型をした幼い少年の姿になる事ができる。慈英自身は剣豪ディスクを使用する事はできないが、ネットワーク内を自由に出入りできる特性を活かし、葛丸の意識が入っていないボディに入る事ができる。 その際、葛丸の中に入っているデータを使用し、愛の剣術相手を務める事もできる。憂流迦舞からは「ジェイの助」と呼ばれている。

憂流迦 舞 (うるか まい)

天狗の少女で、会社の刺客として現れた越境者。美しい縦巻ロールの金髪の持ち主で、自身ではそれにコンプレックスを抱いていたが、鬼塚愛と神代優から髪を褒められた事で戦意を喪失。しかしその後、会社の内部情報を愛と優に話した事で、頭部に埋め込まれていた剣豪ディスクが起動し、身体能力の限界を超える形で暴走した。 その暴走を愛に止められた事で恩義を感じ、以降は愛、優の友人となって小津野学園に潜入し、共に会社と戦う事を決意する。仲間になってからは長い髪を結い上げており、慈英の作った日本刀を模した2本のかんざしを挿している。これを挿す事によって愛の持つ「魅了の魔力」を3分の1放出する役割を担っており、一般生徒から美少女トリオの一角として羨望の眼差しを浴びている。 会社での暗号名(コードネーム)は「葦牙」。代々天狗の族長を務める家系の出身で、しきたりや伝統を重んじる実家に反発して家出した結果、会社に入社した。神話級の高位魔族のため、肉体ごと人間界に来る事ができる。使用する剣豪ディスクは丸目蔵人佐。

神和住 京子 (かみわずみ きょうこ)

機関に所属しているエージェントの女性で、葛丸の主君・鬼塚勇気の戦友の一人。神代優に越境者との戦い方を教えた指南役でもある。小津野学園の教師として変装し、葛丸と共に潜入していた。鬼塚愛達が所属する2年B組の担任でもあり変装時は標準語で話しているが、普段は関西弁で話す。機関には怪奇警察サイポリスの頃から所属している。 「霊波探知アンテナ」と呼ばれる、2本の柔らかいアンテナが立ったヘッドギアを装着している。使用する剣豪ディスクは源頼政。シーズが優にかけた呪いを可視化する際には薬師如来の真言を唱える。葛丸からは「姫」または「お館様」と呼ばれており、優と愛からは「京子先生」と呼ばれている。

葛丸 (かずらまる)

機関に所属しているエージェントのロボットで、神和住京子に仕えている。一見して鎧武者とわかる容姿をしており、肉体に性別はないが、精神的には男性。鬼塚勇気の戦友の一人であり、神代優に越境者との戦い方を教えた指南役でもある。名刀「修羅王斬・葛丸」に宿った魂が本体とされる。小津野学園の教師として擬態し、京子と共に潜入していた。 正式名称は「学天則葛丸」。機関には怪奇警察サイポリスの頃から所属している。槐と対決した際に剣豪ディスク上泉伊勢守信綱を、シーズと対決した際には松林蝙也斎を使用した。またロボットだけあってボディはいくつか存在し、普段使用している十七號体(ボディ)のほか、鬼塚愛に剣術、弓術指南を行う際に使用する十二號体などがある。 葛丸は各ボディ間を回線を通じて移動する事が可能で、愛の指南中であっても京子からの呼びかけに応えて、別の場所にあるボディに即座に意識を移動させられる。さらに十七號体は多宝塔形態に変形する事ができ、この姿になって京子が霊能力を集中させると、京子の製作した結界を強化する事ができる。

九龍 (くりゅう)

憂流迦舞の父親の友人で、古い龍の血脈を継いでいる少年。鬼塚勇気の戦友の一人。機関には怪奇警察サイポリスの頃から所属しているが、神和住京子、葛丸とは長く顔を合わせていない様子が窺える。龍神の託宣に従い、槐の正体が鬼塚勇気の記憶を込めた剣豪ディスクの内1枚を使用して作られた物だと見抜いたうえで舞に別の勇気の剣豪ディスクを渡し、これを鬼塚愛に託すよう言付けた。

鬼塚 勇気 (おにづか ゆうき)

鬼塚愛の父親。機関のデータベースの奥に隠された、最重要機密事項にアクセスする事でしか知る事のできない、最上級エージェント。機関には、怪奇警察サイポリスだった頃から所属している。鬼の一族の血を引いているが、愛には機関の事も、鬼の血の事も話していなかった。しかし、愛がいつか越境者と戦う日が来る事を見越して、生活に不自然でない範囲で戦う精神と能力の教育を施していた。 神和住京子、葛丸、九龍とは旧知の仲で、戦友。一人で国家間のパワーバランスを揺るがすほどの絶大なる力を持っていた。しかし一個人が大きすぎる力を持つのは危険として、力を7つに分割し、それぞれを剣豪ディスクに封印した。これを誰にも見つからない場所に厳重に隠したとされる。 現在は家族と連絡を取る事もできない極秘任務に就いている。愛からは「父さん」と呼ばれている。

神代 慧 (くましろ けい)

機関に所属しているエージェントの少女で、神代優の姉。剣豪ディスクへの適性が極めて高い、天才的剣士と評価されていた。かつて越境者との戦闘後、相手が戦意喪失したと見て油断したところを攻撃され、一命は取り留めたものの生命力を吸い取られる呪いを受けてしまい、以来仮死状態となっている。

鈴森 楓 (すずもり かえで)

小津野学園の2年B組に在籍している女子生徒。鈴森紅葉とは双子の姉妹で、紅葉とはコントラストが逆になっており、金髪で日焼けした褐色の肌をしている。神代優が転入した日、不用意に触れてしまった事で優から二度も組み伏せられているが、まったく気にしないおおらかな心を持っている。斑猫によって紅葉と共に憑依され、肉体を融合した状態で鬼塚愛と対決した。 津軽三味線部に所属している事から、優からは「三味線部さん」と呼ばれた。

鈴森 紅葉 (すずもり もみじ)

小津野学園の2年B組に在籍している女子生徒。鈴森楓とは双子の姉妹で、楓とはコントラストが逆になっており、茶髪で白い肌をしている。神代優が転入した日、楓が優に二度も組み伏せられているが、まったく気にしないおおらかな心を持っている。斑猫によって楓と共に憑依され、肉体を融合した状態で鬼塚愛と対決した。 津軽三味線部に所属している事から、優からは「三味線部さん」と呼ばれた。

葛城 (かつらぎ)

小津野学園の2年B組に在籍している女子生徒で、クラス委員を務めている。ビン底眼鏡で素顔が見えず、髪はうなじ付近で2つのお団子ヘアにしている。神代優が転入した日、頑なにギターケースの中を見せようとしない優を不審に思い、ケースの中を改めようとした。斑猫から解放されて意識を失っている鈴森楓と鈴森紅葉を発見した際、傍に落ちていた宮本武蔵の剣豪ディスクの欠片を拾った事で、斑猫の残留思念に憑依された。 鈴森楓、鈴森紅葉からは「いいんちょ」と呼ばれており、神代優からは「委員長さん」と呼ばれている。

吉野 知恵 (よしの ちえ)

小津野学園の2年H組に在籍している女子生徒で、女子剣道部員の一人。生駒かおりの性格や剣道部での振る舞いが急変した事で悩んでおり、鬼塚愛達が剣道場で密かに実戦稽古をしている姿を見かけたのをきっかけに、愛達に相談を持ちかけた。

生駒 かおり (いこま かおり)

小津野学園の3年生の女子で、女子剣道部部長を務めている。前年度の全国大会に出場した強者だが、強いだけではなく明るく優しい性格で、部員達に信頼を寄せられている。しかし3年生に進級した頃に勝虫に憑依され、「薩摩の剣豪の生まれ変わり」を名乗り、鹿児島弁らしき方言を用いて話すようになった。さらに練習がイジメと見紛うほど厳しくなり、部員から「元の生駒かおりに戻ってほしい」と切望されていた。

斑猫 (はんみょう)

会社から派遣された、宮本武蔵の剣豪ディスクを使用する越境者。神代優から逃れて小津野学園に潜伏していた。精神だけで人間界にやって来たため、鈴森楓、鈴森紅葉の二人に同時に憑依しており、完全憑依した際には楓と紅葉の肉体を一人分に融合して使用し、学園転入直後の優や慈英には気配を気取られずにいた。 本体の容姿については描写されていない。

(はに)

会社から派遣された、沖田総司の剣豪ディスクを使用する越境者。精神だけで人間界にやって来たため、小津野学園の女子生徒に憑依している。もともと呉須、銅藍とはチームであり、ほとんど横のつながりを持たない会社からの派遣越境者でありながら、例外的な存在。鬼塚愛の肉体に憑依しようと襲撃する。 本体の容姿については描写されていないが、一人称は「アタシ」となっている。

呉須 (ごす)

会社から派遣された、土方歳三の剣豪ディスクを使用する越境者。精神だけで人間界にやって来たため、小津野学園の女子生徒に憑依している。もともと埴、銅藍とはチームであり、ほとんど横のつながりを持たない会社からの派遣越境者でありながら、例外的な存在。鬼塚愛の肉体に憑依しようと襲撃する。 本体の容姿については描写されていないが、一人称は「オレ」となっている。

銅藍 (どうらん)

会社から派遣された、近藤勇の剣豪ディスクを使用する越境者。精神だけで人間界にやって来たため、小津野学園の男子生徒に憑依している。もともと埴、呉須とはチームであり、ほとんど横のつながりを持たない会社からの派遣越境者でありながら、例外的な存在。鬼塚愛の肉体に憑依しようと襲撃する。本体の容姿については描写されていないが、一人称は「ワシ」となっている。

勝虫 (かちむし)

会社から派遣された、東郷重位の剣豪ディスクを使用する越境者。精神だけで人間界にやって来たため、シーズの指示を受けて生駒かおりに憑依した。さらに生駒かおりを慕う小津野学園女子剣道部員達を追い詰める事で部員達の感情を、「いい味」が出る頃合いになるまで育てていた。不意を突き、神代優に心臓に達するほどのケガを負わせて出血多量に陥らせた。 「ごわす」を多用するエセ鹿児島弁を使用するが、鬼塚愛にその事を指摘されると激怒した。本体はトンボのような容姿をしている。

漁火 (いさりび)

会社に所属する越境者の女性。高位魔族のため、肉体ごと人間界にやって来る事ができる。結界の専門家であり、鬼塚愛達の間近に気配を悟らせる事なく出現する事もできる。間延びした口調で話すのが特徴。普段は髪に隠れているが、後頭部に巨大な口があり、それを開閉すると、漁火の近辺に存在する複数の人物ごと別の空間に移動する事ができる。

シーズ

会社の経営戦略担当重役として専務を務めている呪術師で、越境者の少女。高位魔族のため、肉体ごと人間界にやって来る事ができ、獣の四肢が生えた自走式ソファに座ったまま移動する。愛憎入り交じり目まぐるしく変化する人間の複雑な感情を完全に理解しており、勝虫に小津野学園女子剣道部員の感情を育てるよう指示していた。 人間の心理を研究するために観光地の視察に赴く事もある。神代慧に生命力を吸い取る呪いをかけた張本人であり、神代優にも同様の呪いをかけた。幼い容姿と呪術師という特性から肉弾戦能力を持たないと思われていたが、剣豪ディスク関羽雲頂を使用して戦う事ができる。

(えんじゅ)

シーズに付き従っている越境者で、鬼塚勇気に瓜二つの容姿を持った男性。高位魔族のため、肉体ごと人間界にやって来る事ができる。普段は頭部全体を覆う鉄製の仮面を着用しており、仮面とシーズ所有の魔法石によって能力を制御されている。当初は勇気本人ではないかと愛を当惑させたが、正体は会社製の合成魔獣に、鬼塚勇気が自ら力を分割して封印した7枚の剣豪ディスクの内、1枚を埋め込んで製造された闘士という事が判明した。 宝蔵院胤瞬の剣豪ディスクを用いて戦闘するが、シーズの所持する魔法石が砕かれると獣のような姿に変貌し、暴走する。

集団・組織

機関 (きかん)

神代優達が所属している組織で、越境者を元いた世界に送り返す役割を担っている。かつて存在した組織・怪奇警察サイポリスが解体、分裂した複数の組織の一つ。詳しい事は語られていないが、機関と同規模の組織が多数存在しているとされる。また、越境者とエージェントの戦闘による土地や建物の損傷は機関の職員によって速やかに修復される。

怪奇警察サイポリス (かいきけいさつさいぽりす)

かつて存在し、鬼塚勇気や神和住京子が若い頃所属していた機関の前身組織。戦闘力の高い戦士達が揃っていたが、それ故に怪奇警察サイポリスの戦士が結託すると国家転覆すら可能であるため、神代優達が生まれる前に解体され、機関をはじめとする複数の組織に分裂している。

会社 (かんぱにー)

シーズが専務を務めている組織。人間の感情を収穫し、白紙の剣豪ディスクに記録しては「感情の味」を希望する越境者に販売している。多数の越境者を雇用して、主に小津野学園に派遣している。しかし派遣者が、雇用契約に違反して会社の機密事項を外部に漏らすなどした場合、秘密裏に頭部に埋め込んである「機密を知った者を殺害し、その後自害する」ようにプログラムされていた剣豪ディスクが起動するよう仕組んでいる。 そのほかにも漁火の言動から、社内規則や雇用契約、定時退社などに厳しい様子が窺える。また派遣されている越境者のほとんどは横のつながりがなく、互いに本名も知らない。

場所

小津野学園 (おづのがくえん)

鬼塚愛、神代優が転入した共学高校。生徒の個性を最大限に引き出すという教育方針を掲げており、競技カルタ部、スポーツ吹き矢部、パルクール部など珍しいクラブ活動が揃っている。そのため感情が豊かで個性的な生徒が多く、会社から感情収穫のかっこうの「狩り場」として考えられている。学園の生徒全員が学園指定のスマートフォンを所持しており、個別にアドレスを割り当てられている。 また慈英は学内ネットに潜入し、その情報にアクセスする事ができる。

天狗の郷 (てんぐのさと)

憂流迦舞の郷里。小津野学園から距離的には離れていないが、次元自体が違うため遠いと言えば遠い場所にある。また天狗の郷と行き来するための通路の開きやすさは月や星の配置に左右されるため、行き来するにはタイミングが重要となる。

その他キーワード

剣豪ディスク (けんごうでぃすく)

人間が越境者と戦うために作り出した、古の剣豪の剣術の記憶が記録されている円盤状の武具。記録されている人物によって形状が違い、一見すると日本刀の鍔に見える。人間のための武具として開発されたが、膨大なエネルギーを記録する事ができる特性から、本来は精神体のみで人間の世界にやって来ていた越境者達がこの内蔵エネルギーを悪用し、人間やほかの生物に憑依する事で物理的な戦闘力を得てしまったという一面もある。 名刀「修羅王斬・葛丸」に宿った魂を本体として葛丸を製造した過程で確立した、「物の記憶を読み出す技術」が発展して生み出された。剣豪ディスクを使用しているあいだは、負傷しても傷口自体はすぐに塞がるが痛みはある。また、何も記録されていない剣豪ディスクには人間の感情を記録する事ができる。 その他、会社は派遣する越境者の頭部に「機密を漏らすなどした場合はそれを知った者を殺害し、その後自害する」ようにプログラムした剣豪ディスクを埋め込んでいるなど、剣技を取得する以外の用途でも使用されている。

周天丸 (しゅうてんまる)

鬼塚愛が所持している、一見なんの変哲もないけん玉。しかし慈英がスキャンした結果、構成している材質不明となり、神代優が愛を越境者ではないかと疑う一因となった。怪奇警察サイポリス所属時代に鬼塚勇気が使用していた法具で、振るう者の心と魂を力に変える心の剣として葛丸達には周知されている。 剣豪ディスクをけん先に通す事で、日本刀や弓など、ディスクに記録された技に適した形状へと変化する。また愛が二刀流を使用する際には、紐を切り離し、けんと玉それぞれに剣豪ディスクを合成させる。

アルゴー号 (あるごーごう)

機関の使用している移動基地。見た目にはごく普通の10トントラックのように見えるが、内部は何部屋にも分かれているほど広く、医療機器や談話室なども備えている。アルゴー号の中にいるあいだは、慈英は幼い少年の姿になる事ができる。

MORA (もうら)

機関の剣術修練用の防具。通常の物理的な衝撃をほぼ無効化できるが、打たれた痛みの感覚は伝わるように調整されている。鬼塚愛が葛丸に剣術指南を受けている際に着用していた。

魔法石 (まほうせき)

シーズが胸元に付けている、五角形の宝石。神代慧、神代優にかけられた呪いの本体であり、人の生命力を吸い取る呪術器でもある。また槐の能力を制御する核としても機能していたため、この魔法石が鬼塚愛に破壊された直後、槐が暴走した。

千里芭蕉 (せんりばしょう)

天狗の秘宝とされる大きな翼。この千里芭蕉を背に生やしていると、空間に抜け穴を作ってどこへでも移動する事ができる。鬼塚愛達にできる限りの力添えをしたいと願った憂流迦舞が、父親に土下座して頼み込み、借りて来た。

中村半次郎 (なかむらはんじろう)

神代優が越境者を探すため霊波反響(エコー)を行う際に使用する剣豪ディスク。薬丸自顕流(やくまるじげんりゅう)の剣技を使用する目的で用いられる事もあるが、戦闘を目的とした使用は少ない。実在の人物、桐野利秋がモチーフとなっている。

柳生十兵衛 (やぎゅうじゅうべえ)

神代優が戦闘時に使用する剣豪ディスク。新陰流の剣技を使える強力な剣豪ディスクだが、戦闘をメインとした使用になるため優との相性はいいと言えず、柳生十兵衛のディスクを使用した際、優の動きは中村半次郎を使用した時よりも硬くなるといわれている。鬼塚愛が柳生連也斎と共に二刀流として使用する事もある。実在の人物、柳生三厳がモチーフとなっている。

飯篠長威斎 (いいざさちょういさい)

神代優が詳細な霊波反響(エコー)を行う際に使用する剣豪ディスク。香取神道流の、神道と真言密教の秘儀を組み合わせた破魔の剣術を使用する事ができる。実在の人物、飯篠家直がモチーフとなっている。

柳生連也斎 (やぎゅうれんやさい)

鬼塚愛が初めての戦闘時から使用している剣豪ディスク。新陰流の剣技を使用できるうえ、愛は新陰流の極意である転をも会得する事ができる。実在の人物、柳生厳包がモチーフとなっている。

丸目蔵人佐 (まるめくらんどのすけ)

憂流迦舞が使用する剣豪ディスク。タイ捨流の剣技を使用する事ができる。またモチーフ元である丸目長恵の逸話により、憑きもの落としを行う事も可能となっている。実在の人物、丸目長恵がモチーフとなっている。

源頼政 (みなもとのよりまさ)

神和住京子が使用する剣豪ディスク。法具にセットした際、日本刀ではなく強弓の形に変化する。シーズの魔法石を射抜く際は、鬼塚愛が使用した。実在の人物、源頼政がモチーフとなっている。

上泉伊勢守信綱 (かみいずみいせのかみのぶつな)

葛丸が槐との戦闘の際に使用する剣豪ディスク。新陰流の開祖の剣技を使用する事ができる。また槐の使用する宝蔵院胤瞬の剣豪ディスクとは、モチーフとなった実在人物の関係性が弟子の弟子という事で非常に相性がいい。槐との最終決戦の際には、鬼塚愛が使用した。実在の人物、上泉信綱がモチーフとなっている。

松林蝙也斎 (まつばやしへんやさい)

葛丸がシーズとの戦闘の際に使用する剣豪ディスク。夢想願流の剣技を使用できると共に、突出した身体能力を発揮できるようになる。実在の人物、松林蝙也斎がモチーフとなっている。

宮本武蔵 (みやもとむさし)

斑猫が使用する剣豪ディスク。2枚1組の剣豪ディスクで、二天一流の剣技を使用する事ができる。またこの剣豪ディスクを複数人で分割所持していると、神代優や慈英の霊波反響(エコー)でも探査が不可能となる。実在の人物、宮本武蔵がモチーフとなっている。

沖田総司 (おきたそうじ)

埴が使用する剣豪ディスク。天然理心流の剣技を使用する事ができ、また一拍のあいだに三度の突きを繰り出す「無明剣三段突き」も会得できる。「多人数で一人を囲んで確実に倒す技術」と慈英からも評価されている。実在の人物、沖田総司がモチーフとなっている。

土方歳三 (ひじかたとしぞう)

呉須が使用する剣豪ディスク。天然理心流の剣技を使用する事ができ、「死を恐れぬ胆力の剣」とも評される。さらに「多人数で一人を囲んで確実に倒す技術」と慈英からも評価されている。実在の人物、土方歳三がモチーフとなっている。

近藤勇 (こんどういさみ)

銅藍が使用する剣豪ディスク。天然理心流の剣技を使用する事ができ、「場を圧する気迫の剣」とも評される。さらに「多人数で一人を囲んで確実に倒す技術」と慈英からも評価されている。実在の人物、近藤勇がモチーフとなっている。

東郷重位 (とうごうちゅうい)

勝虫が使用する剣豪ディスク。示現流の剣技を使用する事ができるほか、稲妻のような速さで斬り込む「雲燿(うんよう)の剣」を会得する事ができる。実在の人物、東郷重位がモチーフとなっている。

関羽雲頂 (かんううんちょう)

シーズが使用する剣豪ディスク。使用の際は日本刀ではなく、青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)の形に変化し、さらにシーズの使用している自走式ソファが馬の形態に変化する。実在の人物、関羽がモチーフとなっている。

宝蔵院胤瞬 (ほうぞういんいんしゅん)

槐が使用する剣豪ディスク。使用の際は日本刀ではなく、十文字槍の形に変化する。宝蔵院流槍術を使用できるが、突き、薙ぎ、引き、さらに身法に至るまで会得できるため、すべての間合いで死角が生まれない。実在の人物、胤舜がモチーフとなっている。

(おに)

鬼塚愛、鬼塚勇気が血を引いている、越境者の一種族。非常に力を持っている種族だが、野生動物に見られる「強い獣が弱い獣をむやみに傷つけない本能」に似た特性を持っており、人間と争いにならないよう「人間を魅了する」魔力が備わっているのではないかと考えられている。

天狗 (てんぐ)

憂流迦舞が属する越境者の一種族。信義を重んじる種族で、舞は鬼塚愛と神代優に命を助けられた恩を返すため仲間になった。鼻が長いのは男性だけで、女性の鼻は通常の人間と変わらない。さらに、天狗族は姿を自在に変える事ができると舞は語っている。また、ストレートの黒髪の人物が主流で、舞のように縦巻ロールの金髪を持っている天狗は、舞以外に数百年生まれていないとされる。

越境者 (えっきょうしゃ)

妖怪、魔物、悪魔、妖精など、異界から人間界へ来訪する者達の総称。本来異世界から人間界へやって来るのは極めて難しく、多くの場合精神だけで行われる。そのため物理的な戦闘力を保持する目的で、剣豪ディスクに内蔵されたエネルギーを悪用し、人間に憑依する者が多い。越境者は憑依する人間の個性や能力、素質によって、人間界で引き出せる能力が大きく変化するとされている。 そのため斑猫、埴、呉須、銅藍は「美しすぎる」という個性と鬼の血を引いているという点に目をつけ、鬼塚愛の肉体に憑依しようと襲撃した。

半月之剣 (はんげつのけん)

神代優が飯篠長威斎の剣豪ディスクを使用した際に使う事のできる技。降魔の型の極意とされ、半月之剣を使用すると、慈英が周囲の霊波反響(エコー)を検出し、越境者の場所を特定する事ができる。しかし小津野学園は龍脈の影響が強いため、慈英の能力でも詳細な位置の特定はできない。

(まろばし)

鬼塚愛が柳生連也斎の剣豪ディスクを使用している際に使う事のできる、新陰流(しんかげりゅう)の極意。相手が斬り込んで来る剣に応じる形で、自在に相手を翻弄し、その中で相手に気取られる事なく撃破する。

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