オレん家のフロ事情

オレん家のフロ事情

気ままな一人暮らしを送る男子高校生龍巳が、介抱したことをきっかけに風呂場に住み着いた美青年人魚若狭や彼の仲間たちと過ごすドタバタな日常を描く4コマ形式のコメディ漫画。いときちの初コミックス作品。登場人物の多くが海の生き物が人化したイケメンで構成された女性向けの作風となっているほか、物語の大半が狭い風呂場で展開されるというユニークな特徴もある。

正式名称
オレん家のフロ事情
ふりがな
おれんちのふろじじょう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
MFコミックス ジーンシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊3巻
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概要・あらすじ

男子高校生の龍巳は、通学のため亡き祖父母が住んでいた一軒家で一人暮らしをしながら、気ままな毎日を過ごしていた。ある日、龍巳は近くの川で倒れている青年若狭を発見し、自宅で介抱することにしたが、家に運びこんだ段階で初めて若狭が人魚であることに気づく。若狭は瀕死の状態だったが、龍巳にあれこれと注文をつけて用意してもらったお風呂に入ったことで一命をとりとめる。

そして、お風呂と龍巳のことが気に入った彼は、なし崩し的に風呂場に居候するようになった。ワガママな若狭に振り回されながらも、彼の愛嬌に負けて甲斐甲斐しく世話を焼く龍巳だったが、そこへタコの鷹巣やクラゲの三国といった若狭の友人や、龍巳の妹であるも押しかけるようになり、龍巳家の小さな風呂場はますます賑やかとなっていく。

登場人物・キャラクター

龍巳 (たつみ)

他界した祖父母の一軒家に通学のために1人で住んでいる男子高校生で、ボサボサでショートカットの黒髪とクマをたくわえた物憂げな目が特徴。クールな性格だが一人暮らしをしている事情から家庭的で、家事全般と料理が得意。近くの川で倒れていた若狭を助けたことをきっかけに彼が風呂場に住み着いてしまい、さまざまな海の生き物たちと交流する共同生活を送ることになる。 ぬるぬるしたものが苦手で、若狭の肌に触ることにも抵抗を覚えている。また、酒屋でアルバイトをしているが、若狭が居候している影響で家計は厳しく、日々倹約に努めている。なお、親族には月に1度家へやってくる妹の霞や、怪しい薬を開発するおじの久虎おじさんがいる。

若狭 (わかさ)

上半身は人間、下半身は魚の人魚で、金髪のポニーテールと端正な顔立ちを備えたイケメン。かつてはダムの周辺で暮らしていたが、近隣住民に噂されるようになり、下流にある川まで逃げてきた。しかし、川の劣悪な環境から行き倒れてしまい、龍巳に救助されたことをきっかけに風呂場へ住み着くようになる。 性格はワガママで子供っぽいが、純真で優しい性格の持ち主で、龍巳とは良好な関係を築いている。しかし、身体の保湿のために粘液で身体を包んでいることから、ぬるぬるしたものが苦手な龍巳に避けられる場面もある。また、かなりの長い年月を生きていることから交友関係が広く、龍巳家の風呂場には多くの海の生物が友人として訪れている。 なお、髪質を気にしたり、週刊誌やドラマに関心があったりといった女性的な一面も持っており、霞ともすぐに意気投合した。

鷹巣 (たかす)

若狭の友人の1人で、下半身に赤い触手を生やしたタコのイケメン。上半身は褐色で、赤い髪をまとめたバンダナがトレードマーク。吸盤を使ったタコツボマッサージが得意で、龍巳の疲れを癒やそうと考えた若狭が龍巳家の風呂場に呼び寄せたが、ワイルドで図々しい性格からトラブルを起こしてしまう。 その後も頻繁に風呂場へ出没し、若狭とつるんでさまざまな遊びに興じている。また、手先が非常に器用で、電化製品を瞬時に修復したり、風呂場に本格的なペイントを施したりといった芸当を披露している。一方、狭いところが大好きで思わず入り込んでしまう癖もある。

三国 (みくに)

若狭の友人の1人で、透明でぷるぷるしたクラゲのイケメン。身体の境目があいまいで、顔から下は髪の毛に包み込まれるような風貌となっている。また、身体の99%が水分で構成されており、水分量によって体格が変化する。分裂することも可能で、龍巳家に小さな三国が大量発生したこともあった。 性格は癒やしを感じるほど温厚でいつも笑顔な反面、触れた相手をシビレさせてしまうという相反する特性も持っている。登場時は龍巳に幽霊と勘違いされていたが、控えめな態度から龍巳に気に入られ、風呂場によく現れるようになる。

真木 (まき)

若狭の友人の1人で、手のひらサイズの貝から上半身を出している巻貝のイケメン。緑色でボサボサの髪をツインテールにしており、極度の近眼からいつも丸メガネをかけている。龍巳家の前で子供たちにいじめられていたところを龍巳に救出されたことをきっかけに、風呂場に入り浸るようになった。 性格は非常にネガティブで、嫌なことがあるとすぐ貝のなかに閉じこもってしまう。一方で、環境に左右されやすく、龍巳にブラッシングしてもらったときやトゲ付きの貝に引っ越ししたときは性格を豹変させている。また、若狭のせいで発生した風呂場のぬめりを食べてくれることから、龍巳には重宝されている。

五郎丸 (ごろうまる)

柔らかい身体で壁にくっつくのが得意なヒトデの美少年で、若狭の後輩にあたる人物。星形に整えた赤い髪と麻呂眉が特徴で、老人のような口調で喋る。影が薄く、龍巳家の風呂場を訪れた際にはなかなか気づいてもらえずに怒っていたが、兄のように優しく接してくれる龍巳に感銘を受け、彼を「兄者」と慕いながら頻繁に顔を出すようになる。 また、龍巳に肩車してもらうポジションがお気に入り。霞に一目惚れしており、不器用ながら猛アタックをかける肉食系な一面も見せている。

安賀里 (あがり)

強靭な身体と鋭い牙を持つサメのイケメンで、若狭の友人の1人。サメを題材にした有名なパニック映画は彼をモデルにして製作されたと言われているほどで、若狭からは「センパイ」と慕われている。前髪をかきあげた黒のロングヘアーで、流し目の下にあるエラと、上下に大きく開く口が特徴。寡黙で恐ろしげな外見とは裏腹にシャイな性格で、ボディランゲージでしか感情を表現できない。 大食漢で食料を求めて龍巳家を訪れたことをきっかけにたびたび出没するようになる。なお、空腹時には唸り声のように腹を鳴らす。

越前 (えちぜん)

若狭の友人の1人で、下半身に硬い甲殻とハサミを持ったカニのイケメン。白と紫のグラデーションになったロングヘアで、泣きぼくろがトレードマーク。ハサミの斬れ味は鋭く、分厚い辞書も瞬時に切り刻んでしまう。性格はキザで、初登場時はハンモックに絡まって出られなくなった若狭を言葉攻めにして楽しむサディストな一面も見せた。 一方、定期的に行う脱皮時には弱ってしまうため、若狭に守ってもらっていた過去もある。人間と共に暮らすことに異議を唱え、若狭を人間のテリトリーから連れ戻そうとしていたが、酸欠で泡を吹いて倒れたところを龍巳に看病してもらったことで人の縁を感じ、以降は風呂場に出没するようになる。

(かすみ)

『オレん家のフロ事情』の登場人物で、龍巳の妹にあたる少女。黒髪のツインテールで、身長は龍巳の腰ほどと非常に低い。両親の事情から第三日曜日に龍巳が預かることになっている。子供らしい無邪気さと女性的なしたたかさが混在した性格で、龍巳の脱いだシャツに顔をうずめるほどの重度なブラコン。そのため、兄に近寄る相手には容赦がなく、居候している若狭をライバル視していた。 しかし、彼の純真な態度に懐柔され、のちに女友達のような関係を築くようになる。一方、好意を寄せられている五郎丸に対してはそっけない態度で接している。なお、龍巳以外で若狭たち人外の存在を知る唯一の人間である。

聡介 (そうすけ)

龍巳のクラスメイトで、センター分けの金髪が特徴の男子高校生。龍巳とは友人関係にあるが、若狭たち人外の存在は知らず、彼らの目撃情報や噂を龍巳に持ちこむことも多い。お調子者で軽いノリの性格だが家柄は良く、龍巳が家に招かれた際はその豪邸ぶりと巨大な風呂に感動していた。 なお、美人な2人の姉がおり、初対面の龍巳に色目を使おうとした場面もあった。

久虎おじさん (ひさとらおじさん)

龍巳のおじにあたる男性で、龍巳のことを「龍坊(たつぼう)」と呼ぶ。ぼさぼさのロングヘアに無精髭に白衣というルーズな出で立ちで怪しげな薬を日々開発しており、実験台として龍巳をよく利用している。しかし、薬がうまく機能したことはなく、いつもトラブルを引き起こすきっかけとなっている。 そのため、龍巳には避けられているが、彼の中学時代の恥ずかしいエピソードを握っており、半ば強引に手伝わせている。

蔵山さん (くらやまさん)

龍巳家の隣に住む若い女性で、前髪を切り揃えたストレートロングの黒髪とタレ目が特徴のお姉さん。フレンドリーな性格で龍巳にも親しく接しているが、異性として認識していないのかスキンシップが激しい面があり、龍巳が手料理をおすそわけしたときには抱きついて彼を動揺させている。

書誌情報

オレん家のフロ事情 3巻 KADOKAWA〈MFコミックス ジーンシリーズ〉

第1巻

(2012-03-27発行、 978-4040665832)

第2巻

(2012-10-27発行、 978-4040665849)

第3巻

(2013-05-27発行、 978-4040665856)

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