カバチタレ!

カバチタレ!

のちにシリーズ化される、原作・田島隆、漫画・東風孝広による「カバチタレ!」シリーズの第1弾。行政書士・大野勇の下、補助者として働き始めた田村勝弘。法律家の仕事を学びながら、田村が窮状にあえぐ人々のために日夜奔走する職業漫画。本編には同作者コンビの『極悪がんぼ』、監修者・青木雄二の『ナニワ金融道』の登場人物がしばしば顔を出す。講談社「モーニング」1999年第23号から連載。

正式名称
カバチタレ!
ふりがな
かばちたれ
原作者
田島 隆
漫画
ジャンル
その他医療・福祉・社会
関連商品
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概要・あらすじ

給料が支払われないまま勤め先の清掃会社をクビになった青年、田村勝弘田村は自分の窮状をたった書類1枚で救った大野勇との出会いから、行政書士という仕事に関心を持つ。観察力と熱意を買われて大野の行政書士事務所に雇われた田村は、栄田千春ら先輩に助けられながら法律の世界に飛び込んだ。そんな田村の前で繰り広げられるのは、切羽つまった庶民たちの修羅場。

悪徳業者の食い物にされる平凡な市民、資金繰りに行き詰まって自殺未遂を起こす零細経営者、遺産相続に目の色を変え争う家族、DV離婚して極貧にあえぐ母子家庭などが、次々と田村たちの依頼者になる。固い信念を持つ大野の下、田村はプロの法律家としての心得を学んでいくのだった。

登場人物・キャラクター

田村 勝弘 (たむら かつひろ)

行政書士大野勇事務所に勤務する青年。ビル清掃員だった頃に書類1枚で自分の未払い給与を取り返した大野勇と出会い、それを機に人助けを志して行政書士を目指すようになった。持ち前の観察力と心意気が見込まれて採用され、補助者としてもっぱら栄田千春と行動をともにする。しばしば正義感から業務の枠を超えて独断で行動、上司の重森寛治に叱責されることも。 懇意にしていた真木一典の食堂が食中毒を起こした件では、賠償請求の手続きを拒否して大野に辞表を提出した。だが、さまざまな実務経験を経て、法律家としての心得を自分なりに磨いていく。

大野 勇 (おおの いさむ)

行政書士であり、広島市中区で行政書士大野勇事務所を構える。世間の裏表を知り尽くしたベテランで、田村勝弘はじめ事務所所員らのよき理解者。中卒で港湾労働者となった後、さまざまな変転を経て行政書士・坂本に師事、後に独立した。事務所の実務は重森寛治に管理を一任。 だが事務所の看板に泥を塗る相手は自ら率先して徹底的に追いつめる。

栄田 千春 (さかえだ ちはる)

行政書士大野勇事務所に勤務する30代半ばの独身男性。田村勝弘の教育係でもある。田村にとって理解のある先輩だが、強面で女性に縁がない。幼い頃に父親が飲み屋をつぶしたため、家族で夜逃げした後、父親による家庭内暴力のなかで育った。そのため暴力を嫌っており、あるときの依頼者・三重夫婦のDVを巡っては、離婚するよう妻・切子を説得。 復縁させようとする重森寛治に辞表を書いて対立した。

金田 銀四郎 (かねだ ぎんしろう)

行政書士大野勇事務所に勤務する。栄田千春より年下だが、大野事務所では先輩。行政書士と社会保険労務士の資格を持ち、労働問題に強い。まれに田村勝弘とも組み、親身にアドバイスする。勉強家肌だが、流川の貴公子を自称して合コンによく参加するというナンパな一面も。坂本の入院を受けてもみじ行政書士事務所の代理所長を務めた後、手腕と心意気を買われて同事務所の所長として独立する。

重森 寛治 (しげもり かんじ)

行政書士大野勇事務所に勤務し、大野から事務所の切り盛りを任されている。責任感が強く部下思いだが、情や信念にかられた田村勝弘、栄田千春らの行動を厳しく諫めることしばしば。苦楽をともにした夫婦は幸せになるという持論を持ち、あるときの依頼者・三重夫婦のDVを巡って、考えの異なる栄田と対立した。

検備沢 太郎 (けびさわ たろう)

行政書士大野勇事務所と協力関係にある弁護士で、案件が刑事事件に発展した際などに弁護士の立場で解決を図る。大野事務所の依頼人・脆弱石材の脆井社長が冤罪で勾留された際には、警察署に乗り込んで釈放させた。大野勇を勇ちゃんと呼ぶ。

坂本 (さかもと)

行政書士で、もみじ行政書士事務所を構える。かつて大野勇は坂本の下で見習いをしていた。病気で入院することになり、助っ人を頼まれた大野事務所から行政書士の資格を持つ金田銀四郎と田村勝弘がもみじ行政書士事務所に出向。坂本は代理所長を務めた金田の仕事ぶりと心意気を認め、所長の座を譲る。

股倉 玉男 (またくら たまお)

田村勝弘が初めて担当した依頼人。テレクラで出会った相手が美人局で慰謝料を請求され、田村が奔走しているにもかかわらず、自分から悪徳業者にカネを支払ってしまう。後に出張ホスト商法に引っかかった挙げ句、未成年との淫行が発覚して逮捕される。しばらくして、痴漢冤罪の被害者として田村に解決を依頼、今度は無事に告訴取り下げを勝ち取った。

希美 (のぞみ)

行政書士大野勇事務所の面々が行きつけのスナック・女郎蜘蛛の店員。栄田千春が口説いていた。情夫の茸本が事件屋の金子に借金があり、紆余曲折を経て九州・ポコポコ温泉の枕芸者として置屋に売られることに。田村勝弘は自己破産の手続きを整えて救出に向かうが、希美は茸本への未練から置屋に残る決心をする。

集団・組織

行政書士大野勇事務所 (ぎょうせいしょしおおのいさむじむしょ)

『カバチタレ!』に登場する会社。大野勇が広島市中区の雑居ビルで開業している行政書士事務所。大野事務所との略称で呼ばれることも。表の看板には「大野経営コンサルタント 行政書士大野事務所」とある。重森寛治、金田銀四郎、栄田千春、田村勝弘らが勤務。大野の恩師・坂本が営むもみじ行政書士事務所と協力関係にある。

クレジット

原作

監修

続編

特上カバチ!!-カバチタレ!2- (とくじょうかばち かばちたれ つー)

原作者の田島隆、漫画家の東風孝広の代表作「カバチタレ!」シリーズ第2弾。『カバチタレ!』の続編で、次作は『カバチ!!!-カバチタレ!3-』。舞台は現代の広島市の行政書士事務所。法律を知れば、これまで泣... 関連ページ:特上カバチ!!-カバチタレ!2-

カバチ!!!-カバチタレ!3- (かばち かばちたれ すりー)

原作者の田島隆、漫画家の東風孝広の代表作「カバチタレ!」シリーズ第3弾で、『特上カバチ!!-カバチタレ!2-』の続編。行政書士大野勇事務所の所長となった田村勝弘。貫禄不足で事務所運営に四苦八苦しながら... 関連ページ:カバチ!!!-カバチタレ!3-

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