ガチャガチャ

ガチャガチャ

新開発のゲーム機「GACHA2」が引き起こすトラブルに巻き込まれる、高校生たちの顛末を描いたラブ・コメディ。前半と後半で登場人物の違う、2編の長編からなるオムニバス作品。「週刊少年マガジン」に2002年第36・37合併号から2003年第29号にかけて、「マガジンスペシャル」2003年No.8から2007年No.11にかけて掲載された。

正式名称
ガチャガチャ
ふりがな
がちゃがちゃ
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

前半

夏休みを3日後に控えた南場コウヘイは幼なじみの花園クララを海へ誘うが、母親の仕事の都合でハワイに行くと断られてしまう。クララのことを気にかけたまま1人夏休みを過ごしていたコウヘイは、登校日にクララと待望の再会を果たす。さばさばした性格のクララは普段と変わらないように見えたが、コウヘイとの会話中、突然別人のように色っぽい態度になってしまう。

後半

登下校中の駅で、初芝晃はクラスメイトの桜庭ユリカを見かける。偶然階段から降りてくるユリカの下着を見てしまった晃はうろたえ、そのことをユリカに気づかれてしまう。学校でも気まずいムードになる2人。その日の放課後、晃はビデオショップでアダルトビデオを借りようとしているところをユリカに見られてしまう。困った様子で立ち去るユリカを見送るしかない晃は、気晴らしに友人とともに「GACHA2」で遊ぶことにするが、ゲーム時のエラーで遊べなくなってしまう。家に帰った晃は最悪な気分のまま眠りにつく。翌日目覚めると、晃はどういうわけか女の子になっていた。

登場人物・キャラクター

南場 コウヘイ (なんば こうへい)

前半に登場する。元気のいっぱいの高校1年生の男子。花園クララとは幼なじみで、気軽に話せる友人。内心の動揺を隠すことが苦手で、困ったことがあるとつい顔に出てしまう。夏休みの登校日の帰り、突然色っぽくなったクララの誘いに乗ったことをきっかけに、クララが隠しているある事柄を知る。それ以来クララの隠し事が周りにばれないよう、フォローするようになる。 クララと行動をともにする本当の理由は、彼女に想いを寄せていることをごまかすため。意を決してクララに気持ちを伝えようとすることもあるが、そのたびに周りの人々や状況に邪魔されてしまう。牛丼が好物で、肉の焼き方にはこだわりがある。

花園 クララ (はなぞの くらら)

前半に登場する。南場コウヘイの幼なじみで、同じ高校に通う同級生の女子。さばさばとした性格で、コウヘイに対しては少年に接するような話し方をする。恋愛や色っぽいことは不得手で、そうした場面になるとぶっきらぼうな態度になったり、相手を殴り飛ばしたりしてしまう。ある出来事が原因で、花園クララ自らの意思に関係なく、性格や年齢の違う複数の人格に変化するようになってしまう。 学校ではこの事実を知っているコウヘイに変化した時のフォローを頼んでいる。ちなみにクララは人格が変化している間のことはまったく覚えていない。色っぽい別人格がコウヘイを誘っている最中に、突然本来の人格に戻るというのがお約束で、そのたびに我に返ったクララにコウヘイは殴られている。

初芝 晃 (はつしば あきら)

後半に登場する。女子に興味深々な男子高校生。桜庭ユリカに憧れながらも、付き合うことは半ば諦めている。通学中にユリカのスカートの中が少し見えただけでうろたえたり、レンタルビデオ店の店員が女性だとエッチなビデオを借りられなかったりと、やや気が弱い面もある。「GACHA2」をプレイした翌朝、目覚めると「GACHA2」の案内係の少女の姿になっていた。 それから、くしゃみをするたびに女性と男性の身体に入れ替わるようになってしまう。女性の姿になると「アキラ」を名乗る。

アキラ

後半に登場する。初芝晃の女性に変身した時の姿で、「GACHA2」のコンパニオンの少女にとてもよく似ている。桜庭ユリカの家の喫茶店を訪れ、女性としてユリカと仲良くなる。アキラの姿でユリカと行動をともにする機会も多く、男性には見せない、ユリカの素のままの飾らない姿を目にすることになる。

桜庭 ユリカ (さくらば ゆりか)

後半に登場する。身長170センチの長身で、スタイル抜群の美少女。男子からは学校で一番カワイイと噂されている。叔父がマスターを務める喫茶店を兼ねた家に住んでおり、時々店の手伝いをしている。店に来たアキラと仲良くなるが、初芝晃とアキラが同一人物だとは気づいていない。アキラのことを気に入っており、アキラの前では素のままの飾らない姿を見せる。 ケーキは食べるのも作るのも好きで、オリジナルのケーキを作ったりもしている。

ARISA (ありさ)

前半に登場する。花園クララの中の人格の1人。恋愛や色っぽいことが不得手なクララとは真逆で、色気の過ぎた言動が特徴。人格が入れ替わるなり、自転車の後ろから胸を押し付けたり、キャミソールの肩紐を下ろしたりと分かりやすい行動で南場コウヘイを誘う。誘う相手は一緒に行動しているコウヘイである場合が多いが、プールで知らない男性を逆ナンするなど、基本的に相手を選ばない。 あらゆる場面で煽情的に色気を振りまくため、フォロー役であるコウヘイは何かとペースを乱されてしまう。

ALICE (ありす)

前半に登場する。花園クララの中の人格の1人。明るくて素直な性格。ALICE自身は、14歳の中学2年生と思っており、南場コウヘイとは家庭教師と生徒の関係という設定で、コウヘイのことを先生として慕っている。しばしば下着が見えたり、胸があらわになったりするのは、自分の発育が良いせいだと考えており、指摘されるたびにこれを理由に謝罪している。 男性の身体に興味を抱き、コウヘイにストレートに質問をぶつける。

RIN (りん)

前半に登場する。花園クララの中の人格の1人。RIN自身は、真撃暫空手8段の腕を持つ18歳の格闘家と思っており、常に強い者を求めて世界中を旅しているという設定になっている。彼女の繰り出す突きと蹴りは、切れが良く非常に強力。好戦的で出会った相手とすぐに戦おうとする危険な人物。弱点は胸で、戦闘中にわしづかみにされるととたんに弱くなる。

花園 花梨 (はなぞの かりん)

前半に登場する。花園クララの母親。若々しく、高校生の娘がいるとは思えない容姿の女性。自宅でも仕事場でも、カジュアルで露出が多めの服を好んで着ている。有名ゲームメーカー「Rose」の開発主任で、ゲーム機「GACHA2」の開発者。クララの中にたくさんの人格がいる事情をよく知っている。

梅田 亮 (うめだ りょう)

前半に登場する。南場コウヘイの親友で同級生の男子。クラスの女子から「学校中で彼氏にしたくない男No.1」というありがたくない称号を付けられている。コウヘイの花園クララの奴隷という立場に少しだけあこがれている。クララと一緒に日直当番した時に、たびたび普段と違う言動のクララのことを怪訝に思いつつも、自分に惚れたからだと的外れな解釈をするなど、思い込みが激しい性格。

リオ

前半に登場する。花園クララの同級生の女子。夏休みが始まる前の教室で、クララや怜と一緒に雑誌を見てはしゃいでいた。放課後に水着を見に行こうとクララを誘うが断られてしまう。エッチな話が苦手で彼氏を作るのが面倒と言うクララに対し、「宝の持ち腐れ」と残念がる。

(れい)

前半に登場する。花園クララの同級生の女子。夏休みが始まる前の教室で、クララやリオと一緒に雑誌を見てはしゃいでいた。雑談の合間にクララの胸を揉み、彼女の驚く反応を楽しんでいる。新しい水着に興味がないというクララの胸を揉みしだきながら、ビキニが似合うと断言する。

瀬戸 カオリ (せと かおり)

前半に登場する。南場コウヘイの通う高校に、新しく赴任してきた女性養護教諭。大きく美しい胸と見事な脚線美の持ち主。学生の質問に対しては、その都度解決策を調べて個別に答えるなど、面倒見が良い優しい女性。職業柄、学生の少しの変化にも敏感に気づく。

野田 大造 (のだ たいぞう)

前半に登場する。南場コウヘイの同級生の男子。学園祭での演劇で、花園クララの相手役に選ばれる。中学生時代からサッカーをしており、全国大会準優勝まで勝ち進んだことがある。高校のサッカー部でも、1年生からレギュラーの座を勝ち取っている。明るい雰囲気が魅力的なイケメンで、クラスの女子からの人気も高い。演劇の練習中、RINの人格に入れ替わったクララの蹴りを目撃し、クララの意外な一面を見たと好意を抱くようになる。

ユウ

前半に登場する。南場コウヘイの同級生の男子。夏休みの始まる前、花園クララと怜とリオが水着の話をしているのを聞きつけ、梅田亮と一緒になって、クララを海に誘うようコウヘイを焚きつける。結局クララには断られてしまったため、コウヘイや亮と一緒に、男だけのむなしい夏休みを過ごすことになってしまう。

ニャー

前半に登場する。花園クララの中の人格の1人というより猫そのもの。この人格が出ている間は、行動パターンも興味の対象も完全に猫になる。南場コウヘイとクララが勉強会をしていた時に突如現れ、コウヘイが居眠りしている間に1人で外に飛び出してしまう。その後近所のボス猫と勝負をして、見事勝利を収める。

玲音奈・グレース・常磐 (れおなぐれーすときわ)

前半に登場する。南場コウヘイのクラスに転入してきた女子。アメリカからやって来た日系4世で、クールな雰囲気の黒髪の美しい少女。IQ200の天才で頭脳明晰かつスポーツ万能、そのうえ日本語も完璧だが、箸を使うことだけは苦手。花園花梨の友達の娘で、花園家の2階にホームステイしている。情報処理のエキスパートで、部屋に自分で組み立てたPCを持ち込んでいる。 合気四条流の使い手で、その腕前はRINと互角に戦えるほど。

ORIGINAL4 (おりじなるふぉー)

前半に登場する。花園クララの人格交代を治すために、「GACHA2」にシンクロした南場コウヘイが出会った人格。クララに現れる人格のAIの基礎となる人格で、4つのAIで一組のシステムを成している。進化と成長をすることから、より人間に近いとされている。とても危険なAIで注意が必要だが、彼らの本当の意図は「GACHA2」の開発関係者にも分からない。 シンクロ時に出現した後は、クララの身体を使い現実にもたびたび現れるようになる。

AYAME (あやめ)

前半に登場する。花園クララに現れる「ORIGINAL4」の人格の1人。くノ一であり、卓越した身体能力を持っているため、神出鬼没とも思えるほど行動が素早い。クララの身体を使って現れる時は、やや冷淡な雰囲気の女性の姿をとる。

キリコ

前半に登場する。花園クララに現れる「ORIGINAL4」の人格の1人。明るくよくしゃべる人懐っこい少女。大阪の西九条の出身だと自己紹介で話し、関西弁でしゃべる。クララの身体を使っているが、外見が変化した姿のため、コウヘイはしばらくの間、キリコが「ORIGINAL4」だとは思わなかった。

蘭々 (らんらん)

前半に登場する。花園クララに現れる「ORIGINAL4」の人格の1人。髪をシニヨンにまとめた可愛らしい姿で現れた。酔拳の使い手で、出会うなり南場コウヘイを蹴り飛ばした。冷蔵庫から酒瓶を勝手に持ち出し、絶え間なく酒を飲み続ける酒豪。ちなみに蘭々の人格の時に酒に酔っていても、クララに戻ったり、他の人格に替わったりすると酔いが醒める。

コード01 (こーどぜろわん)

前半に登場する。花園クララに現れる「ORIGINAL4」の人格の1人。クララの言動に違和感を感じた南場コウヘイによって、その存在を見抜かれる。コード01は自らのことをクララの完全なコピーだと語っており、実際に花園花梨も玲音奈・グレース・常磐も人格がクララと入れ替わっていることに気づかなかった。 顔や身体を持たないため、出現時も外見はクララのままである。本来のクララに替わって、AIであるコード01自身が本物のクララになっても構わないという考えを持っている。

菊池 正宗 (きくち まさむね)

後半に登場する。初芝晃のクラスメイトにして親友の男子。小柄で可愛らしいタイプ。温泉付きの豪華な別荘を持つ、裕福な家の子息。アキラのことが好きになってしまい、告白するが断られてしまう。森の院ミツバは、親の決めた許嫁である。

椿とモモコ (つばきとももこ)

後半に登場する。桜庭ユリカの同級生の女子たちで、2人で一緒に行動することが多い。ユリカとも仲が良く、一緒に買い物に出かけることもある。ユリカやアキラにちょっとしたいたずらを仕掛けるなど、女性だけの場面ではおちゃめな一面も見せる。

桜庭ユリカの叔父

後半に登場する。桜庭ユリカの叔父。喫茶店「ロックストックカフェ」のマスターを務める大柄で強面の男性。初芝晃のクラスが文化祭でカフェを出すことになり、コーヒーの淹れ方の指導をした際には、厳しいスパルタ指導で男子生徒たちを怖がらせた。晃にたまに店の手伝いを頼んでいる。姉の桜庭蘭には弱い。

桜庭 杏樹 (さくらば あんじゅ)

後半に登場する。桜庭ユリカの妹。初芝晃との初対面の際、ボーイッシュな服装だったため、しばらくの間、晃に男性だと思われていた。フランスに長く住んでいたため、日本の実情にはややうとい。のちに晃やユリカと同じ高校に通うことになる。

森の院 ミツバ (もりのいん みつば)

後半に登場する。菊池正宗の許嫁だが、これは親の決めたこと。そのため正宗は森の院ミツバのことを煙たがっているが、ミツバの方は正宗を慕っている。やや古風な言葉使いをする少女で、正宗のことを「正宗様」と敬称付けで呼ぶ。胸の大きさには自信があり、初対面の桜庭ユリカを正宗が想いを寄せるアキラと勘違いし、胸の大きさなら負けないと言い放つ。

桜庭 香樹 (さくらば こうき)

後半に登場する。桜庭ユリカと桜庭杏樹の父親で、フランスに住んでいる。照れ屋でおだやかな性格の男性。クリスマスパーティに参加するため、妻の桜庭蘭とともに帰国した。家族のことが大好きで、ともに過ごすクリスマスを終始楽しんでいた。

桜庭 蘭 (さくらば らん)

後半に登場する。桜庭ユリカと桜杏樹の母親で、フランスに住んでいる。ユリカに雰囲気のよく似た美しい女性。日本に帰国した際、初芝晃に道を尋ねた時に親切に応対してもらったことがきっかけで、晃のことを気に入っている。勘が鋭く、晃とアキラが同一人物であることに気づいている節がある。

田池 ひろ (たいけ ひろ)

後半に登場する。桜庭ユリカの叔父がマスターを務める喫茶店「ロックストックカフェ」の常連。18歳のN大1年生。血液型はO型。成績優秀でサッカー部のエース、甘いルックスとモテる要素がそろった青年で、女性人気が高い。かなりの遊び人で、桜庭ユリカには愛想がいいが他の女性には冷たい態度をとるなど、裏の顔を持つ。

春奈 ゆん (はるな ゆん)

後半に登場する。初芝晃のクラスメイトの女子。自ら文化祭委員に立候補し、晃とともに文化祭委員を務めることになる。ちなみに小学3年生の時に晃と同じクラスだったことがあるが、晃はそれを忘れてしまっている。文化祭でコスプレ姿を披露する予定だったが気後れしてしまい、試着しただけで文化祭本番では着用しなかった。

初芝 風花 (はつしば ふうか)

後半に登場する。初芝晃のいとこで、小学校6年生の少女。関西弁で話す。ある日、晃の部屋でエロ本を見つけたことをきっかけに、晃がモテないことをからかう。これに対し、晃はもらったバレンタインチョコを見せて否定するものの、晃がもらったのが本気のチョコかどうかを確かめるため、渡した本人に直接真意を聞いて回る。ちなみに初芝風花自身は3人の男の子と付き合っていると語っている。

藤原 忍 (ふじわら しのぶ)

後半に登場する。初芝晃のクラスメイト。バンカラ風の風貌の大柄な男子学生で、「ケンカ番長」の異名を持つ。アキラに好意を抱いてデートを申し込む。当日、アキラは藤原忍に嫌われようとして常識外れな行動を繰り返すが、それに動じずひたすら無理な要求に付き合い続けるなど、意外な忍耐強さを見せる。プラモデルを作るのが趣味。

木村 ユウジ (きむら ゆうじ)

後半に登場する。初芝晃の中学時代の友人の男子。引っ越したことで晃と別れたが、3年ぶりに再会する。中学時代は晃とともに女子から「もてないブラサーズ」と呼ばれていた。その性質は健在で、木村ユウジの目の前で晃がアキラに変身してしまった際は、着替えやパンチラを見せて欲しいと頼み込む。

幹 勇太 (みき ゆうた)

後半に登場する。初芝晃のクラスに転入して来た、優しい笑顔が魅力的な男子。本に詳しく、転入して来日に、本を読んでいた桜庭ユリカとすぐに意気投合する。日が経つにつれ、次第に距離を縮めるユリカと幹勇太の様子に、晃は気を揉み、対抗心を燃やすこととなる。

山田と中村 (やまだとなかむら)

後半に登場する。初芝晃の中学時代の友人の男子たち。晃とは、かつて裏山で一緒にエロ本を探し回った仲。久しぶりに晃とプールに行く約束をした際には2人とも彼女を連れて現れ、晃の目の前で思い切り彼女とイチャイチャし、仲の良さを見せつける。

集団・組織

Rose (ろーず)

新開発のゲーム機「GACHA2」の開発・発売元で、花園花梨や玲音奈・グレース・常磐が勤務している。発売するソフトがすべてミリオンヒットを飛ばす有名ゲームメーカー。大変大きな社屋を持ち、最寄りのバス停には会社名が付いている。

その他キーワード

GACHA2 (がちゃがちゃ)

有名ゲームメーカー「Rose」で、花園花梨が主任となり、開発している新しいゲーム機。正式名称は「Gestalt-psychologicalAssimilativeCHAnnelⅡ号機」だが、コードネームで「GACHA2」と呼ばれる。次世代体感型バーチャルゲームというジャンルのゲーム機で、ハードウェアと脳を電気信号でリンクさせることによって、リアルな仮想空間を体験させる機能を持つ。 仮想空間では、人工知能を搭載した疑似人格が本当に生活しているかのように存在している。

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