概要・あらすじ
男子高校生・伊達朝陽には気になる女性がいた。それはクラスメイトの浅川真雪。しかし、いつも1人でいて誰とも話そうとしない無口な彼女に話しかけることができなかった朝陽は、このまま関係が進展することはないだろうと考えていた。そんなある日、真雪はひょんなことから前世の記憶を思い出したと口にする。彼女は前世で老齢の男性、しかも良家の子息であった前世の朝陽に仕えていたというのだ。
恋仲だった女性と駆け落ちした挙句、川で溺死してしまった前世の朝陽を守れなかったことを悔いていた真雪は、現世では朝陽を守りたいと申し出る。こうして気になる女性との一風変わった関係が始まる。
登場人物・キャラクター
伊達 朝陽 (だて あさひ)
高校2年生の男子。短髪で優男風の外見をしている。1年前、クラスメイトの浅川真雪と会話して以来、彼女のことが気になっている。しかし無口で、人を寄せ付け難い雰囲気を漂わす彼女と関係を進展させることを諦めていた。前世では良家の子息であり、恋仲の女性と駆け落ちした挙句、川で溺死している。伊達朝陽本人はそのことを覚えていないが、川に溺れる夢を見ることが多い。 そのせいで水が苦手。
浅川 真雪 (あさかわ まゆ)
高校2年生の女子で、伊達朝陽のクラスメイト。ロングヘアで眼鏡をかけており、聡明そうな外見をしている。成績優秀で品行方正。10代とは思えないその落ち着きようから密かなファンが多い。しかし、学校では無口で近寄りがたい雰囲気を漂わせており、いつも1人でいる。浅川真雪自身は人と話したいと考えているが、昔、人とうまく話せなかったトラウマからつい人と距離を取ってしまいがち。 ひょんなことから前世の自分が老齢の男性で、朝陽の前世の世話役であったことを思い出す。前世の影響からか趣味が年寄り臭く、時代劇や和菓子などが好き。
伊達 明 (だて めい)
おさげ髪をした高校1年の女子で、伊達朝陽の妹。明るく活動的な性格をしたお兄ちゃんっ子。幼い頃は虐められることが多く、兄に心配をかけていた。そんな自分を変えようと身体を鍛えはじめ、現在では書類の詰まった段ボール3箱を軽々と片手で持ち上げるほどの腕力を誇る。幼なじみである藤田涼平から想いを寄せられているが、伊達明自身は彼のことが苦手。
藤田 涼平 (ふじた りょうへい)
高校2年生の男子で、伊達朝陽と伊達明とは幼なじみ。短い黒髪の聡明そうな外見をしている。家が金持ちで、自称「いいとこの箱入り息子」。性格は細かいことを気にしないタイプで、恋愛に対しても積極的。伊達明に想いを寄せているが、まったく相手にされていない。
小花 (おばな)
高校2年生の女子で、伊達朝陽のクラスメイト。クラスでは委員長を務めている。ショートカットで、おとなしそうな外見をしている。高校1年生の頃に委員会で浅川真雪に助けられた経験があり、それ以来彼女と友達になりたがっている。しかし、普段から人を寄せ付けない雰囲気を持っている真雪に対して話しかけられずにいる。
もみじ
高校2年生の女子で、伊達朝陽のクラスメイト。黒い癖っ毛の短髪で、ボーイッシュな雰囲気の持ち主。小花の親友で、彼女が浅川真雪と友達になりたがっているのを気に掛け、応援している。
織姫 (おりひめ)
街の占い師で、伊達朝陽が通っている高校の卒業生。ロングヘアでグラマラスな身体つきをした女性。霊視能力があり、相手を見ただけで多くのことを見通せる力がある。経営している占い店へとやって来た朝陽と浅川真雪について前世のことを言い当ててみせた。霊視について高い能力を持っているが経営の才能がなく、呼び込みチラシなどの文言がインチキ臭い感じになっている。 占いをする際は黒い服にとんがり帽子を被った魔女のような恰好をする。
場所
織姫の館 (おりひめのやかた)
占い師である織姫が経営する占い店。入り口のドアには表札の他にも宣伝文句が書かれた紙がいくつも貼り付けられ、入る前から胡散臭い雰囲気を漂わせている。店を訪れた浅川真雪には「必死過ぎる感がだだ漏れ」と指摘されていた。店では水晶、タロット、姓名判断、手相、トランプなどいくつもの占いが可能だが、それらはすべてフェイクであり、占いは織姫の霊視能力によって行われる。 店の外観だけでなく、宣伝広告からも胡散臭さが漂っており、暫くの間はお客に恵まれなかったが、真雪と伊達朝陽を占って以降は徐々に経営が上向きになっている。