乃木坂明日夏の秘密

乃木坂明日夏の秘密

五十嵐雄策の小説『乃木坂明日夏の秘密』のコミカライズ作品で、深山靖宙の『乃木坂春香の秘密』の続編。何事においても完璧だった姉にあこがれ、自らも完璧であろうと努力を続けるドジッ娘の乃木坂明日夏と、そんな彼女に協力することになったふつうの男子、澤村善人の、オタク趣味を介した交流を描くラブコメディ。「コミックアライブ」2019年9月号から掲載の作品。

正式名称
乃木坂明日夏の秘密
ふりがな
のぎざかあすかのひみつ
原作者
五十嵐 雄策
漫画
ジャンル
美少女・萌え
 
部活動
レーベル
MFコミックス アライブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

才色兼備で白城(はくじょう)学園中のあこがれの的である乃木坂明日夏は、自身の所属するAMW研究会で、いつものように部員たちとアニメの話に花を咲かせていた。そのうち、話題は明日夏がイラストを描くこともできるという内容に変化していく。ライトオタクの澤村善人は、そんな明日夏の「完璧超人」ぶりに舌を巻いていたが、その日の帰り道、立ち寄った本屋で明日夏の秘密を知ってしまう。それは、彼女がアニメのことなどほとんど知らず、暗記した知識だけを披露してそれらしく振る舞っていること、もちろんイラストなど描くこともできないこと、そして、それがバレたとカン違いして自らベラベラと白状してしまう、とんでもないドジッ娘であるということだった。善人は、例えそのことが明らかになったとしても、周囲の明日夏に対する評価は揺らぐはずもないと考えるものの、一方の明日夏は、自分は姉のように完璧でなくてはならないのだと語り、完璧な自分を演じきれるよう、協力してほしいと善人に頼み込む。こうして、図らずも明日夏の秘密を知ってしまった善人は、彼女に協力することとなり、イラスト描きのための合宿や、スマホゲームのガチャのための聖地巡りを通して、二人は次第に距離を縮めていく。

関連作品

小説

本作『乃木坂明日夏の秘密』は、五十嵐雄策の小説『乃木坂明日夏の秘密』を原作としている。原作小説版は、五十嵐雄策の小説『乃木坂春香の秘密』と同一の世界観で描かれるラブコメディで、電撃文庫から刊行された。イラストはしゃあが担当している。

漫画

本作『乃木坂明日夏の秘密』の前作として、深山靖宙の『乃木坂春香の秘密』がある。『乃木坂春香の秘密』では、乃木坂明日夏の両親である、綾瀬裕人と乃木坂春香の物語が描かれている。

登場人物・キャラクター

澤村 善人 (さわむら よしと)

白城(はくじょう)学園に通う男子。AMW研究会に所属している。黒髪ショートヘアのごくごくふつうの少年で、ディープなオタクの多いAMW研究会の部員ながら、オタク趣味に関してはあくまでライト層の域を出ない。周囲からはなんでもできる天才のように見られているが、実際はとんでもないドジッ娘で、周囲の評価は陰で血のにじむような努力を重ねた結果によるものという、乃木坂明日夏の正体を知る数少ない人物。そのため、明日夏が表向きの姿を守ることに協力しており、何かと面倒ごとに巻き込まれることが多い。ただし、澤村善人自身はそんな明日夏の姿を好ましく思っており、いざ協力するとなれば、自分の身を顧みずに全力でサポートすることを厭わない、お人好しなところがある。おどろおどろしく鬼気迫る前衛的なイラストを描いていた明日夏に、かわいいイラストを描くためのアドバイスをしたことがきっかけで、明日夏と二人きりの時は「せんせー」と呼ばれている。

乃木坂 明日夏 (のぎざか あすか)

白城(はくじょう)学園に通う女子。AMW研究会に所属している。ロングヘアをハーフツインにしたおしとやかな才色兼備の美少女で、オタク分野にも造詣が深く、周囲からは「完璧超人」と評されている。かつてAMW研究会に所属し、数々の伝説を残した姉がおり、その姉を知る部長の神楽坂雪埜に勧誘されて、AMW研究会に入部した経緯がある。周囲からは姉と同様に、なんでもできる天才と目されているが、実は乃木坂明日夏自身はとんでもないドジッ娘であり、周囲からの評価も、あこがれの姉に近づくために、陰で血のにじむような努力を重ねてきた成果によるものである。明日夏自身は自らを「ガリ勉でコミュ障」と評するなど自己評価が非常に低く、これだけの努力を重ねてもまだ、なんでも優雅にこなしてきた姉の足元にも及ばないと考え、少しでも姉に近づけるよう日々努力を続けている。そのためか、イラストの練習をする際には、数日間、食事と寝る時間以外はぶっ通しでペンを握り続けるなど、極端に集中力に優れる。ちなみに、気合を入れる時は髪を結びなおしてツインテールにし、眼鏡をかける。

朝倉 冬姫 (あさくら ふゆき)

白城(はくじょう)学園に通う女子。AMW研究会に所属している。澤村善人の10年来の付き合いの幼なじみ。ショートヘアで頭の左右から触角を2本飛び出させた、かわいらしい容姿をしている。下校時には、アニメイトで同人誌探し、コスプレショップで新作探し、さらにはメイド喫茶での萌え萌えじゃんけんをハシゴするなど重度のオタク。ただし周囲に自分の趣味を隠さないオープンなオタクで、明るい性格も相まって、AMW研究会の男子部員からは、乃木坂明日夏と同様に人気が高い。オタクの世界にどっぷりと足を踏み入れようとしない善人のことを少々歯がゆく思っており、さまざまな手段でアプローチしている。能天気に見えて洞察力に優れ、実はアニメにそれほど詳しくないことなど、明日夏の本性の少なくとも一部には気づいている節がある。一方で、口癖は「善人のことなら何でもお見通しだぜ」だが、善人に関する考察は、基本的に毎回間違っている。

神楽坂 雪埜 (かぐらざか ゆきの)

白城(はくじょう)学園に通う女子。AMW研究会の部長を務めている。黒髪ロングヘアをカチューシャで留めて眼鏡をかけた、ざっくばらんな男口調で話すクールな美女。かつてAMW研究会で数々の伝説を残したという乃木坂明日夏の姉のことを知っており、その縁で明日夏をAMW研究会に引き入れた人物。

3K

白城(はくじょう)学園に通う男子三人組。いずれもAMW研究会に所属している。全員が眼鏡をかけたオタク然とした容姿をしており、名前はそれぞれ木村、河野、古林というが、三人セットで「3K」と呼ばれている。AMW研究会では、いつも乃木坂明日夏や朝倉冬姫と共に、アニメのディープな話でテンション高く盛り上がっている。ちなみに3Kの一言が、本当はアニメにそれほど詳しくない明日夏を窮地に陥れることも多い。ただし、3Kの三人組は明日夏のその場を取り繕った言葉にすんなりごまかされており、その事実にはまったく気づいていない。

澤村 鈴音 (さわむら すずね)

澤村善人の、小学4年生の妹。黒髪をショートボブにして、頭の左側で縛っている。善人とは兄妹仲がよく、よく勉強を教えてもらったりしている。年の割に礼儀正しく大人びたところがあるが、少々ドジッ娘気質で、どこか似たところのある乃木坂明日夏とは馬が合う。

天宮 椎菜 (あまみや しいな)

ピアニストを生業としている女性。白城(はくじょう)学園の非常勤講師も務めている。ショートヘアで、朗らかで気さくな性格から、学園の生徒たちにも「美人なお姉さん」として慕われている。明日夏の両親と知り合いで、明日夏が赤ちゃんの頃のことも知っている。イカが大好き。

集団・組織

AMW研究会

白城(はくじょう)学園の部活動の一つ。神楽坂雪埜が部長を務めている。略して「AMW研」と呼ばれることもある。活動内容は、アニメや漫画、ゲームといったオタク系趣味の研究。かつて乃木坂明日夏の姉が所属しており、部内には数々の伝説が残っている。明日夏はその縁で雪埜に勧誘され、AMW研究会に入部したという経緯がある。

クレジット

原作

五十嵐 雄策

書誌情報

乃木坂明日夏の秘密 全3巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉

第1巻

(2020-01-23発行、 978-4040643045)

第2巻

(2020-08-20発行、 978-4040647425)

第3巻

(2021-02-22発行、 978-4046801883)

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