クレオパトラ・ブレスト

クレオパトラ・ブレスト

クレオパトラが転生するための依り代として選ばれた日本人の少女が、クレオパトラを崇拝する組織と、それを強く恨む少年との争いに巻き込まれていく姿を描いた作品。「CAIN」1997年9月号から1998年1月号にかけて不定期に掲載された。

正式名称
クレオパトラ・ブレスト
ふりがな
くれおぱとら ぶれすと
作画
原作
ジャンル
転生
関連商品
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あらすじ

放任主義の両親のもとで、お気楽かつ能天気な暮らしをしていた女子高生の栗尾由姫は、ある日の下校中、無差別銃撃事件に巻き込まれてしまう。状況の怪しさから、それが自分を狙ったものではないかと直感する由姫だったが、先輩の仁田原やお手伝いのおシゲと会話するうちに、そんな考えも忘れ去り、再び日常へと舞い戻る。その夜、由姫の自宅に賊が侵入し、由姫の体を入念に調べたうえで、おシゲを殺害して逃亡するという緊急事態が発生。目を覚ました由姫は警察へ駆け込むが、警官と由姫が帰宅した時には、おシゲの死体をはじめとする昨晩の痕跡はすっかり消えていた。不可解な事態に混乱し、お手上げとなった由姫の前に、昨晩の賊が現れるが、負傷していた賊はその場で昏倒。自分でもよくわからないまま賊を助けた由姫に対し、意識を取り戻した賊は、七瀬カサルと名乗り、由姫を病院へと連れていく。そこで昏睡状態となった姉の七瀬詩織を由姫に見せ、それが詩織の婚約者、神山謙司と、彼が所属する会社の仕業である事を断言したカサルは、次は由姫が狙われる番だと告げる。病院からの帰宅中、二人は会社の人間に襲撃されれしまうが、危機的状況の中で突如として由姫の様子がおかしくなり、まるで別人のように豹変するのだった。(エピソード「STAGE.1」)

人格が豹変した栗尾由姫クレオパトラと呼んで仰ぎ見て、平伏する会社の人間達。呆然とする七瀬カサルをよそに、カサルと会社の手の者を一人引き連れた由姫は、ドレスや宝石を買いあさり、まるで女王のように尊大に振る舞うのだった。その途中で本来の人格に戻った由姫を連れ、自分の秘密基地まで逃亡を図るカサル。突如として人格がクレオパトラへと豹変してしまう由姫の体の謎を解くために、エジプト研究を専門とする仁田原のもとを訪れた二人は、そこで100年に一度転生するというクレオパトラの伝承と、転生者の体で育つとされるクレオパトラパールの話を知るのだった。スケールの大きな話に衝撃を受け、秘密基地に帰宅した由姫の体に、再びクレオパトラの人格が宿る。(エピソード「STAGE.2」)

クレオパトラの完全な転生を間近に迎えたある日、クレオパトラの転生を見届けるために作られた組織、オシリスが実力行使に出た。オシリスによって隠れ家から誘拐され、とあるビルへと護送された栗尾由姫は、世界各国の要人が見守る中、ついにクレオパトラへと変貌を遂げる。クレオパトラは、その妖艶さとカリスマ性で、集まった多くの人々の心を一瞬で掌握し、力がすべてとなる恐怖政治への扉を開いてしまう。そんな儀式の最中に現場へと乱入した七瀬カサルは、自分の右腕になるように命令するクレオパトラの言葉を無視し、本当の彼女が目を覚ますまで、由姫の名を叫び続けるのだった。(エピソード「STAGE.3」)

登場人物・キャラクター

栗尾 由姫 (くりお ゆき)

明るい性格をした能天気な女子高生。年齢は17歳。どこにでもいる平凡な少女だが、実はクレオパトラが転生する依り代として選ばれた特別な存在。そのため、クレオパトラの転生を見届けるための秘密結社、オシリスから長年にわたって密かに監視され、クレオパトラ復活の日まで守られる身となる。オシリスに強い恨みを抱く七瀬カサルによって命を狙われるが、怪我をしたカサルを救い、昏睡状態となった彼の姉、七瀬詩織の姿を見た事で、行動を共にする事になる。 クレオパトラの完全な転生が近づくにつれ、たびたびクレオパトラと人格が入れ替わるようになってしまう。なお、人格がクレオパトラとなっていた時の記憶はいっさいない。

七瀬 カサル (ななせ かさる)

長髪で体格のいい少年。年齢は15歳。姉の七瀬詩織をオシリスの手術によって昏睡状態にされてしまったため、オシリスを強く恨んでおり、報復のために、オシリスが長年にわたって守り続けている栗尾由姫の命を狙う。しかし、怪我で意識を失った際に由姫から手当てされ、彼女の立ち振る舞いに詩織の面影を見た事から殺害計画を取りやめ、逆に由姫を守るようになった。 米軍基地の軍人から1年間にわたって厳しい軍事訓練を受けており、体術や銃の腕前は15歳にしてプロ級。戦闘時は凄みのある表情を見せるが、戦いを離れれば年相応の少年に戻る。

クレオパトラ

古代エジプトで暮らしていた絶世の美女。時の覇者の寵愛を受け、権勢を欲しいままにしていたが、やがてすべてを失い、毒蛇に乳房を嚙ませて絶命する。死の際に転生の妖薬であるクレオパトラパールの核を飲み干しており、クレオパトラパールが体内で育った人間に人格を移す事によって、現世に蘇ろうとしていた。最終的に現世での依り代となった栗尾由姫の体を奪う事で復活を果たす。 言葉一つで多くの人間を無条件で従えてしまう、生まれながらのカリスマ。七瀬カサルを信頼し、自身の右腕として使おうとしていた。実在の人物、クレオパトラがモデル。

神山 謙司 (かみやま けんじ)

長身の美青年。サングラスをかけ、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。秘密結社、オシリスの会長によって育てられた組織の一員。七瀬詩織の婚約者だったが、クレオパトラの転生を急ぐオシリスの意向に従い、詩織にクレオパトラパールを移植する。結果的に詩織を昏睡状態に追い込んでしまったため、七瀬カサルから深く恨まれている。

七瀬 詩織 (ななせ しおり)

おっとりとした雰囲気の美女。七瀬カサルの姉。神山謙司の婚約者だったが、クレオパトラが転生する素養を持っていた事から、オシリスにクレオパトラパールの移植手術を受けさせられ、昏睡状態となってしまう。

仁田原 (にたはら)

メガネをかけた男子大学生。柔和な雰囲気で、優しく面倒見のいい性格をしている。後輩である栗尾由姫の家庭教師であり、よき相談相手。エジプト研究にいそしんでおり、人格がクレオパトラに変わるようになった由姫の相談を受けた際に、クレオパトラの転生の伝承と、転生する人間の体に育つクレオパトラパールの情報を教える。実はオシリスの一員で、クレオパトラの復活を待望する人間の一人。

おシゲ

栗尾由姫の屋敷で働いている家政婦の女性。本名は不詳。両親が不在がちな栗尾家で、食事や洗濯、掃除など雑用を精力的にこなしている働き者。由姫からの信頼も厚かったが、実はオシリスの一員で、長年にわたって由姫を監視していた。栗尾家に侵入した七瀬カサルを殺害しようとして返り討ちに遭う。

会長 (かいちょう)

つねに野心的な笑みをたたえた中年男性。表向きは大企業の会長だが、実はクレオパトラの復活を待ち続ける秘密結社、オシリスのボス。カリスマ性の高いクレオパトラを、政争の道具として使う事を企んでいる。子飼いの神山謙司を手足として使い、クレオパトラを復活させるために暗躍する。

小町 (こまち)

タロット占いが大好きな女子高生。栗尾由姫の親友で、彼女の運勢をタロットカードで度々占っていた。占い師としての才能は豊かで、由姫からも「わりと当たる」と評されている。

集団・組織

オシリス

クレオパトラの神秘性を崇拝し、クレオパトラが現世に転生するのを待ち続けている秘密結社。会長の支持のもと、クレオパトラが転生する素養を持つ栗尾由姫と七瀬詩織を監視していた。組織としての規模は非常に大きく、クレオパトラ転生の儀式には、各国の要人が集結している。3個のクレオパトラパールを所有している。

その他キーワード

クレオパトラパール

クレオパトラが転生する人間の体に宿るといわれる神秘的な宝石。長い時間をかけて成長し、完全な大きさまで成長すると、その人間を依り代として、クレオパトラの転生がなされると言い伝えられている。100年に一度しか現れず、ほとんどの人間は宝石が成長するまえに死んでしまうため、現存するクレオパトラパールは、魔女狩りによって回収された3個しか存在せず、それらはすべてオシリスが所有している。

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