概要・あらすじ
詐欺師のサイアムは、賢者を名乗って旅をしていたところ、放浪の賢者(グラン・ローヴァ)と出会い、共に旅をすることになる。そのなかで天地創造の力の名残を留める銀水晶を探すことになるが、図らずも銀水晶の力をサイアムが得たことにより、彼は銀水晶を巡る世界的な問題に巻き込まれていく。
登場人物・キャラクター
サイアム
『グラン・ローヴァ物語』の主人公で、詐欺師。飢饉で両親を失ったことから、けちな詐欺を働いて生計を立てていた。賢者を名乗り旅をしていたところ、放浪の賢者(グラン・ローヴァ)と出会い、旅の供となる。銀水晶を探していたところ、ひょんなことからその力を得てしまう。そのため、人間が欲のため利用しようとしたり、精霊が彼を排除しようとしたりする。 そんななかで、サムアイは迷いながらも旅を続ける。
放浪の賢者 (ぐらん・ろーゔぁ)
言動も見た目も子どものようで賢者には程遠い印象だが、最高位の賢者。サイアムを気に入って、自身の放浪の旅の仲間とする。モットーは「いつも機嫌よく暮らすこと」。グラン・ローヴァは名前でなく、世界中の賢者が集う東の学舎で与えられる最高の位。しかしこれは東の学舎から与えるものではなく、人々がそう呼んで初めて得られる地位だという。
イリューシア
美しい少女の姿をしているが、正体はガライア山脈の地底湖に住む大蛇。銀水晶の力を欲しており、銀水晶を探すサイアムの旅に同行する。その理由は、すでに自分の身体が重くて動かせなくなってしまったため、銀水晶の力を借りて海に出て、西の果てにあるという「千年の門」へ行くというものである。
ダシ
『グラン・ローヴァ物語』に登場するキャラクター。小型の魔物・イヌワラシの子ども。盗賊や罪人も含め、森に住む人々が日常品や禁忌の品を売買する沈黙の市で、双子のデシと共に売られていた。助けてくれたサイアムを「とーちゃん」と呼び慕っていたが、親離れする前に猟師に捕まり、魔の力に目覚めてしまう。そのままサイアムの元を離れていたが、彼がセレンフィアの罠にかかったとき助けに来るなど、彼を慕い支えている。
セレンフィア
銀水晶の力を手に入れたサイアムを狙う精霊で、パナケアと名乗り人間のふりをしている。人間に言葉を教えた親友・リンフィアがそのせいで幽閉されたことに恨みを持っており、人間を許せないでいる。銀水晶の力を得たサイアムをつけ狙うのもそのためである。最後は、心が闇に支配されてしまい、精霊たちの王都・シーレラデュアを崩壊させてしまう。
リンフィア
世界が誕生して間もないころ、まだ言葉を覚えることを許されていない人間に言葉を教えてしまい、なおかつ、死ぬまで幽閉されるはずだったその人間を野に解き放した罪によって、この世が滅びるまで沈思の塔に閉じ込められている。人間が愚かなことをすれば塔の色は沈み、喜ばしいことをすれば光輝くため、精霊たちに「貴き囚われ人」と呼ばれ慕われている。
不老不死者 (まくろびあん)
『グラン・ローヴァ物語』に登場する人物。2代目の放浪の賢者(グラン・ローヴァ)。呼び名の通り不老不死で、800年以上同じ姿のまま生き続けている。生きた箱庭から銀水晶を抜き取った。
ディルフィア
セレンフィアの弟で、放浪の賢者(グラン・ローヴァ)を精霊たちの暮らす王都・シーレラデュアに連れてくる手配を整えたり、サイアムを捕えようとしたり、セレンフィアを説得したりしている。自身、200年前には人間の世界に行くこともあり、人間の言葉を話すことができる。 王都崩壊後は、仲間たちとともに西の海の果てへと旅立つ。
集団・組織
精霊 (せいれい)
『グラン・ローヴァ物語』に登場する種族。永久の時を美しいまま生き過ごす存在で、聖なるものとして人間たちには知られている。かつては世界のあちこちに存在したが、今は精霊たちの国とその近隣で暮らしている。セレンフィアの闇の力によって王都・シーレラデュアが崩壊すると、彼らの多くは西の海の果てへと旅立った。
場所
西の海の果て (にしのうみのはて)
『グラン・ローヴァ物語』に登場する場所。精霊と太古の獣たちの世界で、そこへ行くには千年の門を潜らなければならない。門は文字通り1000年に1度しか開かず、門のある「たそがれの島」では、傷ついた精霊や獣たちが門の開く日を待っているという。
東の学舎 (ふぉあさいと)
『グラン・ローヴァ物語』に登場する施設。世界中の賢者が集う学び舎で、東の学舎の賢人団は世界中の尊敬を受ける存在。3年に1度、賢者会議を開催している。放浪の賢者(グラン・ローヴァ)は、この東の学舎に集う賢者の最高位。
その他キーワード
銀水晶 (ぎんすいしょう)
太古より降り注ぐ星の光が凝縮した石で、天地創造の力の名残を秘めているといわれている。その強大な力は人間のみならず、太古の生き物や精霊にすら影響を及ぼす。
火の船 (ひのふね)
銀水晶の遺物のひとつで、銀水晶の力を利用して船を動かし、破壊を行う兵器。その力は強大で、国の半分を焦土にできる。しかし火の船を動かすための漕ぎ手は、死んでしまう。
生きた箱庭 (いきたはこにわ)
銀水晶の遺物のひとつ。アンディウル地方のミニチュアモデルで、中央にある世界樹に銀水晶をセットすると、箱庭で起きた出来事が実際に起きる仕組みになっている。この世界樹の星の玉によって、サイアムは銀水晶の力を得てしまうことになった。