グリーンゲイト・シリーズ

グリーンゲイト・シリーズ

イギリスの田舎にある架空の村グリーンゲイトを舞台に、そこに暮らす奇妙な人々の起こす様々な出来事を描いた短編シリーズ。空を飛ぶ少女、好きな人以外には笑顔をつくれない少年、頭にタンポポの咲く少女など、少し不思議な性質を持つキャラクターが多数登場するファンタジー。恋に落ちた登場人物たちが幸せな結末を迎える話が多い。めるへんめーかーの代表作のひとつ。各話は複数の短編集にまたがってバラバラに収録されていたが、後に『グリーンゲイト物語』というタイトルでまとめられた。

正式名称
グリーンゲイト・シリーズ
ふりがな
ぐりーんげいと しりーず
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

イギリスの片田舎にある自然豊かな村グリーンゲイトは、一見平和な村だが、住人たちは皆「誰にも言えない秘密」を持っている。魔法使いの血を引く少年、身体の成長が止まり外見が幼女のままの女性、夜になると祖父ぐらいの年齢に変身してしまう青年、ハンサムを見ると体の中からファンファーレが鳴り響いてしまう少女など、奇妙で個性的な人々がたくさん登場する。

彼らは自分の変わった性質に悩んだり克服したりしながら、仕事をし、恋をし、食事をし、今日も生きているのだ。

登場人物・キャラクター

ウェンディ・ヴァージ

グリーンゲイトの北の岬の家にマッドサイエンティストの祖父と暮らしている髪の長い少女。風に乗って空を飛ぶことのできる体質。母親はふつうの人間だが、なぜか突然変異的に不思議な体質となった。頭部が猫の紳士マクスウェル氏や吸血鬼のアルカード氏、うさぎの耳を持つ女性ミス・バニキンなど、奇妙だが愉快なご近所さんたちとお茶会を開いたりして、楽しく暮らしている。

アート・ウェズリー

丸メガネをかけた線の細い青年。ミュージシャンだが売れる曲が書けず、仲間や恋人に見捨てられてしまい、自暴自棄となり自殺するために田舎村のグリーンゲイトへやって来た。しかし空飛ぶ体質の少女ウェンディや人魚、吸血鬼など、風変わりだが自由に生きているグリーンゲイトの人々と出会い、自分らしく生きることの大切さを知り、立ち直る。 後にウェンディとは婚約まで交わす。

エディス・バニキン

うさぎの耳を持つ女性。グリーンゲイトの郊外に暮らす。敏感な耳を使って風向きの予報ができる。ふだんはおしとやかで落ち着いているが、月夜の晩になると陽気な性格に変わり、飛び跳ねて舞い踊るという秘密を持つ。おとなりの農家マクファーソン氏はふだんは物静かな紳士だが、チーズ満月の光を浴びると女性に美辞麗句を並べ立てるナンパ男に豹変する二重人格の持ち主。 二人は月夜の晩に畑で踊り、めでたく両想いとなった。

カーラ・ギブソン

一見かわいらしい顔立ちの女の子だが、美男子を見ると「パンパカパーン」と大きなファンファーレが体の中から鳴り響いてしまう奇妙な体質の持ち主。この体質のせいで失恋が続き、親戚の暮らすグリーンゲイトへと引っ越してきた。美男子を見なくてすむように、ふだんの生活では四六時中サングラスを欠かさない。

ジョージ・J・クロークフィールド

グリーンゲイトの市街地に暮らす。年若い青年だが、夜になると老人になってしまう体質。小さなレストランの女主人ミス・メリッサに恋をする。彼女は自分の祖母ぐらいの年齢なので、夜になって老人になった自分とちょうど釣り合うはずだと考えて、夜のデートに誘う。 すると、なんと彼女は自分とは逆に、夜になると若くなる体質だということが判明。昼夜でお互いの年齢は逆転するが、お似合いのカップルとなった。

ロニィ・マクフィー

グリーンゲイトの市街地に暮らす男の子。好きな異性の秘密を知りたがる人が多いグリーンゲイトで興信所を始めればもうかると思いつき、幼なじみ2人とともにグリーンゲイト探偵団を立ち上げる。彼ら3人は互いの秘密を知っている仲。優しい顔立ちの男子バーディは12歳までおねしょが治らなかった。 メガネにショートヘアの女子リディアはベッドの下にお金を貯め込む守銭奴。ロニィの秘密というか奇妙な癖は常に嘘をつくことだが、これは町中の人が知っている。

マーガレット・アンダーウッド

グリーンゲイトの学校に通う女の子。春になり、頭のてっぺんにタンポポの花が生えてきた。本人はすてきな花だと気に入ったが、母親のフローラは、こんなこと他人に知られてはいけないと、人前では帽子をかぶって隠すように叱りつけた。

ミス・コットン

グリーンゲイトの街でお菓子屋スウィート・レディを営む女性。はちみつ色の髪の毛。お菓子づくりが唯一の趣味という大のお菓子好き。しかし、金曜日になるとなぜか焼き菓子をうまく作れなくなってしまう体質。したがってスウィート・レディは金曜日には、火を使わないババロワしか置いていない。

ティモシー・ウェイバリー

グリーンゲイトの学校に通うメガネが特徴的な男の子。父親は立派な銀行家だが、ただ一つ、後ろ向きに歩くという奇妙な癖を持っている。父の反対歩きを同級生にからかわれたこともあり、最近はいっしょに通学することを恥ずかしく思っている。

エルヴィラ・ボゥトリー

グリーンゲイトの街のドラッグストアに勤める女性。男運が悪く現在も独身。特に変な癖は持っておらず平凡で静かな毎日を送っていたが、ある日、絶滅した怪鳥ドードーを研究し続ける変人生物学者のハウエル氏から「あなたはドードーに似ていて、とても美しい」と奇妙な告白をされる。

アナベル・ウィリス

グリーンゲイトの学校で数学を教える女性教師。髪は後ろにまとめ、メガネをかけ常にスーツを着ている。学校では常に厳しく、頭は切れるが冷たい雰囲気をただよわせている。本当は子どものころから、レースやリボンのついた女の子らしいかわいい服を着てみたかったのだが、親に許してもらえなかった。 その反動で現在はぬいぐるみや人形、レースのカーテンに囲まれ乙女趣味全開の部屋に住む。姪へのプレゼントと嘘をついてブティックでかわいらしいドレスを買いまくり、自宅でこっそり着ることを密かな楽しみにしている。

場所

グリーンゲイト

イギリスの片田舎にある架空の小さな村。名前のとおり一面を緑に囲まれている自然豊かな土地。市街地の住人たちは日中はふつうに暮らしているが、それぞれ奇妙な性質や秘密を抱えている。豊かな四季を持つおだやかな気候の中、個性的な住人たちはのどかに生活している。

その他キーワード

月まつり (つきまつり)

『グリーンゲイト・シリーズ』に登場する風習。グリーンゲイトに伝わる愛の告白法。年に一度、新月の夜に男性たちは愛する女性の住む家の窓辺にたたずみ、愛の告白のかわりに「人に言えない自分の奇妙な癖」を告白する。求愛を受け入れる場合は、女性も自分の奇妙な秘密を告白するという決まりになっている。学校で一番人気の女子メアリー・ルウは、男子から告白されまくっているので、クラスの男子全員の秘密を握っていることになる。

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