グルメ探偵りょうじ

グルメ探偵りょうじ

家庭料理や飲食店の経営を中心とした料理漫画。焼き鳥や焼きそば、生姜焼きにオムライスといった身近な料理を題材とした話が多く、調理手順も丁寧に描写されている。「食漫」Vol.1から8にかけて掲載された作品。

正式名称
グルメ探偵りょうじ
ふりがな
ぐるめたんていりょうじ
作者
ジャンル
料理
関連商品
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概要・あらすじ

雇われ探偵として働いている連城りょうじは、大の食通。業務の傍ら、さまざまな飲食店に出入りするが、そのこだわりの強さから店主や従業員と度々衝突してしまう。手を抜いた料理が許せないりょうじの真摯な姿勢の陰には、父親でありながら、自分と母親を見捨てた料理人の外川康介への思いがあった。

登場人物・キャラクター

連城 りょうじ (れんじょう りょうじ)

ほととぎす探偵社に勤務する私立探偵。外川康介の妾の息子。太い眉と鋭い目つき、M字型に後退した額が特徴の青年。卓越した料理の腕前と知識を有しており、食事に関するこだわりが強いため、稚拙な料理や調理方法に出会うと容赦なく文句を言う。そのため料理屋の主人などと喧嘩になることが多いが、その都度、もっと良い調理方法などを指導している。 自分と母親を冷遇してきた康介への敵対心から、彼の料亭「十川」の料理と自分の腕前とを比較されると、たとえそれが誉め言葉であっても嫌な顔をする。なお、名前には「龍二」という漢字をあてられる予定だったが、康介が役所で漢字を失念したため、平仮名となった。

りょうじの母 (りょうじのはは)

長い茶髪を一つ結びにした女性で、元芸者。芸者時代の名前は「吉丸」。外川康介の愛人であり、連城りょうじの母親。芸者時代に康介に身請けされ、りょうじを出産した。康介と会えるのは週に3~4回だったが、ささやかな幸せを感じていた。しかし康介と本妻との間に、外川康一が生まれてからは会うこともできなくなり、仕送りも途絶えてしまった。 生活費を工面するためホステスとして働くが体調を崩し、次第に酒に溺れるようになり、りょうじが高校1年生の時に病死した。

外川 康介 (とがわ こうすけ)

老舗の料亭「外川」の主人。連城りょうじ、外川康一、外川明葉の父親。太い眉と鋭い目つき、四角張った顔が特徴の初老の男性。食事に関するこだわりはもちろん、料理人の態度にも厳しく、時には声を荒げて叱責することがある。りょうじとは仲が悪く、街で出会うと必ず喧嘩になってしまう。また頑なにりょうじの料理を口にすることを拒む。 娘の明葉が家出同然の状態でも気にかけることなく、一貫して子育てには関わろうとしない。

外川 康一 (とがわ こういち)

素朴な顔立ちをした青年。外川康介の息子で、連城りょうじの腹違いの弟。将来は老舗料亭「外川」の跡取りとなるため、系列店の料亭「南山」で修行している。りょうじとは腹違いではあるが兄弟仲は良好で、家出した時にはりょうじの家への滞在を許可されていた。自身を努力型、りょうじを天才型と評し、りょうじの料理の腕前に一目置いている。

外川 明葉 (とがわ あきは)

パーマがかった茶色い長髪の小太りの女子高生。外川康介の娘。連城りょうじの腹違いの妹で、外川康一の実の妹。3年前は痩身で、意中の男性に痩せすぎていると振られたことで体型を変えるが、今度は太り過ぎていると断られてしまう。そのことがストレスとなり、現在は家にも帰らず、不良仲間と遊びながら暮らしている。りょうじとは折り合いが悪く、素行を心配した康一に依頼されて説得に向かったりょうじを、愛人の子と罵る。

白川 葵 (しらかわ あおい)

茶髪をショートカットの髪型にしたOL。交際相手の素行調査を依頼しにほととぎす探偵社を訪れた。依頼を引き受けた連城りょうじを尾行して、こっそり調査に同行したり、女性と一緒にホテルから出てきた交際相手を問答無用で殴り飛ばすなど、肝の据わった性格。素行調査にかまけた結果、会社をクビになってしまったため、以降はりょうじの助手として働いている。 本人は探偵が天職だと考えており、その成果のためなら自身が囮になることも辞さないなど、気骨ある一面を見せる。

社長 (しゃちょう)

ほととぎす探偵社の社長。恰幅の良い白髪交じりの中年男性。会社を辞めたばかりの白川葵をあっさり探偵として雇うなど、探偵業というものへの拘りなどは感じさせない。会社には連城りょうじ以外の探偵も在籍しているが、有能な探偵の手を煩わせられないとして、小さな仕事はりょうじや葵に回すことが多い。仕事が終わると、社員を連れて、同ビル内のスナックで飲むことがある。

来佐 繁行

四角い眼鏡をかけた、七三分けの髪が特徴のサラリーマンの男性。抜群の切れ者で周囲からの評価も高く、38歳という若さで会社の開発部部長の地位に就いた。会社の派閥争いで重要なポジションを占めていたため、敵対派閥の男からスキャンダルを期待されている。そのための素行調査がほととぎす探偵社に持ち込まれ、連城りょうじと白川葵に尾行されることになった。 ほとんど隙を見せなかったが、葵のおとり調査に引っ掛かり、2人を家へと招いたことで隠していた正体を暴かれてしまう。

喜多道 (きたみち)

おでん屋の店主。角刈りで平たい顔をした中年男性。かつて料亭「南山」で板前修業をしており、外川康一や由香とは元同僚にあたる。康一との間に才能の壁を痛感し、板前からおでん屋へと転身した。由香に恋心を抱いており、由香から頼まれて康一の身辺調査を連城りょうじに依頼した。

由香 (ゆか)

茶色い長髪と派手な顔立ちが特徴の女性。かつて料亭「南山」で仲居として働いており、外川康一や喜多道とは元同僚にあたる。修行中の康一をなにかと気にかけて世話をしているうち、自身が康一と結婚できるものと早合点。その準備にと「南山」を辞めてしまった。しかし康一からそんな約束はしていないし、肉体関係もなかった、と切り捨てられてしまう。

苫路 桃子

茶色い髪と長い睫毛が特徴の女性。上野のキャバクラ「XYZ」で「何芳」という名前で働いている。岩手県出身の21歳と名乗っているが、実際は北海道出身の17歳で、半年前から家出中の女子高生。捜索願いを出したにも関わらず、状況が好転しないことを見兼ねた父親が、連城りょうじに調査を依頼し、身元が判明した。家出した理由は、優等生でいることが退屈になったからという単純なもの。 りょうじから両親が心配していることを告げられると、あっさり北海道に帰ることを決めた。

鹿沼 平太

面長の坊主頭に短く太い眉が特徴の若者。お笑い芸人「ディアホース」のメンバー。3年間付き合っている彼女との結婚を考えているが、収入が安定しないため踏み切れずにいる。彼女の母親から素行調査を依頼された連城りょうじが、笑いのセンスがないと断言しても納得してしまうような温厚な性格。一方で料理の腕には自信があり、りょうじにその力量を疑われると声を荒げて反論し、勝負を持ちかけた。

谷 薫 (たに かおる)

警視庁捜査一課の男性刑事。角ばった顔と太い眉、険しい顔つきをしている。香川県の出身で、幼い頃は讃岐うどんの調理を毎日のように手伝っており、うどんについては一家言を持っている。張り込みの途中で、現場を訪れていた連城りょうじを邪険に扱って因縁が生まれ、その日の夜にほととぎす探偵社があるビルのスナックで再会すると、口論の末にうどんの料理対決をすることになった。

明智 大五郎 (あけち だいごろう)

探偵を生業としている壮年男性。しゃくれた顎と赤ら顔が特徴。調理師免許を持っており、特にカレーに関しては絶対の自信がある。とある女性を尾行調査していたが、その女性が連城りょうじに依頼を持ちかけようとしたため、あえて身分を明かして自分に依頼するように提案。もともとの調査に役立てようと考える。依頼者を横取りされそうになったりょうじと対立し、お互いが自信のある料理対決で決着をつけることになった。

香山 訓童 (かやま くんどう)

放送作家で、B級グルメ評論家としても有名。眼鏡をかけ、口元をぐるりと囲む髭を生やした中年男性。グルメ特集の記事を執筆するため、店を渡り歩いている途中で、その特集を潰すための動向調査を出版社から依頼されていた連城りょうじと出会う。居酒屋で出された鱸の調理方法をめぐって店主と揉め始め、料理勝負を行おうとするりょうじに興味を抱き、勝負の審査員を買って出た。 りょうじの腕前を知ると、後日の特集記事で、りょうじを市井に隠れた天才料理人と絶賛した。

黒木 (くろき)

人材派遣会社「トップ・スタッフ」の部長。広い額と短い眉をした中年男性。ここ数年で法律的な危うさを抱えながらも、急激な規模拡大を目指すようになった会社の在り方に疑問を抱き、独自に調査を行う。その結果、社長の石清水建吾が弟の石清水晋吾に入れ替わられているのではないか、という仮説を立て、連城りょうじに詳細な調査を依頼した。

石清水 晋吾 (いわしみず しんご)

人材派遣会社「トップ・スタッフ」の社長・石清水建吾の双子の弟。オールバックの中年男性。一卵性双生児のため外見はそっくりだが、堅実な性格の兄とは違って、自堕落な性格。殺人によって15年の懲役刑を受けていたが、4年半前に仮出所。兄の地位と財産を狙って成りすましを計画した。数年間、兄に成り代わって経営を行うが、部下である黒木に疑惑を抱かれ、連城りょうじのアイデアと白川葵の活躍によって正体を暴かれた。

橋本 美香 (はしもと みか)

派手な顔立ちをした茶髪の女性。年齢は26歳。夫と2人の子どもがいるが、スナック経営がきっかけで外川康介と恋仲になってしまい、半年前に家族の前から姿を消した。夫から捜索を依頼された連城りょうじと白川葵によって居場所を突き止められると、気持ちを入れ替え、家族のもとへ戻った。

場所

ほととぎす探偵社 (ほととぎすたんていしゃ)

連城りょうじ、白川葵、社長が勤めている民間の調査会社。4階建てのテナントビルの最上階にオフィスを構えている。りょうじら以外にも複数の探偵や、受付を行う中年女性などが勤めている。また下のフロアにはスナックと診療所がある。

十川 (とがわ)

外川康介が主人を務める懐石の名料亭。吟味された旬の食材、洗練された確かな技術が堪能できるとして非常に評価が高い。そのぶん値段も張るため、一般客は気軽に来店できない。また修業が厳しいことでも有名で、「十川」での修行に挫折して転身する料理人も少なくない。

松風 (まつかぜ)

小料理屋。白川葵の交際相手の素行調査を依頼されていた連城りょうじが、時間調整のために訪れた。小料理屋でありながら焼き鳥が評判の店だったが、専任の料理人が去り、中年の女将が1人で切り盛りすることになったため、味が落ちてしまった。かつての評判を取り戻したいと話す女将のため、りょうじは一から焼き鳥の技術を教えることになる。

ギョーザ楼 (ぎょーざろう)

中華料理屋。太い眉に坊主頭、しゃくれた顎が特徴の男性が店主を務める。3年前に店主の父親が亡くなって、それまで評判だった餃子の味がめっきり落ちてしまった。連城りょうじに餃子が不味いと断言され、かねてから考えていた閉店を決心しかける。そこに、先代の味を知っていたりょうじに餃子の調理方法について手ほどきを受け、定番の味を再現できるようになった。

東洋軒 (とうようけん)

大亜細商事という商社の近くにある定食屋。以前は周辺が学生街だったため、安価な豚肉と油をふんだんに使った生姜焼き定食が評判だった。ところが、再開発により街がオフィス街になってからというもの人気がなくなってしまった。見兼ねた連城りょうじが新しい生姜焼き定食の調理方法を伝授するが、頑固な店主は受け入れなかった。

軍玉屋

平たい顔に太い眉をした男性が店主を務める軍鶏鍋屋。以前は夜だけの営業だったが、半年前に始めた親子丼が評判を呼び、ランチタイムの営業もするようになった。昼間は親子丼を求める客で行列ができるほどの店となった。実は化学調味料を大量に使っており、そのことを連城りょうじに看破される。

クレジット

撮影協力

よこちゃん いせや

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